帝国の呪縛! 前編‼︎
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グラウンドでイナズマジャパンが練習を行う中、立向居の魔王・ザ・ハンドの習得に音無春奈と壁山塀吾郎と木暮夕弥と栗松鉄平と綱海が勤しんでいる。
瑞貴は通常練習中は攻撃陣の練習があるため不参加なのだ。
「撃て撃て撃て――っ!!」
春奈が合図すると一斉にシュートが撃たれ、立向居はそれを全てセーブする。
「まだまだぁ! 必殺技は一日にしてならずよ! そんなモンじゃ終わらないわ! さあもう一度、撃て――っ!!」
しかし撃たれたシュートは綱海のだけ。壁山と木暮と栗松はバテていた。
「ちょ、ちょっとみんな!」
「もう百本以上撃ってるっスよ……」
「疲れて動けないでヤンス……」
「こっちの身にもなってくれよ……」
「しょーがねぇな。ちょっと休むか」
「ダーメダメダメ――ッ!!」
「いっ!?」
壁山たちの様子を見て休憩を提案した綱海だが、春奈の気迫に圧されてビクッと体が硬直した。春奈はビシッと立向居を指差す。
「立向居くんのために、みんなで協力して必殺技を作るって、あの夕日に誓った約束を忘れたの!?」
「夕日になんか誓ってないけど」
今回は木暮の言葉はごもっともだ。しかし春奈はそれも押しのける。
「必殺技ができるまで、立って立って立ち続けるのよ!」
「綱海さん、なんか言ってくださいっス……」
「……ここまで言われちゃ、やるしかねぇだろ」
「「「ウエェ~~!」」」
壁山は助け舟を求めるが綱海も春奈に逆らえなかった。
そんな彼らの様子を、ベンチから木野秋と目金欠流と久遠冬花が苦笑しながら見ていた。
「音無さん、人が変わったみたい……」
「『おとなし』じゃなくて『やかまし』ですね……」
「フフッ。春奈さん、なんだか楽しそう」
「そうね。どんな形だってチームの役に立てるのは嬉しいもんね」
「はい」
「撃て撃て、撃て――っ!!」
主に情報収集を担当する春奈が練習に参加して積極的に声掛けしている。彼女の新しい一面が見れたかもしれない。
「いっくぞー立向居! ふっ!」
「うおおぉぉおおお! ――っ!」
最初に見たときと同じ紫のオーラが出たが、それも一瞬でシュートに弾き飛ばされてしまった。綱海たちは心配して立向居の元へ駆け寄る。
「おい、大丈夫か?」
「あと少しでできそうなのに……何が足りないんだろう……?」
「ん? そんなモン、熱さだ! 情熱だ! 心の底から湧き上がってくるモンを、もっと全身で表すんだよ! そこから必殺技が生まれるんだ!」
「えっ? どうすれば表現できるんスか?」
「ノリだよノリ! ノリでなんとかできる!」
「ノリ?」
綱海のアドバイスは役に立つようで立たない。頭で考えるより行動してできるタイプなのだ。