鬼道有人と佐久間次郎が街中で出会った影山零治らしき男、さらに鬼道そっくりの少年がいたと言う。そこに不動明王が絡んでいて、佐久間は彼がもう一度影山に就くのではないかと考えていた。練習中に不動がイタリアエリアに向かうとき、鬼道も佐久間も追いかける。

同じく練習中に、井上瑞貴の元へ一通の手紙が届いた。そこには『イタリアエリアで待っている。Ｋ』と書かれていた。それに伴って向かった瑞貴を円堂守があとを追いかけ、バスに乗ると鬼道と佐久間と不動がいた。

そこで鬼道から衝撃的なことを聞かされる。


「この島に影山がいる」

「あの影山が!?」

（やっぱり……）


原作の流れと自分に手紙を送った『Ｋ』という人物で、瑞貴は影山のことを想定していた。


「じゃあ、影山はこの世界大会で何かしようとしているのか!?」

「わからない……。だからそれを調べに行く。もし悪事を企てているとしたら、なんとしても止めなければ」

「そうか。だから有人たちは練習に集中できなかったんだね」


練習中に鬼道と佐久間と不動のプレーが乱れていたので、久遠道也から退場を命じられた。


「心配かけてすまなかった……」

「アルゼンチン戦は明後日。今日明日の内に心配ごとを片付けて、試合に臨もう。久遠監督には帰ってから説明する」

「よし！　みんなで影山の野望を止めるんだ！」

｢｢…………｣｣

「どうした？」


即座に同意してくれると思ったが、鬼道と佐久間は険しい表情で不動に顔を向けた。


「少なくとも俺たちは影山を止めるためだが、あいつは影山の元へ行くかもしれない」

「えっ？」

「不動は、影山と二人きりで会っていたんだ」

「そうなのか？」

「……さあな」

「不動！」


否定も肯定もしない物言いで顔を背け、そんな不動の態度に鬼道が声を上げる。

バスがトンネルに入って重い空気が漂う中、円堂と瑞貴は穏やかな表情でいた。


「俺は不動を信じる」

「私も」

｢｢｢!?｣｣｣


突然の発言に鬼道も佐久間も、そして不動すらも目を見開いて円堂と瑞貴を見る。


「円堂？　瑞貴？」

「俺には、不動も、鬼道や佐久間と同じ大事な仲間だ」

「しかし！」

「俺はみんなを信じてる！」


円堂はニカッと笑った。彼の言葉と笑顔に救われた人は大勢いるだろう。瑞貴もその一人である。