目金、立つ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
先日のフットボールフロンティア二回戦、御影専農中との試合で豪炎寺修也が足を負傷し、ドクターストップを受けたので準決勝に出られなくなった。
もちろんその状態では部活にも出られないので、雷門中サッカー部一同が校門前に待っているタクシーに乗ろうとする豪炎寺を見送ることになった。豪炎寺は振り向いてみんなに申し訳なさそうな顔をする。
「すまん……」
「気にすんなって!」
「そうだよ! 準決勝は私たちに任せといて!」
円堂守と井上瑞貴を始め、部員一同の表情を見た豪炎寺は微笑んで頷き、タクシーに乗る。だが彼が去ったあと重苦しい雰囲気が流れた。円堂はポツリと呟く。
「準決勝は豪炎寺抜きかぁ……」
「せっかく、二つもスゴいシュートを編み出したのになぁ」
「イナズマ1号と」
「シューティングトルネードね」
土門飛鳥の呟きに円堂と瑞貴が答えた。土門はキョトンとして二人を見る。
「イナズマ1号とシューティングトルネード?」
円堂と瑞貴は頷き、円堂は秘伝書を広げる。
「秘伝書に載ってたんだ。キーパーとFWの連携シュート。じいちゃんも考えてたんだよ。おんなじこと」
円堂はパタンと秘伝書を閉じる。
「やっぱりスゲーぜ! じいちゃんは!」
「シューティングトルネードはぶっつけ本番で作った技だったけど、うまくいってよかった」
「豪炎寺がいれば、準決勝でも使えたのになぁ……」
半田真一の言葉はほとんどの部員一同が思っていたことらしく、眉を下げて顔をうつむける人が結構いる。マネージャーの木野秋もだ。
「豪炎寺がいなくたって、お前らなら大丈夫だろ?」
「飛鳥……」
「土門……」
「いざとなったら、俺が出るしさ」
土門の励ましの言葉は少しながらもみんなの心を軽くさせた。瑞貴と円堂は腰に手を当てる。
「そうだね! 私たちでがんばらなくちゃ!」
「よし! さっそく練習だ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
拳を高く突き上げる部員一同。そして部室に戻るため走り出す。瑞貴は土門の肩をポンッと叩いた。
「ありがと、飛鳥」
「期待してるよ!」
瑞貴と秋の言葉に土門は目を見開き、二人は笑って学校に入った。……瑞貴のうしろ姿を頬を朱に染めた土門が複雑そうな表情で見ていることを気づかずに。
――雷門中サッカー部は部室で次の準決勝に向けてのミーティングをしている。
「地区予選準々決勝の尾刈斗中対秋葉名戸学園戦。この試合に勝ったチームと準決勝で戦うことになるわ」
「尾刈斗中って……」
「あいつらか」
風丸一郎太と円堂が思い出すように呟いた。帝国学園との練習試合のあとに戦った相手。ゴーストロックという、敵の動きを止める不気味な技を使っていた。
「猛特訓の末に相当戦力を強化したそうよ」
「あいつらがさらに特訓を!?」
「ますます怖くなったんスかぁ……?」
秋の言葉に染岡竜吾を始め部員一同が驚き騒ぎ出し、壁山塀吾郎は怯えている。
「で? 相手の秋葉名戸学園っていうのはどんなチームなの?」
雷門夏未の質問に秋は対戦相手の情報を記入した手帳を見る。
「学力優秀だけど少々マニアックな生徒が集まった学校……。フットボールフロンティア出場校中、最弱の呼び声が高いチームで……な、何これ!?」
「どうした?」
突然秋が顔を赤くして驚きの声を上げたことに円堂たちは不思議に思った。秋は頬を染めながらも再開する。
「尾刈斗中との試合前にメイド喫茶に入り浸っていた……――ですって!」
「メ、メイド喫茶ですと!?」
「なぁに? それ」
その言葉に目金欠流が一番に反応する。ちなみに世間で言うとお嬢様の夏未はわからないようで半目で言った。
「そんな連中がよく勝ち進んでこれたね」
「こりゃあ、準決勝の相手は尾刈斗中で決まりでヤンスね」
秋葉名戸学園の行動に松野空介と栗松鉄平は呆れ、すでに結果は聞くまでもない、と思ったのだろう。しかし円堂と瑞貴は顔をしかめる。
「だけど今回は豪炎寺がいないんだ」
「前みたいにはいかないかも……」
ガラッ!
「――大変です! 大変です! た・い・へ・ん・なんですよぉ! 瑞貴先輩!」
「げふぅ!」
「どわあ!」
部室の扉が開いたかと思うと、そこには血相を抱えた音無春奈が現れた。一目散に宍戸佐吉を押しのけ、膝にいる少林寺歩をどかして瑞貴に飛びつく。
不意打ちをくらった瑞貴は床に倒れたが、受身をとったので怪我にはいたらなかった。
「は、春奈ちゃん……どうしたの?」
「今、準々決勝の結果がネットにアップされたんですけど……」
その報道は秋葉名戸学園に尾刈斗中が1対0で負けたことだった。
尾刈斗中ただでさえ強く、そして特訓してレベルアップしたというのに、出場校の中で最弱と名高い秋葉名戸学園に敗北したことは部員一同に衝撃を与えていた。
「あの尾刈斗中を倒すなんて……」
「どんなチームなんだよ。秋葉名戸って……」
壁山と円堂が声を上げると、目金が眼鏡をクイッと押し上げる。
「これは行ってみるしかないようですねぇ……メイド喫茶に!」
「「「「「ハァ?」」」」」
突然の発言に部員一同は「何言ってんだ?」というような顔をする。しかし目金はそれを気にせず淡々と話す。
「秋葉名戸学園とやらが、あの強豪・尾刈斗中を破ったのにはきっと訳があるはず……。僕にはその訳が、メイド喫茶にあるとみました」
もちろんその状態では部活にも出られないので、雷門中サッカー部一同が校門前に待っているタクシーに乗ろうとする豪炎寺を見送ることになった。豪炎寺は振り向いてみんなに申し訳なさそうな顔をする。
「すまん……」
「気にすんなって!」
「そうだよ! 準決勝は私たちに任せといて!」
円堂守と井上瑞貴を始め、部員一同の表情を見た豪炎寺は微笑んで頷き、タクシーに乗る。だが彼が去ったあと重苦しい雰囲気が流れた。円堂はポツリと呟く。
「準決勝は豪炎寺抜きかぁ……」
「せっかく、二つもスゴいシュートを編み出したのになぁ」
「イナズマ1号と」
「シューティングトルネードね」
土門飛鳥の呟きに円堂と瑞貴が答えた。土門はキョトンとして二人を見る。
「イナズマ1号とシューティングトルネード?」
円堂と瑞貴は頷き、円堂は秘伝書を広げる。
「秘伝書に載ってたんだ。キーパーとFWの連携シュート。じいちゃんも考えてたんだよ。おんなじこと」
円堂はパタンと秘伝書を閉じる。
「やっぱりスゲーぜ! じいちゃんは!」
「シューティングトルネードはぶっつけ本番で作った技だったけど、うまくいってよかった」
「豪炎寺がいれば、準決勝でも使えたのになぁ……」
半田真一の言葉はほとんどの部員一同が思っていたことらしく、眉を下げて顔をうつむける人が結構いる。マネージャーの木野秋もだ。
「豪炎寺がいなくたって、お前らなら大丈夫だろ?」
「飛鳥……」
「土門……」
「いざとなったら、俺が出るしさ」
土門の励ましの言葉は少しながらもみんなの心を軽くさせた。瑞貴と円堂は腰に手を当てる。
「そうだね! 私たちでがんばらなくちゃ!」
「よし! さっそく練習だ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
拳を高く突き上げる部員一同。そして部室に戻るため走り出す。瑞貴は土門の肩をポンッと叩いた。
「ありがと、飛鳥」
「期待してるよ!」
瑞貴と秋の言葉に土門は目を見開き、二人は笑って学校に入った。……瑞貴のうしろ姿を頬を朱に染めた土門が複雑そうな表情で見ていることを気づかずに。
――雷門中サッカー部は部室で次の準決勝に向けてのミーティングをしている。
「地区予選準々決勝の尾刈斗中対秋葉名戸学園戦。この試合に勝ったチームと準決勝で戦うことになるわ」
「尾刈斗中って……」
「あいつらか」
風丸一郎太と円堂が思い出すように呟いた。帝国学園との練習試合のあとに戦った相手。ゴーストロックという、敵の動きを止める不気味な技を使っていた。
「猛特訓の末に相当戦力を強化したそうよ」
「あいつらがさらに特訓を!?」
「ますます怖くなったんスかぁ……?」
秋の言葉に染岡竜吾を始め部員一同が驚き騒ぎ出し、壁山塀吾郎は怯えている。
「で? 相手の秋葉名戸学園っていうのはどんなチームなの?」
雷門夏未の質問に秋は対戦相手の情報を記入した手帳を見る。
「学力優秀だけど少々マニアックな生徒が集まった学校……。フットボールフロンティア出場校中、最弱の呼び声が高いチームで……な、何これ!?」
「どうした?」
突然秋が顔を赤くして驚きの声を上げたことに円堂たちは不思議に思った。秋は頬を染めながらも再開する。
「尾刈斗中との試合前にメイド喫茶に入り浸っていた……――ですって!」
「メ、メイド喫茶ですと!?」
「なぁに? それ」
その言葉に目金欠流が一番に反応する。ちなみに世間で言うとお嬢様の夏未はわからないようで半目で言った。
「そんな連中がよく勝ち進んでこれたね」
「こりゃあ、準決勝の相手は尾刈斗中で決まりでヤンスね」
秋葉名戸学園の行動に松野空介と栗松鉄平は呆れ、すでに結果は聞くまでもない、と思ったのだろう。しかし円堂と瑞貴は顔をしかめる。
「だけど今回は豪炎寺がいないんだ」
「前みたいにはいかないかも……」
ガラッ!
「――大変です! 大変です! た・い・へ・ん・なんですよぉ! 瑞貴先輩!」
「げふぅ!」
「どわあ!」
部室の扉が開いたかと思うと、そこには血相を抱えた音無春奈が現れた。一目散に宍戸佐吉を押しのけ、膝にいる少林寺歩をどかして瑞貴に飛びつく。
不意打ちをくらった瑞貴は床に倒れたが、受身をとったので怪我にはいたらなかった。
「は、春奈ちゃん……どうしたの?」
「今、準々決勝の結果がネットにアップされたんですけど……」
その報道は秋葉名戸学園に尾刈斗中が1対0で負けたことだった。
尾刈斗中ただでさえ強く、そして特訓してレベルアップしたというのに、出場校の中で最弱と名高い秋葉名戸学園に敗北したことは部員一同に衝撃を与えていた。
「あの尾刈斗中を倒すなんて……」
「どんなチームなんだよ。秋葉名戸って……」
壁山と円堂が声を上げると、目金が眼鏡をクイッと押し上げる。
「これは行ってみるしかないようですねぇ……メイド喫茶に!」
「「「「「ハァ?」」」」」
突然の発言に部員一同は「何言ってんだ?」というような顔をする。しかし目金はそれを気にせず淡々と話す。
「秋葉名戸学園とやらが、あの強豪・尾刈斗中を破ったのにはきっと訳があるはず……。僕にはその訳が、メイド喫茶にあるとみました」