戦慄! もう一人の「鬼道」‼︎
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(真に私の作品となるべき存在は、お前だからだ!)
(バカな!)
「しっかりしろ鬼道!」
声と共にボールが鬼道の元へ渡った。同時に我に返って送った佐久間を見る。
「お前がゲームメイクしなければ、奴らに勝てないぞ!」
「あ、ああ」
鬼道は戸惑いながらもドリブルを始める。同時に影山と心の戦いを始めた。
(そうだ……。俺はもう、あなたとは別の道を歩いている!)
(本当にそうかな?)
(!)
(そのドリブル、そのフェイント、そのゲームメイク、お前のサッカー……お前の全て……全て私が与えたものだ。私と別の道を行くことなどできるはずもない)
(そんなことはない!)
(お前が忘れているだけだ、見ろ、デモーニオの姿を)
鬼道はデモーニオを見ると同時に帝国学園時代の自分を思い出した。それを読んだ影山は言葉を続ける。
(自信に溢れ、力に満ち、約束された勝利を楽しんでいる)
(あれは……!)
(そう、あの日のお前だ。私と知り合い、帝国のサッカーを極めた、あの日の。お前が忘れたもの、お前が失ったものだ)
(俺は何も忘れていない! それどころか、あいつらと出会ってより多くのモノを得た! 仲間と勝つことの本当の意味と喜びを、俺は知ったんだ!)
(それが、お前の目指していたサッカーか?)
(えっ)
(仲間などお前には必要ない! より完璧に試合を動かし、より完璧に勝利する最高の作品、フィールドの帝王……それがお前だ。鬼道)
(ち、違う!)
(抗うことなどできん。私の意志はお前の中に刻み込まれているのだ)
(…………!)
(私がそう作り上げたのだからな)
その言葉が鬼道を完全に追い詰めてしまった。そして気づかされようとしている。
(そうか、俺は……)
(そうだ、お前は……)
(この人からは……)
(私からは……)
(――いつまでも昔のこと引き摺ってんじゃねぇ!)
次に鬼道を我に返らせたのは、佐久間でもなく、瑞貴でもなく、円堂でもなく――不動だった。
「っ!」
「ウジウジとウゼェんだよ! 俺たちは人形でも、作品でもねぇぞ!」
しかも不動はうしろからスライディングで鬼道からボールを奪った。
「ふ、不動……」
「あいつ!」
「明王!」
突然のことで受け身が取れなかった鬼道は地に倒れ、円堂は驚きの声を上げ、瑞貴は祈るように胸に拳を当てて不動を見つめていた。
不動は周りを睨み付けると、その迫力にジャッロ=トパーツィオも、ロッソも、ネッロ=アーガタも怯む。だけど佐久間は声を荒げた。
「本性を現したな、不動!」
「あぁ?」
「お前が影山に寝返ることはわかっていた!」
「勘違いしてんじゃねぇよ。俺が影山に近づこうとしたのは仲間になるためじゃねぇ」
「えっ」
「俺は影山の奴に直接見せつけてやりたかったのさ。――俺はもう、お前の力なんか必要としてないってな!」
不動は今までよりも鋭い目つきで影山を睨み付ける。その表情はいつになく険しい。
「いつまでも鬼道鬼道って見苦しいぜ、影山!」
「不動……!」
「不動……」
不動もまた影山の呪縛から離れようと、戦おうとした一人であったことを、鬼道も佐久間も気づいた。
「チッ。俺一人で奴の企みを突き止めようとしてたのによ、ゾロゾロ付いて来やがって。しかもあいつまで引き入れようとするなんてな。ったく」
「明王……!」
不動はチラッと見ただけだが、その視線に瑞貴は気づいて彼の優しい気持ちに嬉しく思った。鬼道は倒れたまま不動を見上げる。
「お前……」
「奴が日本代表を破壊するってんなら俺は――サッカーで影山を潰す! お前はどうすんだ? 鬼道クン。影山の作品に戻るか? それとも……」
「俺は人形でも、作品でもない!」
鬼道は立ち上がって不動からボールを奪った。いや、不動が譲ったと言っても過言ではないだろう。
(バカな!)
「しっかりしろ鬼道!」
声と共にボールが鬼道の元へ渡った。同時に我に返って送った佐久間を見る。
「お前がゲームメイクしなければ、奴らに勝てないぞ!」
「あ、ああ」
鬼道は戸惑いながらもドリブルを始める。同時に影山と心の戦いを始めた。
(そうだ……。俺はもう、あなたとは別の道を歩いている!)
(本当にそうかな?)
(!)
(そのドリブル、そのフェイント、そのゲームメイク、お前のサッカー……お前の全て……全て私が与えたものだ。私と別の道を行くことなどできるはずもない)
(そんなことはない!)
(お前が忘れているだけだ、見ろ、デモーニオの姿を)
鬼道はデモーニオを見ると同時に帝国学園時代の自分を思い出した。それを読んだ影山は言葉を続ける。
(自信に溢れ、力に満ち、約束された勝利を楽しんでいる)
(あれは……!)
(そう、あの日のお前だ。私と知り合い、帝国のサッカーを極めた、あの日の。お前が忘れたもの、お前が失ったものだ)
(俺は何も忘れていない! それどころか、あいつらと出会ってより多くのモノを得た! 仲間と勝つことの本当の意味と喜びを、俺は知ったんだ!)
(それが、お前の目指していたサッカーか?)
(えっ)
(仲間などお前には必要ない! より完璧に試合を動かし、より完璧に勝利する最高の作品、フィールドの帝王……それがお前だ。鬼道)
(ち、違う!)
(抗うことなどできん。私の意志はお前の中に刻み込まれているのだ)
(…………!)
(私がそう作り上げたのだからな)
その言葉が鬼道を完全に追い詰めてしまった。そして気づかされようとしている。
(そうか、俺は……)
(そうだ、お前は……)
(この人からは……)
(私からは……)
(――いつまでも昔のこと引き摺ってんじゃねぇ!)
次に鬼道を我に返らせたのは、佐久間でもなく、瑞貴でもなく、円堂でもなく――不動だった。
「っ!」
「ウジウジとウゼェんだよ! 俺たちは人形でも、作品でもねぇぞ!」
しかも不動はうしろからスライディングで鬼道からボールを奪った。
「ふ、不動……」
「あいつ!」
「明王!」
突然のことで受け身が取れなかった鬼道は地に倒れ、円堂は驚きの声を上げ、瑞貴は祈るように胸に拳を当てて不動を見つめていた。
不動は周りを睨み付けると、その迫力にジャッロ=トパーツィオも、ロッソも、ネッロ=アーガタも怯む。だけど佐久間は声を荒げた。
「本性を現したな、不動!」
「あぁ?」
「お前が影山に寝返ることはわかっていた!」
「勘違いしてんじゃねぇよ。俺が影山に近づこうとしたのは仲間になるためじゃねぇ」
「えっ」
「俺は影山の奴に直接見せつけてやりたかったのさ。――俺はもう、お前の力なんか必要としてないってな!」
不動は今までよりも鋭い目つきで影山を睨み付ける。その表情はいつになく険しい。
「いつまでも鬼道鬼道って見苦しいぜ、影山!」
「不動……!」
「不動……」
不動もまた影山の呪縛から離れようと、戦おうとした一人であったことを、鬼道も佐久間も気づいた。
「チッ。俺一人で奴の企みを突き止めようとしてたのによ、ゾロゾロ付いて来やがって。しかもあいつまで引き入れようとするなんてな。ったく」
「明王……!」
不動はチラッと見ただけだが、その視線に瑞貴は気づいて彼の優しい気持ちに嬉しく思った。鬼道は倒れたまま不動を見上げる。
「お前……」
「奴が日本代表を破壊するってんなら俺は――サッカーで影山を潰す! お前はどうすんだ? 鬼道クン。影山の作品に戻るか? それとも……」
「俺は人形でも、作品でもない!」
鬼道は立ち上がって不動からボールを奪った。いや、不動が譲ったと言っても過言ではないだろう。