目金、立つ!
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目金はズイッと円堂に顔を近づける。
「行きましょう、円堂くん!」
「で、でも……」
「僕たちは秋葉名戸学園のことをなんにも知りません。これは――これは試合を有利に進めるための情報収集なのですよ!」
「なるほど……」
「……自分が行きたいだけだろ」
瑞貴の最もな意見に円堂と目金以外の部員が全員頷いた。
「よし! 行ってみようぜ!」
「マジかよ!?」
キャプテンである円堂の言葉となれば誰も逆らえない。松野は本気で行くことに驚いているし、染岡や壁山や栗松や秋は顔を赤くし、春奈は苦笑し、夏未は「単純」と呟き、他には呆れる者もいる。例外の目金は嬉しそうな顔をしていた。
決定事項になったので、もうあきらめた瑞貴は溜息を吐き、両腕を組んで一歩前に出る。
「行くのは構わないけど、部費で請求しないでね。――特に欠流」
「わ、わかってますよぉ……」
瑞貴がギロッと強く睨むと目金はビクッと肩を上げ震える声で返事をする。瑞貴は「よろしい」と言って深く頷いた。見事に躾けている。
「じゃあ、行ってらっしゃい。気をつけてね」
「……瑞貴は行かないの?」
「ウッ!」
ボソリと影野仁が呟くと、瑞貴は肩を大きく揺らして冷や汗をかく。
「わ、私はその間に練習しているから。じゃ!」
「「「待て待て待て待て!!」」」
そそくさと退場しようとする瑞貴を、風丸と半田と染岡が慌てて制する。
「私こういうの苦手なんだってば!」
「お前だけ逃げよったって、そうはいかねぇぞ!」
最終的に染岡に引きずられ、瑞貴は涙を流しながらされるがままになっていた。
☆☆☆☆☆
「「「「「お帰りなさいませぇ。ご主人様ぁ、お嬢様ぁ」」」」」
「帰る」
「「「待て待て待て待て!!」」」
入口で出迎えてきたメイド店員に部員一同は唖然としたり、顔を赤くしたりする者と分かれていた。ちなみに目金は平気な顔をしている。踵(キビス)を返そうとする瑞貴にまた先ほどの三人が制した。
「十三名様ですねぇ。こちらにどうぞぉ」
メイドに案内され、円堂と風丸と瑞貴、目金と染岡、土門と半田、松野と影野、壁山と栗松と宍戸と少林寺という形で席に座る。
「これが……メイド喫茶……」
(帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい…………)
ここまで来て円堂も顔を赤くし始める。早速後悔しているかもしれないがもう遅い。むしろ瑞貴など一刻も早くここから出たい思いでいっぱいだった。
「み、瑞貴……。お前ものスゴく怖い顔をしているぞ」
「早く帰りたいからに決まってるじゃん」
「ご注文は何にいたしますかぁ?」
いきなりメイドに話しかけられたので、円堂は急いで注文を決めるためにメニューに目を落とすが――。
「な、なんだよこれ!?」
そこには『ピンクのときめきミルクティー』や『麗しの君ジャスミンティー』や『魅惑のドキドキハーブティー』など言うだけでも恥ずかしい名前がズラリと並んでいた。
するとメイドが再び注文を聞いてきたので、円堂はなんとか答えようとする。
「え、えっとぉ……。じゃあ、これ……」
「どちらですかぁ?」
顔を思いっきり近づけてきたメイドに円堂はどもる。
「ピ、ピンクの、と、とき……」
「ピンクのときめきミルクティーですねぇ。かしこまりましたぁ」
「ハァ……」
「お疲れさま」
なんとか注文できて一気に脱力する円堂の頭を、瑞貴は同情しながら撫でた。
「いけませんねぇ。メイド喫茶に来たら、彼女たちとの交流を楽しまなければ。緊張していては、逆に彼女たちに失礼ですよ」
「……欠流、絶対に来たことあるでしょ」
意外と詳しい目金に瑞貴は冷めた表情で見て溜息をつく。
「そちらのお嬢様は……あら!」
急に声を上げたメイドに、瑞貴を始め円堂たちが顔を上げるとメイドは騒ぎ出して他のメイドたちを呼び出した。
「みんな! 来て来て!」
「どうし……きゃー! スッゴく可愛いじゃない!」
「「「「「?」」」」」
他のメイドも騒ぎ出し、なんのことかわからないサッカー部一同は視線を合わせる。すると、瑞貴の両腕がガシッとつかまれた。
「えっ?」
「少しこちらへ来てくださいぃ」
「すぐにすみますからぁ」
「えっ、あの、ちょ、みぎゃああぁぁあああ――……」
有無を言わさず連行された瑞貴に残された者たちが呆然とする。しばらくして奥に引っ込んだメイドが一人帰ってきて注文を聞く。
「ああ、僕はときめきピコピコケーキセットを」
「かしこまりましたぁ、ご主人様ぁ」
「「「「「な、馴染んでやがる……」」」」」
いとも平気で言う目金に唖然とする円堂たち。瑞貴の言葉が納得できた。
「――なんで私が……」
「おっ、瑞貴。戻って来た……の……か……」
瑞貴の声に円堂が気づくと語尾が途切れ途切れになっていた。不思議に思ったみんなは視線を追うと――全員顔が頬から耳まで真っ赤になった。
そこにはメイドと同じ服を着て髪をうなじでツインテールにしているメイド姿の瑞貴がいたからだ。染岡は椅子から立ち上がって瑞貴を指差す。
「お、お前! なんだよその格好!」
「奥に引っ張り出されたかと思ったら、いきなり着せられたんだよ……」
瑞貴は深い溜息を吐く。部屋に入った途端、メイドたちに有無を言わされず着せられたのだ。しかも物凄い笑顔で。
瑞貴はクルリと一回転すると、その可愛らしさにますますみんなは顔を赤くする。
「行きましょう、円堂くん!」
「で、でも……」
「僕たちは秋葉名戸学園のことをなんにも知りません。これは――これは試合を有利に進めるための情報収集なのですよ!」
「なるほど……」
「……自分が行きたいだけだろ」
瑞貴の最もな意見に円堂と目金以外の部員が全員頷いた。
「よし! 行ってみようぜ!」
「マジかよ!?」
キャプテンである円堂の言葉となれば誰も逆らえない。松野は本気で行くことに驚いているし、染岡や壁山や栗松や秋は顔を赤くし、春奈は苦笑し、夏未は「単純」と呟き、他には呆れる者もいる。例外の目金は嬉しそうな顔をしていた。
決定事項になったので、もうあきらめた瑞貴は溜息を吐き、両腕を組んで一歩前に出る。
「行くのは構わないけど、部費で請求しないでね。――特に欠流」
「わ、わかってますよぉ……」
瑞貴がギロッと強く睨むと目金はビクッと肩を上げ震える声で返事をする。瑞貴は「よろしい」と言って深く頷いた。見事に躾けている。
「じゃあ、行ってらっしゃい。気をつけてね」
「……瑞貴は行かないの?」
「ウッ!」
ボソリと影野仁が呟くと、瑞貴は肩を大きく揺らして冷や汗をかく。
「わ、私はその間に練習しているから。じゃ!」
「「「待て待て待て待て!!」」」
そそくさと退場しようとする瑞貴を、風丸と半田と染岡が慌てて制する。
「私こういうの苦手なんだってば!」
「お前だけ逃げよったって、そうはいかねぇぞ!」
最終的に染岡に引きずられ、瑞貴は涙を流しながらされるがままになっていた。
☆☆☆☆☆
「「「「「お帰りなさいませぇ。ご主人様ぁ、お嬢様ぁ」」」」」
「帰る」
「「「待て待て待て待て!!」」」
入口で出迎えてきたメイド店員に部員一同は唖然としたり、顔を赤くしたりする者と分かれていた。ちなみに目金は平気な顔をしている。踵(キビス)を返そうとする瑞貴にまた先ほどの三人が制した。
「十三名様ですねぇ。こちらにどうぞぉ」
メイドに案内され、円堂と風丸と瑞貴、目金と染岡、土門と半田、松野と影野、壁山と栗松と宍戸と少林寺という形で席に座る。
「これが……メイド喫茶……」
(帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい…………)
ここまで来て円堂も顔を赤くし始める。早速後悔しているかもしれないがもう遅い。むしろ瑞貴など一刻も早くここから出たい思いでいっぱいだった。
「み、瑞貴……。お前ものスゴく怖い顔をしているぞ」
「早く帰りたいからに決まってるじゃん」
「ご注文は何にいたしますかぁ?」
いきなりメイドに話しかけられたので、円堂は急いで注文を決めるためにメニューに目を落とすが――。
「な、なんだよこれ!?」
そこには『ピンクのときめきミルクティー』や『麗しの君ジャスミンティー』や『魅惑のドキドキハーブティー』など言うだけでも恥ずかしい名前がズラリと並んでいた。
するとメイドが再び注文を聞いてきたので、円堂はなんとか答えようとする。
「え、えっとぉ……。じゃあ、これ……」
「どちらですかぁ?」
顔を思いっきり近づけてきたメイドに円堂はどもる。
「ピ、ピンクの、と、とき……」
「ピンクのときめきミルクティーですねぇ。かしこまりましたぁ」
「ハァ……」
「お疲れさま」
なんとか注文できて一気に脱力する円堂の頭を、瑞貴は同情しながら撫でた。
「いけませんねぇ。メイド喫茶に来たら、彼女たちとの交流を楽しまなければ。緊張していては、逆に彼女たちに失礼ですよ」
「……欠流、絶対に来たことあるでしょ」
意外と詳しい目金に瑞貴は冷めた表情で見て溜息をつく。
「そちらのお嬢様は……あら!」
急に声を上げたメイドに、瑞貴を始め円堂たちが顔を上げるとメイドは騒ぎ出して他のメイドたちを呼び出した。
「みんな! 来て来て!」
「どうし……きゃー! スッゴく可愛いじゃない!」
「「「「「?」」」」」
他のメイドも騒ぎ出し、なんのことかわからないサッカー部一同は視線を合わせる。すると、瑞貴の両腕がガシッとつかまれた。
「えっ?」
「少しこちらへ来てくださいぃ」
「すぐにすみますからぁ」
「えっ、あの、ちょ、みぎゃああぁぁあああ――……」
有無を言わさず連行された瑞貴に残された者たちが呆然とする。しばらくして奥に引っ込んだメイドが一人帰ってきて注文を聞く。
「ああ、僕はときめきピコピコケーキセットを」
「かしこまりましたぁ、ご主人様ぁ」
「「「「「な、馴染んでやがる……」」」」」
いとも平気で言う目金に唖然とする円堂たち。瑞貴の言葉が納得できた。
「――なんで私が……」
「おっ、瑞貴。戻って来た……の……か……」
瑞貴の声に円堂が気づくと語尾が途切れ途切れになっていた。不思議に思ったみんなは視線を追うと――全員顔が頬から耳まで真っ赤になった。
そこにはメイドと同じ服を着て髪をうなじでツインテールにしているメイド姿の瑞貴がいたからだ。染岡は椅子から立ち上がって瑞貴を指差す。
「お、お前! なんだよその格好!」
「奥に引っ張り出されたかと思ったら、いきなり着せられたんだよ……」
瑞貴は深い溜息を吐く。部屋に入った途端、メイドたちに有無を言わされず着せられたのだ。しかも物凄い笑顔で。
瑞貴はクルリと一回転すると、その可愛らしさにますますみんなは顔を赤くする。