来たぜ! 世界大会!!
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翌日の夜、フットボールフロンティアインターナショナル本戦の開会式が始まった。
会場となるタイタニックスタジアムの観客席は超満員で、開会の合図をするホログラムや花火が上がると同時に歓声が沸き起こる。
《さあ! 全世界が注目するサッカーの祭典・フットボールフロンティアインターナショナル世界大会!! 予選を勝ち抜いた強豪十チームが、サッカーのために作られたこの聖地・ライオコット島で激突します!!》
実況を務めるのはマクスター=ランド、解説は元ヨーロッパMVP選手のレビン=マードックで送られることになった。
上空にエンブレムのホログラムが映し出されると選手が入場する合図だ。最初はブラジル代表チーム、ザ・キングダム。
《先頭に立つのはマック=ロニージョです!!》
《またの名を、キング・オブ・ファンタジスタ。フィジカル…テクニック…さらに冷静な判断力など今大会最も完成されているプレーヤーと言っていいでしょう》
次の入場はイタリア代表チーム、オルフェウスだ。
《先頭はあの、イタリアの白い流星・フィディオ=アルデナです!!》
《ヨーロッパ屈指のストライカーで、華麗なテクニックとそのスピードは、まさに流星と呼ぶにふさわしい者です》
オルフェウスの入場を見守る観客の中には、アジア予選で何度かイナズマジャパンの試合を見に来ていたヒデとルカがいた。
「それじゃあ行ってくる」
「いいのか? 最後まで見て行かなくて」
「ああ」
続いてはアルゼンチン代表チーム、ジ・エンパイアだ。
《率いるのは、キャプテン・テレス=トルーエ!!》
《予選大会を無失点で勝ち上がってきましたが、全てテレスを中心とした鉄壁の守りがあったからです》
さらにイギリス代表チーム、ナイツオブクイーン。
《先頭はキャプテンのエドガー=バルチナス!!》
イギリス代表の紹介をしている間、次の入場チームとしてイナズマジャパンは整列していた。
「全員そろっているな」
「「「「「はい!!」」」」」
久遠の問いに円堂と瑞貴が元気よく答えると静かに頷いた。そして円堂はイナズマジャパンの旗を持つ。
「よーし! 行こうぜ!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
ついにイナズマジャパンのエンブレムが映し出される。入場の合図だ。
《チームを率いるのはキャプテン・円堂守!! このチームは世界のレベルから見れば、まだ経験も浅く成長途上ですが、粘り強い試合運びで何度も逆転勝利を収め、世界への切符を手にしました!!》
《逆に、成長途上にあるが故、爆発的な進化の可能性を秘めているといいます。今大会のダークホースになるかもしれません》
入場行進する彼らの姿を、日本から家族や仲間たちがテレビを通して見守っていた。
《そしてイナズマジャパンには、チームの副キャプテンでありFFI唯一の女子選手・井上瑞貴がいます!!》
《彼女は予選大会で自ら得点を取ったりチームに貢献したりなど驚くべき活躍をする、自然の(ナチュラル)プレーヤーと呼ばれています。本戦でのプレーも注目する所です》
《なるほど! イナズマジャパンの活躍にも期待が掛かります!!》
(唯一の女子選手…か……)
フットボールフロンティア全国大会のときもそうだったが、『女子』というだけで注目が来る。『唯一の女子選手』という興味と、『女子を出場させるなんて何考えてんだ』という呆れが入り混じる視線に瑞貴は平常心を保つのが精一杯だった。
《続いてコトアール代表、リトルギガント!!》
《アフリカエリアからの代表ですが、データが少なく、その実力は全くの未知数です》
続いてアメリカ代表チーム、ユニコーン。
《機首はキャプテンのマーク=クルーガー!!》
「円堂、瑞貴」
「「ん?」」
突然豪炎寺が二人の肩に手を置いて呼んだので、円堂と瑞貴は顔を向けると……ユニコーンの選手の中に一之瀬と土門がいた。彼らと雷門でチームメイトだった者たちも嬉しそうに見ていると、向こうも気づいたようでこちらに顔を向ける。
「アメリカ代表に選ばれたのか!」
「一哉……飛鳥……。久しぶりに二人の姿が見れた!」
「円堂! 瑞貴!」
一之瀬が笑顔でグッと親指を立てると、瑞貴と円堂も同じように笑顔でグッと親指を立てて返した。
次々他のチームも入場され、ついに予選を勝ち抜いた十チームがそろった。
《さあ、いよいよこの強豪十チームが激突します!! 世界の頂点に輝くのは、どのチームなのか!?》
(始まるんだ……世界との戦いが! 待っててくれよ、じいちゃん!)
(ついに来た……世界と戦って勝つんだ! この場を託してくれたみんなのためにも、自分のためにも!)
((必ず世界のてっぺんまで行くからな/ね!))
《フットボールフロンティアインターナショナル世界大会、ここに開幕致します!!》
ついに本戦始まりの合図が行われた。少年少女たちの……世界中からの希望が集まったこの場で世界一が決まると、たくさんの人々の胸が高鳴っていく。だが……。
「いよいよ始まりますなぁ、ガルシルド様」
「ああ。この開会式は私の計画の始まりの儀式でもあるのだよ、ヘンクタッカーくん。フッフッフッ」
その陰で、黒い陰謀が巻き起こることも知らずに――……。
☆副キャプテン 今日の格言☆
私はイナズマジャパンとして、一人のサッカープレーヤーとして、絶対に世界一になる!
以上!!