サッカーやろうぜ!
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「なかなか可愛いじゃねぇか。なぁ彼女、俺たちと遊ばねぇ?」
「私の用件が先です。それに謝ってきた彼に足蹴りをするとは何事ですか! ふざけるのも大概にしてください!」
その言葉に円堂は目を見開く。瑞貴の態度が気に入らなかったのか、臼井は安井に言う。
「安井さん、お手本見せてやっちゃどうです?」
「いいねぇ」
安井は臼井の言葉にニヤニヤしながら立ち上がる。
「やってやろうじゃねぇの。ペッ」
「「「!」」」
安井はボールに唾を吐く。その行為に瑞貴も円堂も豪炎寺も目を見開き、眉を寄せた。
「あ~らよ、っと!」
ボールを蹴った衝撃で安井は倒れる。素人でコントロールはなってないが自分たちより年上で男なので威力はある。そのボールはそのまままこに向かっていく。
「危ない!」
瑞貴が叫ぶのと同時に豪炎寺が現れる。豪炎寺は跳び上がってボールを安井の顔面に蹴り返して、まこの前に着地する。しかし次にそのボールは瑞貴に向かってきた。
「よけて!」
「なっ!」
「――ふっ!」
秋の声や、豪炎寺がしまった、というような顔をしているが、瑞貴はそのままボールを「安井さん!」と叫んでいる臼井の顔面に向かって蹴り返した。
円堂は二人のシュートを見て唖然としていた。豪炎寺も瑞貴のシュートは驚いている。臼井はダメージによろけながらも、瑞貴と豪炎寺を見て叫ぶ。
「て、てめぇら!」
「彼に謝らなかった罰と、女の子にボールをぶつけようとした罰です」
「こ、この女ぁ!」
平然と言う瑞貴の言葉に臼井は肩を震わせながら威勢よく睨みつけて瑞貴の腕をつかむ。瑞貴は振り払おうとすると突然その手の上に別の手が重なる。
「その手を離せ」
「ヒッ……! 覚えていろよー!」
しかし臼井より何倍にも殺気を含んだ視線を出す豪炎寺は、瑞貴の腕を掴む臼井の手を捻り上げて突き飛ばすと、情けない声を上げながら走り去って行った。
「ありがとうございます」
「いや……。腕、大丈夫か?」
豪炎寺が心配そうに瑞貴に声をかける。幸いそんなに腫れてはいないし軽く回しても痛くもなんともないので瑞貴は「大丈夫です」と言って笑いかける。すると豪炎寺は頬が少し朱に染めて顔を背けた。
「ありがとう!」
まこがお礼を言うと豪炎寺は我に返り、まこに微笑んでそのまま立ち去ろうと踵を返したので、瑞貴も帰ろうとする。が――。
「待ってくれ!」
突然呼び止められたので二人は足を止めて瑞貴だけ振り返る。案の定、円堂がボールを持ってキラキラした目で見ていた。
「お前らのキック、スゲーな! サッカーやってんのか?」
サッカー、という言葉に豪炎寺の足も止まる。瑞貴は豪炎寺のうしろにいたのでその表情を読むことはできなかった。
「ねえ、どこの学校なんだ? よかったら一緒に練習しないか?」
「…………」
豪炎寺はチラッと円堂を見るだけでそのままその場を去った。
円堂が再び呼び止めようとするが彼は足も止めなかった。次に振るのはきっと自分だと悟った瑞貴は円堂が声をかける前に走った。正確には逃げたのだ。
「あっ、おい……」
円堂は二人のうしろ姿にポカンとしていた。
☆☆☆☆☆
「じいちゃん、今日スッゲーシュートを撃つ奴らに会ったんだぜ」
「守ー。ご飯の前に風呂入っといてよ」
円堂は自宅に帰ると部屋にある祖父の写真に向かって河川敷の出来事を話していた。そのせいか、母の円堂温子の声も聞こえていないようだ。
「俺、あんなの初めて見たよ。あんな奴らがうちに来てくれたらな~」
「守ー」
何度も温子が呼びかけているが円堂は熱く語っているので返事をしない。
「なあじいちゃん、俺がまたあいつらに会えるように応援よろしく頼むな」
バンッ!
「いいから! さっさと風呂に入る!!」
とうとう痺れを切らした温子は円堂の部屋に入って思いっきり怒鳴る。声が大きいので円堂は目を回しながら耳を塞いでしまうほどだった。
「か、母ちゃん……。俺、今真剣だったんだけど……」
「そんな真っ黒な格好で、ご飯なんか食べさせらんないよ」
「は~い……」
「まったくもう。誰に似たんだろうね」
渋々と円堂が風呂に向かうと温子は呆れながら言った。
「私の用件が先です。それに謝ってきた彼に足蹴りをするとは何事ですか! ふざけるのも大概にしてください!」
その言葉に円堂は目を見開く。瑞貴の態度が気に入らなかったのか、臼井は安井に言う。
「安井さん、お手本見せてやっちゃどうです?」
「いいねぇ」
安井は臼井の言葉にニヤニヤしながら立ち上がる。
「やってやろうじゃねぇの。ペッ」
「「「!」」」
安井はボールに唾を吐く。その行為に瑞貴も円堂も豪炎寺も目を見開き、眉を寄せた。
「あ~らよ、っと!」
ボールを蹴った衝撃で安井は倒れる。素人でコントロールはなってないが自分たちより年上で男なので威力はある。そのボールはそのまままこに向かっていく。
「危ない!」
瑞貴が叫ぶのと同時に豪炎寺が現れる。豪炎寺は跳び上がってボールを安井の顔面に蹴り返して、まこの前に着地する。しかし次にそのボールは瑞貴に向かってきた。
「よけて!」
「なっ!」
「――ふっ!」
秋の声や、豪炎寺がしまった、というような顔をしているが、瑞貴はそのままボールを「安井さん!」と叫んでいる臼井の顔面に向かって蹴り返した。
円堂は二人のシュートを見て唖然としていた。豪炎寺も瑞貴のシュートは驚いている。臼井はダメージによろけながらも、瑞貴と豪炎寺を見て叫ぶ。
「て、てめぇら!」
「彼に謝らなかった罰と、女の子にボールをぶつけようとした罰です」
「こ、この女ぁ!」
平然と言う瑞貴の言葉に臼井は肩を震わせながら威勢よく睨みつけて瑞貴の腕をつかむ。瑞貴は振り払おうとすると突然その手の上に別の手が重なる。
「その手を離せ」
「ヒッ……! 覚えていろよー!」
しかし臼井より何倍にも殺気を含んだ視線を出す豪炎寺は、瑞貴の腕を掴む臼井の手を捻り上げて突き飛ばすと、情けない声を上げながら走り去って行った。
「ありがとうございます」
「いや……。腕、大丈夫か?」
豪炎寺が心配そうに瑞貴に声をかける。幸いそんなに腫れてはいないし軽く回しても痛くもなんともないので瑞貴は「大丈夫です」と言って笑いかける。すると豪炎寺は頬が少し朱に染めて顔を背けた。
「ありがとう!」
まこがお礼を言うと豪炎寺は我に返り、まこに微笑んでそのまま立ち去ろうと踵を返したので、瑞貴も帰ろうとする。が――。
「待ってくれ!」
突然呼び止められたので二人は足を止めて瑞貴だけ振り返る。案の定、円堂がボールを持ってキラキラした目で見ていた。
「お前らのキック、スゲーな! サッカーやってんのか?」
サッカー、という言葉に豪炎寺の足も止まる。瑞貴は豪炎寺のうしろにいたのでその表情を読むことはできなかった。
「ねえ、どこの学校なんだ? よかったら一緒に練習しないか?」
「…………」
豪炎寺はチラッと円堂を見るだけでそのままその場を去った。
円堂が再び呼び止めようとするが彼は足も止めなかった。次に振るのはきっと自分だと悟った瑞貴は円堂が声をかける前に走った。正確には逃げたのだ。
「あっ、おい……」
円堂は二人のうしろ姿にポカンとしていた。
☆☆☆☆☆
「じいちゃん、今日スッゲーシュートを撃つ奴らに会ったんだぜ」
「守ー。ご飯の前に風呂入っといてよ」
円堂は自宅に帰ると部屋にある祖父の写真に向かって河川敷の出来事を話していた。そのせいか、母の円堂温子の声も聞こえていないようだ。
「俺、あんなの初めて見たよ。あんな奴らがうちに来てくれたらな~」
「守ー」
何度も温子が呼びかけているが円堂は熱く語っているので返事をしない。
「なあじいちゃん、俺がまたあいつらに会えるように応援よろしく頼むな」
バンッ!
「いいから! さっさと風呂に入る!!」
とうとう痺れを切らした温子は円堂の部屋に入って思いっきり怒鳴る。声が大きいので円堂は目を回しながら耳を塞いでしまうほどだった。
「か、母ちゃん……。俺、今真剣だったんだけど……」
「そんな真っ黒な格好で、ご飯なんか食べさせらんないよ」
「は~い……」
「まったくもう。誰に似たんだろうね」
渋々と円堂が風呂に向かうと温子は呆れながら言った。