驚愕! これが世界レベルだ!!
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二人が出迎えてくれたのはまだいい。だけど瑞貴はそのうしろにある色とりどりの華やかな大量のドレスに口の端を引きつらせた。
「さっ、瑞貴ちゃんのドレスを決めなきゃね!」
「なんで私の!? 秋ちゃんたちのは?」
「だって瑞貴ちゃん、途中で『私はパンツスーツでいいや!』とか言って逃げそうなんだもん。だから最初に用意しなきゃね!」
「ウッ!」
秋の言葉は当たっている。逃げ場はないと判断した瑞貴は大人しくドレスを選ぶことにした。
「こんな大人っぽいドレスはどうでしょうか? 気品だけじゃなくセクシーですよ!」
「そんな背中がパックリ開いたドレスは嫌!」
「じゃあ、レースがふんだんに使われた可愛いドレスはどう?」
「フリフリは勘弁してください!」
「このピンクのドレスとかがいいんじゃない? 秋葉名戸ドレスとデザインが似てるよ」
「あれ黒歴史だから!」
春奈や冬花や秋がオススメのドレスを出すが、瑞貴の好みに合ってないし着たらプライドが傷つきそうなので丁重にお断りした。
すると一つのドレスと髪飾りが瑞貴の目にふと入る。
「これ……」
瑞貴が手に取ったのは、青と水色をベースにしたドレスと、薄い水色で真珠のような蝶の髪飾りだ。シンプルで大人でも子供でもないような感じが中学生の自分にはピッタリだと思った。
「これにするよ」
「わぁ! いいんじゃない? せっかくなんだから髪も下ろそうよ」
「メイクと他のアクセサリーはこれがいいですね!」
「瑞貴ちゃん、動かないでね」
先に準備するのは瑞貴が逃げないためだろう。これにも逆らえるわけがなく、瑞貴は渋々頷いた。
「「「キレ~イ!」」」
完成した瑞貴の姿にマネージャーたちは目を輝かせた。ドレスを身にまとってストレートに伸ばされた髪には蝶の髪飾りがさらに魅力を高めている。さらにメイクを施されてサッカーしている姿からは想像つかない。
逆に瑞貴は秋葉名戸以来のドレスに少し戸惑っていた。
「へ、変じゃない?」
「全然!」
「瑞貴先輩、ステキです!」
「瑞貴ちゃん。とても似合ってるよ」
褒められては悪い気はせず、瑞貴は少し照れて頬を赤らめる。……その姿を春奈がバッチリ写真に収めたのは言うまでもない。
秋たちが着替え終わるまでに瑞貴は部屋から出ると、ちょうど通りがかった久遠とシンに出会った。二人も瑞貴に気づいて顔を向ける。
「おや、見違えたね」
「似合わないならそう言って」
「そんなことないって、綺麗だよ。ねっ、久遠さん」
「…………」
シンが話を振っても久遠は何も言わず歩を進める。瑞貴も久遠からの言葉は特に期待していなかったが――。
「よく似合っている」
「!」
擦れ違いざまに小さな声で久遠はそう言うと、シンも「楽しんで来てね」と瑞貴に言って久遠を追いかけ、二人は去って行った。
(ま、まさか久遠監督からあんな言葉が出るなんて……!)
普段無表情で寡黙な久遠が自分のドレス姿を褒めてくれると思わなかった。ヒールで身長差が少し縮んだので、間違いなく瑞貴の耳に届いている。
元々久遠は顔立ちが整って渋い大人な雰囲気を持っているので、年上に弱い瑞貴は顔が赤くなった。
「お待たせー。……あら? 瑞貴ちゃん、顔が赤いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫!」
準備が整った秋が部屋から出て瑞貴の異変に首を傾げると、即座に瑞貴は慌てて首を振りながら否定した。
そして春奈と冬花も用意が終わったので、集合場所となる一階の玄関へと向かう。
「壁山くん! 力を抜いちゃダメじゃないですか!」
「す、すみませんっス……」
「フンフフ~ン。決まってる決まってる!」
「まるで七五三だな。あとは千歳飴があれば完璧だな。ダハハッ!」
目金や壁山塀吾郎や木暮夕弥や土方雷電の声が聞こえる。どうやら男子たちも集まっているようだ。
「みんな、用意はできた?」
秋の声で全員が階段を降りる女子たちに注目し、ドレス姿に見惚れている。壁山も力が抜けて取れたボタンが目金の額にぶつかった。
「うわ~。可愛いです!」
「き、綺麗でヤンス~!」
「ちょっと、そんなにジロジロ見ないでくださいよ」
立向居や栗松鉄平から贈られる褒め言葉に、春奈も照れくさそうに頬を赤らめるが……。
「へぇ、思ったより似合ってんじゃねぇか」
「あっ」
「「「「えっ? 思ったより?」」」」
綱海の言葉を基山ヒロトが止めようとしたが時すでに遅し。一斉に女子たちの冷たい視線が送られたので慌てて訂正する。
「あっ、ワリィワリィ。ついつい思ったこと言っちまってよ」
「フォローになってないぞ……」
「…………」
鬼道が呟いたツッコミ通り意味がない。自覚した綱海はさらに顔を青ざめたのだった。
「あれ? 円堂くんは?」
「そういえば、いないね」
秋の問いにヒロトが風丸と顔を見合わせて確認する。その原因がわかった瑞貴は溜息を吐く。
「遅くならないようにって言ったのに……」
「瑞貴ちゃん、円堂くんの居場所知ってるの?」
「最後に会ったのはグラウンドだけど、まだいるんじゃないかな?」
「どうするんですか? もう出発しないと間に合いませんよ」
秋と春奈が顔を見合わせて不安そうにしている。円堂を呼び戻すことができてもタキシードに着替えるまで待ってる時間はない。
「秋ちゃん、ごめんだけど守を迎えに行ってくれる? みんなは先にイギリスエリアに行こう。私も副キャプテンとして二人が遅れることを伝えておくから」
「うん。わかった」
「気をつけてね」
瑞貴を始めた選手と春奈と冬花はキャラバンへ向かい、秋は円堂を呼ぶためにグラウンドへ行った。
「さっ、瑞貴ちゃんのドレスを決めなきゃね!」
「なんで私の!? 秋ちゃんたちのは?」
「だって瑞貴ちゃん、途中で『私はパンツスーツでいいや!』とか言って逃げそうなんだもん。だから最初に用意しなきゃね!」
「ウッ!」
秋の言葉は当たっている。逃げ場はないと判断した瑞貴は大人しくドレスを選ぶことにした。
「こんな大人っぽいドレスはどうでしょうか? 気品だけじゃなくセクシーですよ!」
「そんな背中がパックリ開いたドレスは嫌!」
「じゃあ、レースがふんだんに使われた可愛いドレスはどう?」
「フリフリは勘弁してください!」
「このピンクのドレスとかがいいんじゃない? 秋葉名戸ドレスとデザインが似てるよ」
「あれ黒歴史だから!」
春奈や冬花や秋がオススメのドレスを出すが、瑞貴の好みに合ってないし着たらプライドが傷つきそうなので丁重にお断りした。
すると一つのドレスと髪飾りが瑞貴の目にふと入る。
「これ……」
瑞貴が手に取ったのは、青と水色をベースにしたドレスと、薄い水色で真珠のような蝶の髪飾りだ。シンプルで大人でも子供でもないような感じが中学生の自分にはピッタリだと思った。
「これにするよ」
「わぁ! いいんじゃない? せっかくなんだから髪も下ろそうよ」
「メイクと他のアクセサリーはこれがいいですね!」
「瑞貴ちゃん、動かないでね」
先に準備するのは瑞貴が逃げないためだろう。これにも逆らえるわけがなく、瑞貴は渋々頷いた。
「「「キレ~イ!」」」
完成した瑞貴の姿にマネージャーたちは目を輝かせた。ドレスを身にまとってストレートに伸ばされた髪には蝶の髪飾りがさらに魅力を高めている。さらにメイクを施されてサッカーしている姿からは想像つかない。
逆に瑞貴は秋葉名戸以来のドレスに少し戸惑っていた。
「へ、変じゃない?」
「全然!」
「瑞貴先輩、ステキです!」
「瑞貴ちゃん。とても似合ってるよ」
褒められては悪い気はせず、瑞貴は少し照れて頬を赤らめる。……その姿を春奈がバッチリ写真に収めたのは言うまでもない。
秋たちが着替え終わるまでに瑞貴は部屋から出ると、ちょうど通りがかった久遠とシンに出会った。二人も瑞貴に気づいて顔を向ける。
「おや、見違えたね」
「似合わないならそう言って」
「そんなことないって、綺麗だよ。ねっ、久遠さん」
「…………」
シンが話を振っても久遠は何も言わず歩を進める。瑞貴も久遠からの言葉は特に期待していなかったが――。
「よく似合っている」
「!」
擦れ違いざまに小さな声で久遠はそう言うと、シンも「楽しんで来てね」と瑞貴に言って久遠を追いかけ、二人は去って行った。
(ま、まさか久遠監督からあんな言葉が出るなんて……!)
普段無表情で寡黙な久遠が自分のドレス姿を褒めてくれると思わなかった。ヒールで身長差が少し縮んだので、間違いなく瑞貴の耳に届いている。
元々久遠は顔立ちが整って渋い大人な雰囲気を持っているので、年上に弱い瑞貴は顔が赤くなった。
「お待たせー。……あら? 瑞貴ちゃん、顔が赤いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫!」
準備が整った秋が部屋から出て瑞貴の異変に首を傾げると、即座に瑞貴は慌てて首を振りながら否定した。
そして春奈と冬花も用意が終わったので、集合場所となる一階の玄関へと向かう。
「壁山くん! 力を抜いちゃダメじゃないですか!」
「す、すみませんっス……」
「フンフフ~ン。決まってる決まってる!」
「まるで七五三だな。あとは千歳飴があれば完璧だな。ダハハッ!」
目金や壁山塀吾郎や木暮夕弥や土方雷電の声が聞こえる。どうやら男子たちも集まっているようだ。
「みんな、用意はできた?」
秋の声で全員が階段を降りる女子たちに注目し、ドレス姿に見惚れている。壁山も力が抜けて取れたボタンが目金の額にぶつかった。
「うわ~。可愛いです!」
「き、綺麗でヤンス~!」
「ちょっと、そんなにジロジロ見ないでくださいよ」
立向居や栗松鉄平から贈られる褒め言葉に、春奈も照れくさそうに頬を赤らめるが……。
「へぇ、思ったより似合ってんじゃねぇか」
「あっ」
「「「「えっ? 思ったより?」」」」
綱海の言葉を基山ヒロトが止めようとしたが時すでに遅し。一斉に女子たちの冷たい視線が送られたので慌てて訂正する。
「あっ、ワリィワリィ。ついつい思ったこと言っちまってよ」
「フォローになってないぞ……」
「…………」
鬼道が呟いたツッコミ通り意味がない。自覚した綱海はさらに顔を青ざめたのだった。
「あれ? 円堂くんは?」
「そういえば、いないね」
秋の問いにヒロトが風丸と顔を見合わせて確認する。その原因がわかった瑞貴は溜息を吐く。
「遅くならないようにって言ったのに……」
「瑞貴ちゃん、円堂くんの居場所知ってるの?」
「最後に会ったのはグラウンドだけど、まだいるんじゃないかな?」
「どうするんですか? もう出発しないと間に合いませんよ」
秋と春奈が顔を見合わせて不安そうにしている。円堂を呼び戻すことができてもタキシードに着替えるまで待ってる時間はない。
「秋ちゃん、ごめんだけど守を迎えに行ってくれる? みんなは先にイギリスエリアに行こう。私も副キャプテンとして二人が遅れることを伝えておくから」
「うん。わかった」
「気をつけてね」
瑞貴を始めた選手と春奈と冬花はキャラバンへ向かい、秋は円堂を呼ぶためにグラウンドへ行った。