（そこへ――円堂と瑞貴が現れた。あの円堂大介の孫がキャプテンとなり、女子ながらも優秀なプレーをする副キャプテンにより、雷門中サッカー部はみるみる実力を付けていった。そして、帝国学園の脅威になったとき、彼の復讐心が暴れ出した。）


予選決勝では試合中グラウンドへ鉄鋼を落とし、全国大会では人体の能力をパワーアップさせる神のアクアというものまで利用し、雷門中を倒そうとしたが……。


『ゴッドノウズ！』

『これが俺の…マジン・ザ・ハンドだぁああ!!』

『シューティング……』

『トルネード！』

『神が……負ける……』


これまでの悪事が白日の下にさらされ逮捕された。だが――それで全ては終わらなかった。


（脱獄した影山は真・帝国学園を率いて雷門に勝負を挑んできた……。不動を使って、有力な選手を集めさせ、佐久間と源田には体が破壊されてしまう禁断の必殺技を使わせてまで勝とうとした。だが、その計画も失敗に終わった……）

『これまで私が手掛けた最高の作品を教えてやろう！　それは鬼道――お前だ！』

『影山ああぁぁああ!!』


影山のことを思い出す度に自分が『影山の作品』という言葉が頭によぎる。


「鬼道！」


別の道から佐久間が合流してきた。


「どうだった？」

「ダメだ……」

「そうか……。この辺りにはもういないのかもな」

「なぁ、あれは本当に影山だったのか？　ひょっとして見間違いじゃ――」

「そんなはずはない。俺は、あの人を小さい頃からずっと見続けてきた。あれは間違いなく影山だ」

「鬼道……」


影山のことで頭がいっぱいなので、二人のそばの建物の陰で不動が不敵に笑っていたことなど気づきもしない。


「もし影山が、このフットボールフロンティアインターナショナルに紛れ込んでいるとしたら……お前や瑞貴や円堂たちを危険な目に合わせるわけにはいかない！」


鬼道は決意するように拳を強く握りしめ、顔をしかめていた。