ムゲン・ザ・ハンドを超えろ!
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次の日。朝からイナズマジャパンはグラウンドに集まっていた。
「今日から、対アルゼンチン戦の練習を始める」
「「「「「はい!!」」」」」
パス回しやドリブルやシュートやボールの奪い合い……アルゼンチン戦に向けて練習に意気込んでいく。
休憩に入ってマネージャーたちからドリンクをタオルを受け取ると、鬼道有人と佐久間次郎は今後のことについて話し合う。
「鉄壁の守りをどう崩すか、課題は山積みだな」
「ああ」
「――おい」
二人のそばに珍しく不動が現れる。
「練習が終わったら、ちょっと付き合え」
「なんだいきなり」
「お前には関係ねぇよ」
「なんだと!?」
「元帝国キャプテンのお前に用があるんだ」
「何……?」
不動が誘ったのは鬼道だが、佐久間は警戒していた。
――夕方になり、時間を確認したシンがホイッスルを鳴らして秋が掛け声を上げる。
「今日の練習はここまででーす!」
「「ハァ~……」」
「バテたっス~……」
「ハードだったでヤンスね~……」
同時に壁山と栗松は座り込み、他のみんなも流れる汗を拭う。
「お疲れ様、勇気」
「立向居、明日もがんばろうぜ」
「はい……」
瑞貴と円堂が声をかけると立向居は微笑むが、すぐに浮かない顔をして宿舎へ向かうみんなと別方向へ歩いていく。それに気づいたのは――春奈だった。
「あれ?」
「行くよ、音無さん」
「あっ、はい!」
秋に言われるも春奈は気になって立向居のあとを追って行った。
しばらくして宿舎では、風呂上がりの瑞貴が玄関を通りがかると――。
バンッ!!
「瑞貴先輩!」
「は、春奈ちゃん!?」
荒々しく扉を開いた春奈に瑞貴はビクッと肩を跳ねるが、春奈はお構いなく瑞貴に詰め寄る。
「木暮くんはどこにいますか!?」
「ゆ、夕弥? 確か塀吾郎の部屋で鉄平と三人でお菓子を食べるって……」
「ありがとうございます!」
あんなに鬼気迫る春奈を初めて見た瑞貴は呆然としていると、そのあとで今度は木暮の首根っこをつかんだ春奈が出てきた。
「うわー! 離せー! 瑞貴姉、助けてー!」
「助けなくていいですから瑞貴先輩!」
「ハイ……」
引き摺られていく木暮を哀れに思うより、今の春奈の迫力に圧された瑞貴は何もできず宿舎を出て行く二人を見送る他なかった。