立ちはだかる要塞!
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それはテレビで試合を見ている瑞貴たちも同じように感じていた。
「ディフェンスだけじゃなく、攻撃陣の動きもスゴい……」
「鬼道……」
「確かに強力な技だ……。しかもあのMFの素早い動き、簡単には崩せないな……」
円堂も鬼道もテレビ越しとはいえ、ジ・エンパイアの実力が伝わっている。あの場に自分たちがいても相手のプレーを崩せるかわからない。
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ボールが回った風丸はドリブルで上がって行く。しかし表情が思わしくない。
(でも、このディフェンスを崩さなくては勝つことはできない!)
風丸は横に並ぶ豪炎寺に顔を向ける。
「豪炎寺!」
「っ!」
そのパスをセルヒオ=ペレスがカットした。
「だったら俺が!」
続く虎丸のドリブルもエステバンが防ぐ。
「今度こそ!」
再び突き進む染岡だが、ゴルドにジグザグフレイムでカットされる。
《得点は0対0! イナズマジャパンが攻め続けるが、ジ・エンパイアのディフェンスが崩せません!》
《ジ・エンパイアは守りからリズムを作るチーム……試合は完全にジ・エンパイアのペースですね》
「楽勝だな」
レビンの解説通り、テレスもジ・エンパイアの監督のダニエル=スタービンも笑っていた。
ドリブルする虎丸の横に染岡が走って行くと、前方からゴルドがディフェンスに入る。
「虎丸、パスだ!」
「今度こそ!」
「虎丸!?」
「ジグザグフレイム!」
染岡が声をかけるが虎丸は自分一人でディフェンスを崩すことで頭がいっぱいだ。その隙をゴルドがジグザグフレイムでボールを奪った。
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「なんだ? このサッカーは……」
「マズいな。攻撃がかみ合ってない」
「えっ?」
「『なんとしてもディフェンスを破らなくてはならない』……その強い思いが裏目に出て、みんなのプレーがバラバラになっている」
「!」
鬼道の言葉にフィディオは目を見開くと同時にチームKとの試合を思い出す。あのとき鬼道は的確な指示を出して選手を動かしていた。
「今のイナズマジャパンには有人や明王のような司令塔がいない……。だからピンチになるとどう動いていいかわからないんだ」
「それでこんなチグハグなサッカーを……。厳しい試合になりそうだな……」
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司令塔の鬼道も不動も、心の支えになる円堂も瑞貴もいない。更に加えて久遠たちもいないので余計に焦りが募る一方だ。
(本当にないのか? ジ・エンパイアのディフェンスに付け入る隙は……!)
「がんばって……みんな……!」
ヒロトも隙を見つけようと必死になり、秋はハラハラしながらも応援する。