ムゲン・ザ・ハンドを超えろ!
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次の日。朝食が終了して瑞貴は円堂と風丸一郎太と基山ヒロトと合流し、さっそく目的地のアイス屋に向かった。
「俺はダブルにしようかな。ヒロトは?」
「俺もダブルで」
「私はせっかくだからトリプル!」
「俺はスペシャルで!」
ダブルやトリプルはまだいいだろう。だけど円堂は五段もあるスペシャルを迷いもなく選んだ。
「円堂くん、本当に大丈夫?」
「やめておいたほうがいいんじゃないか?」
「なんか落としそうで怖いんだけど」
「いや、俺は食べる!」
「かしこまりました~」
ヒロトも風丸も瑞貴も止めるが円堂は頑なに拒否する。店員は了承し、見事なバランスでアイスを積み上げたのだった。
「守、絶対にこぼさないでね」
「だーいじょうぶだって! いっただきまー……――うわあ!」
早速食べようとする円堂だが、歩きながら食べようとしていたためバランスが崩れてアイスが落ちてしまった。残ったのはたった一つだけ。
「「「…………」」」
「お、俺のアイスが……」
言わんこっちゃない、瑞貴と風丸とヒロトは残ったアイスを見て涙目になる円堂にそう思った。
――夜になって宿舎に戻ると、みんな今日の出来事を話し合ったり買ったお菓子を食べたりして過ごしている。
「はい、雷電。竜吾。あと氷袋も持ってきたよ」
「「サ、サンキュー……」」
土方雷電と染岡竜吾に水と氷袋を渡す瑞貴。この二人は我慢比べの如く浜辺に寝転がっていたらしい。おかげで体中が所々赤い。
「お前、これってやっぱり……」
「夕香にお土産だ」
「ハハッ……」
大きな海亀のぬいぐるみを持っていた豪炎寺に円堂が尋ね、予想通りの答えに風丸は苦笑する。
「結局それにしたのね」
「はい」
秋も冬花もショッピングで買った服を取り出して眺めていた。
ガチャ。
すると玄関の扉が開いて、ユニフォーム姿で泥だらけの立向居が帰って来た。
「勇気?」
「ん?」
瑞貴が気づくと円堂も振り向き、二階へ上がる立向居を追いかけて階段を上がる。
「立向居、練習してたのか? 着替えたら来いよ、みんな集まってるしさ!」
「はい……。でも、ちょっと疲れちゃって……。今日は休みます……すみません……」
円堂の誘いに弱々しく笑って断る立向居。円堂を追った瑞貴も階段から立向居の様子が見えていた。
(勇気も、ついに壁に当たったか……)
誰もが通る道だ。今はそっとしておこうと瑞貴は再び一階へ降りた。