立ちはだかる要塞!
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「船だ!」
「間に合ったな!」
「ああ!」
ゴオオォォオオオ――……。
「「「「「「!?」」」」」」
あと一歩のところで船が出航してしまった。瑞貴たちはそれに乗れることなく、呆然と船を見送るしかなかった。
――2時58分のヤマネコスタジアムでは、審判がフィールドのセンターラインに立つ。
「両チーム、グラウンドへ!」
「「「「「!?」」」」」
「それじゃ、軽く遊んでやるか」
「「「「「オウッ!!」」」」」
瑞貴たちが船に乗り過ごしたなど知らない中、風丸たちは最悪の事態が起きて動揺し、テレスたちジ・エンパイアは余裕でピッチに向かう。
「どうするんスか……?」
「風丸さん……」
「っ!」
壁山と栗松が不安そうに言うと風丸は顔をうつむけるが――。
「――やるしかないだろう」
「っ、豪炎寺……!」
風丸が顔を向けると豪炎寺は決意するように頷いた。
「そりゃそうだけど、監督もキャプテンも瑞貴姉もいないんじゃあ……」
「だからどうした!」
「「「!?」」」
木暮の言葉は壁山と栗松も同じ気持ちだが、綱海条介が声を上げた。
「キャプテンキャプテンって、お前らだって日本代表のメンバーだろ」
「「「!」」」
「だったら意地を見せて見ろ、意地を! 俺たちにはな、円堂や瑞貴たちだけじゃねぇ。吹雪や緑川、砂木沼たち、みんなの思いがかかってるんだ。今その思いに応えなくて、いつ応えるんだ!」
「「「…………」」」
「なーんてな!」
「「「えっ?」」」
先ほどまでの厳しい声音はどこに行ったのやら、いつもの明るい声音に戻ったことに木暮も壁山も栗松も驚いた。綱海は両腕を組んで目を閉じながら言う。
「まっ、いずれにせよだ。乗りかかった波は越えるしかねぇってことだ!」
「綱海くん……!」
綱海の励ましに秋も微笑み、木暮たちの顔つきも良いものになり、風丸は豪炎寺と顔を見合わせて頷いた。全員覚悟を決めたのだ。
キャプテンも副キャプテンもいないので、風丸がキャプテンマークを左腕に、基山ヒロトが副キャプテンマークを左手首に付けた。そして風丸はスターティングメンバーを発表する。
「――FWは豪炎寺、染岡、虎丸の3TOPでいく。MFは俺、ヒロト、土方。DFは綱海、壁山、木暮、飛鷹。キーパーは立向居だ」
「「「「「オウッ/はい/っス!!」」」」」
「はい……!」
みんなに遅れて立向居も真剣な面差しで返事をする。
「ジ・エンパイアの強さは、なんといっても予選大会を通してこれまで失点0の強力ディフェンスです」
「この試合は、そのディフェンスをいかにして破るかに掛かっている、と言ってもいいでしょう」
春奈も目金もジ・エンパイアの情報を伝えていく。
「任せておけ。そんなディフェンス潰してやるからよ!」
「ああ!」
「それじゃあ行くぞ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
染岡や豪炎寺や風丸を始め意気込みながらピッチへ駆けていく中、立向居の表情が暗いのを壁山は気づいて声をかける。
「大丈夫大丈夫。あんなに特訓したんだし、絶対に守れるっスよ」
「立向居! がんばるでヤンス!」
「ファイト! ファイトー!」
壁山だけじゃなくベンチにいる栗松も春奈も声を上げ、秋も冬花も目金も笑顔で見送っている。立向居は少し緊張が和らいだのか深く頷くとゴールに向かった。
「間に合ったな!」
「ああ!」
ゴオオォォオオオ――……。
「「「「「「!?」」」」」」
あと一歩のところで船が出航してしまった。瑞貴たちはそれに乗れることなく、呆然と船を見送るしかなかった。
――2時58分のヤマネコスタジアムでは、審判がフィールドのセンターラインに立つ。
「両チーム、グラウンドへ!」
「「「「「!?」」」」」
「それじゃ、軽く遊んでやるか」
「「「「「オウッ!!」」」」」
瑞貴たちが船に乗り過ごしたなど知らない中、風丸たちは最悪の事態が起きて動揺し、テレスたちジ・エンパイアは余裕でピッチに向かう。
「どうするんスか……?」
「風丸さん……」
「っ!」
壁山と栗松が不安そうに言うと風丸は顔をうつむけるが――。
「――やるしかないだろう」
「っ、豪炎寺……!」
風丸が顔を向けると豪炎寺は決意するように頷いた。
「そりゃそうだけど、監督もキャプテンも瑞貴姉もいないんじゃあ……」
「だからどうした!」
「「「!?」」」
木暮の言葉は壁山と栗松も同じ気持ちだが、綱海条介が声を上げた。
「キャプテンキャプテンって、お前らだって日本代表のメンバーだろ」
「「「!」」」
「だったら意地を見せて見ろ、意地を! 俺たちにはな、円堂や瑞貴たちだけじゃねぇ。吹雪や緑川、砂木沼たち、みんなの思いがかかってるんだ。今その思いに応えなくて、いつ応えるんだ!」
「「「…………」」」
「なーんてな!」
「「「えっ?」」」
先ほどまでの厳しい声音はどこに行ったのやら、いつもの明るい声音に戻ったことに木暮も壁山も栗松も驚いた。綱海は両腕を組んで目を閉じながら言う。
「まっ、いずれにせよだ。乗りかかった波は越えるしかねぇってことだ!」
「綱海くん……!」
綱海の励ましに秋も微笑み、木暮たちの顔つきも良いものになり、風丸は豪炎寺と顔を見合わせて頷いた。全員覚悟を決めたのだ。
キャプテンも副キャプテンもいないので、風丸がキャプテンマークを左腕に、基山ヒロトが副キャプテンマークを左手首に付けた。そして風丸はスターティングメンバーを発表する。
「――FWは豪炎寺、染岡、虎丸の3TOPでいく。MFは俺、ヒロト、土方。DFは綱海、壁山、木暮、飛鷹。キーパーは立向居だ」
「「「「「オウッ/はい/っス!!」」」」」
「はい……!」
みんなに遅れて立向居も真剣な面差しで返事をする。
「ジ・エンパイアの強さは、なんといっても予選大会を通してこれまで失点0の強力ディフェンスです」
「この試合は、そのディフェンスをいかにして破るかに掛かっている、と言ってもいいでしょう」
春奈も目金もジ・エンパイアの情報を伝えていく。
「任せておけ。そんなディフェンス潰してやるからよ!」
「ああ!」
「それじゃあ行くぞ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
染岡や豪炎寺や風丸を始め意気込みながらピッチへ駆けていく中、立向居の表情が暗いのを壁山は気づいて声をかける。
「大丈夫大丈夫。あんなに特訓したんだし、絶対に守れるっスよ」
「立向居! がんばるでヤンス!」
「ファイト! ファイトー!」
壁山だけじゃなくベンチにいる栗松も春奈も声を上げ、秋も冬花も目金も笑顔で見送っている。立向居は少し緊張が和らいだのか深く頷くとゴールに向かった。