帝国の呪縛! 後編‼︎
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「明王は影山さんの元に行かないよ。会っていたってことも、たまたま鉢合わせしただけかもしれないし。有人も次郎も、明王と影山さんが会話したところを見たの?」
「そ、それは……」
「見ていない……」
鬼道も佐久間も見たのは影山が乗ろうとしていた車の近くに不動がいた所だけだ。二人が会話したり何かのやりとりをしていた場面は見ていない。
「それに今日初めて明王のプレーに異変があった。明王の心に乱れがあるからと思うんだ。本当に影山さんの元に就くなら久遠監督に退場を言い渡されることはないし、私も今までペア練習を中心にプレーしてたから感じている。――プレーが私たち選手の最高のコミュニケーションだもん」
「……フンッ!」
キャプテンと副キャプテンに信頼された動揺を隠すためか、不動は椅子に座って両腕と足を組む。
「それで、どこへ行くんだ?」
「それは……」
バスがトンネルを出るとジャパンエリアとは違う景色に変わった。
〈次は、イタリア。イタリアエリアに停車します〉
イタリアエリアのバス停に止まると、全員バスから出てきた。同時にふと思い出した円堂は瑞貴に尋ねる。
「そういえば瑞貴。お前のほうは大丈夫か?」
「うん。私を呼び出した人物もここにいるから」
「呼び出した?」
鬼道たちは瑞貴が来た本当の理由を知らない。隠す必要もないので瑞貴は真っ白い封筒を取り出して中の手紙をみんなに見せる。
「『イタリアエリアで待っている。K』……K!?」
「Kってまさか、影山のKか!?」
「……チッ」
「影山!?」
鬼道が読み上げた内容に佐久間は驚き、不動は人知れず舌打ちする。円堂は詳しい事情も知らずに付いて来たので同じく驚いた。
「円堂は知ってて一緒に来たんじゃなかったのか?」
「いや、内容までは知らなかったから……」
「あのときは一刻も早くバスに乗ることを先決してたの。ごめんね」
瑞貴は円堂に苦笑しながら謝ると、次いで眉を下げて少し顔をうつむける。
「危険があるかもしれないから、本当は私一人で行くつもりだったんだ」
「何言ってる。むしろ一人は危険だ! 影山はお前を狙っていた過去がある。真・帝国のときは何もしてこなかったとはいえ――」
「いや、影山はあのときも瑞貴を狙っていた」
「「「えっ!?」」」
「…………」
声を荒げる鬼道の言葉を遮ったのは佐久間だ。円堂と瑞貴と鬼道が驚くと、佐久間はそのときのことを思い出して顔を歪めながら拳を強く握る。事情を知っているので不動は黙ったままだ。
「あのとき俺は……俺と源田は鬼道や雷門に勝って瑞貴に認めてもらおうと躍起になっていた。試合に勝てば瑞貴が認めてくれて、同じチームに来てくれると思ったんだ。俺たちの……影山のいるチームに」
「そうだったのか……」
確かに佐久間か源田幸次郎の元へ行くことは必然的に影山のいるチームに入ることになるのだ。円堂はそれがわかって納得した。
「そ、それは……」
「見ていない……」
鬼道も佐久間も見たのは影山が乗ろうとしていた車の近くに不動がいた所だけだ。二人が会話したり何かのやりとりをしていた場面は見ていない。
「それに今日初めて明王のプレーに異変があった。明王の心に乱れがあるからと思うんだ。本当に影山さんの元に就くなら久遠監督に退場を言い渡されることはないし、私も今までペア練習を中心にプレーしてたから感じている。――プレーが私たち選手の最高のコミュニケーションだもん」
「……フンッ!」
キャプテンと副キャプテンに信頼された動揺を隠すためか、不動は椅子に座って両腕と足を組む。
「それで、どこへ行くんだ?」
「それは……」
バスがトンネルを出るとジャパンエリアとは違う景色に変わった。
〈次は、イタリア。イタリアエリアに停車します〉
イタリアエリアのバス停に止まると、全員バスから出てきた。同時にふと思い出した円堂は瑞貴に尋ねる。
「そういえば瑞貴。お前のほうは大丈夫か?」
「うん。私を呼び出した人物もここにいるから」
「呼び出した?」
鬼道たちは瑞貴が来た本当の理由を知らない。隠す必要もないので瑞貴は真っ白い封筒を取り出して中の手紙をみんなに見せる。
「『イタリアエリアで待っている。K』……K!?」
「Kってまさか、影山のKか!?」
「……チッ」
「影山!?」
鬼道が読み上げた内容に佐久間は驚き、不動は人知れず舌打ちする。円堂は詳しい事情も知らずに付いて来たので同じく驚いた。
「円堂は知ってて一緒に来たんじゃなかったのか?」
「いや、内容までは知らなかったから……」
「あのときは一刻も早くバスに乗ることを先決してたの。ごめんね」
瑞貴は円堂に苦笑しながら謝ると、次いで眉を下げて少し顔をうつむける。
「危険があるかもしれないから、本当は私一人で行くつもりだったんだ」
「何言ってる。むしろ一人は危険だ! 影山はお前を狙っていた過去がある。真・帝国のときは何もしてこなかったとはいえ――」
「いや、影山はあのときも瑞貴を狙っていた」
「「「えっ!?」」」
「…………」
声を荒げる鬼道の言葉を遮ったのは佐久間だ。円堂と瑞貴と鬼道が驚くと、佐久間はそのときのことを思い出して顔を歪めながら拳を強く握る。事情を知っているので不動は黙ったままだ。
「あのとき俺は……俺と源田は鬼道や雷門に勝って瑞貴に認めてもらおうと躍起になっていた。試合に勝てば瑞貴が認めてくれて、同じチームに来てくれると思ったんだ。俺たちの……影山のいるチームに」
「そうだったのか……」
確かに佐久間か源田幸次郎の元へ行くことは必然的に影山のいるチームに入ることになるのだ。円堂はそれがわかって納得した。