来たぜ! 世界大会!!
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だけど少年が蹴ったボールは目的のトラックの荷台に落ち、三人はそれに気づいて再び走り出した。
「すみません! この道って人は少ないですか!?」
「えっ、うん。この時間帯だといないに等しいかな」
「ありがとうございます! こうなったら……守、先に行ってるね!」
「えっ!?」
「ちょ、瑞貴!」
急に瑞貴のスピードがアップした。先ほどのように周囲を確認しながらではなく一心不乱にトラックを追いかけている。他のことについて考えない分、走ることに集中しているおかげだ。
「は、速い……」
「もしかしてあの子……俺も負けてられないな!」
「えっ!? こっちも!?」
少年が円堂を追い抜いた。さらに路地に曲がると梯子や木箱などの障害物を、スピードを落とすことなく華麗にかわしていく。その動きに円堂は驚かされた。
「こんなとこ、なんにもぶつからずに……しかもあのスピードで……!」
そしてトラックが長い坂を上って行くと瑞貴も直前まで追いついたので、お腹の底から出すように大きな声を上げる。
「止まってくださ――いっ!!」
「ん? ねぇ、女の子が追いかけてくるよ」
「何? おわっ!」
キキ――ッ!!
「みぎゃ!」
トラックの助手席にいた褐色肌の少年が瑞貴に気づいて運転手の赤キャップの老人に告げた。同時に路地へ入って行った少年も別の路地からトラックの前に飛び出し、老人は慌ててブレーキをかける。瑞貴も同じように慌てて止まった。
「ボールを返してください!」
「私もお願いがあるんです!」
「ボールにお願いだぁ?」
「瑞貴も、あいつも、追いついたんだ……。スゲー!」
円堂はずっと走ってても追いつけなかったトラックに、見事追いついた二人に感動した。
止まった拍子にバランスを崩した大きいタイヤが荷台から落ちた。同時にボールも飛び出たのでキャッチした瑞貴は少年の元へ駆け寄る。
「ボール、どうぞ」
「あっ、ありがとう……――危ない!」
「えっ!?」
ボールを渡す瑞貴に、少年が礼を言って受け取ると、瑞貴のうしろを見て声を上げた。続いて瑞貴もうしろを見るとタイヤが円堂に向かって転がっていく。しかも坂道だからスピードは増すばかりだ。
「守!」
「ゴッドハンド!」
円堂はゴッドハンドを発動し、少し後退したが見事タイヤを止めることができた。
「止めた!? なんてパワーだ……!」
「…………」
円堂の必殺技と実力に少年は驚いた。老人もしっかりと円堂の必殺技を見たのだった。瑞貴はすぐに円堂の元へ駆け寄る。
「守、大丈夫!? ケガとかしてない!?」
「ああ。このくらい、どうってことないぜ!」
ニカッと笑う円堂を見て、瑞貴もホッとする。
「にしても瑞貴ってば速かったな! あんなに走れるスピードがあったのに、なんでさっきまで使わなかったんだ?」
「今までの通路は人がいたし、さっきみたいに突然誰か出てきてぶつかるわけにもいかなかったから。この道は直進っていうおかげもあるけどね」
まだ瑞貴はライオコット島に来たばかりだからジャパンエリアの道に詳しくない。それがイタリアエリアなら尚更だ。少年なら自分より詳しいと判断したので問いかけて確認し、道も一本道だから真っ直ぐ走ることができた。このスピードをいつでも試合に使えるようにするのが今後の課題となるだろう。
少年も瑞貴と円堂の元にやってきたので、円堂は先ほどのことを謝罪する。
「ボール、悪かったな」
「ああ」
「お前もスッゲー速いんだなぁ! 付いて行けなかったぜ!」
「君のパワーも大したモノだよ!」
円堂は少年のスピードに、少年は円堂のパワーにお互い感心する。
「俺、円堂守! 日本代表のGKなんだ! お前、イタリアの代表だよな? 昼間練習してるとこ見たぜ」
「…………」
少年は笑って目を閉じたので、円堂と瑞貴は不思議そうに思う。
「ん? どうした?」
「いや、日本人には知り合いがいてね。彼のことを思い出した。俺、フィディオ=アルデナだ」
「フィディオかぁ。よろしくな!」
少年――フィディオ=アルデナと円堂は握手を交わす。次いでフィディオは瑞貴に顔を向けたので瑞貴も自己紹介をすることにした。
「私は日本代表の――」
「知ってる。イノウエ=ミズキだよね」
「えっ!?」
「どうして、私の名前を……」
名乗る前に瑞貴の名を当てたので、円堂は驚いて瑞貴も目を見開くと、フィディオは微笑んで言う。
「すみません! この道って人は少ないですか!?」
「えっ、うん。この時間帯だといないに等しいかな」
「ありがとうございます! こうなったら……守、先に行ってるね!」
「えっ!?」
「ちょ、瑞貴!」
急に瑞貴のスピードがアップした。先ほどのように周囲を確認しながらではなく一心不乱にトラックを追いかけている。他のことについて考えない分、走ることに集中しているおかげだ。
「は、速い……」
「もしかしてあの子……俺も負けてられないな!」
「えっ!? こっちも!?」
少年が円堂を追い抜いた。さらに路地に曲がると梯子や木箱などの障害物を、スピードを落とすことなく華麗にかわしていく。その動きに円堂は驚かされた。
「こんなとこ、なんにもぶつからずに……しかもあのスピードで……!」
そしてトラックが長い坂を上って行くと瑞貴も直前まで追いついたので、お腹の底から出すように大きな声を上げる。
「止まってくださ――いっ!!」
「ん? ねぇ、女の子が追いかけてくるよ」
「何? おわっ!」
キキ――ッ!!
「みぎゃ!」
トラックの助手席にいた褐色肌の少年が瑞貴に気づいて運転手の赤キャップの老人に告げた。同時に路地へ入って行った少年も別の路地からトラックの前に飛び出し、老人は慌ててブレーキをかける。瑞貴も同じように慌てて止まった。
「ボールを返してください!」
「私もお願いがあるんです!」
「ボールにお願いだぁ?」
「瑞貴も、あいつも、追いついたんだ……。スゲー!」
円堂はずっと走ってても追いつけなかったトラックに、見事追いついた二人に感動した。
止まった拍子にバランスを崩した大きいタイヤが荷台から落ちた。同時にボールも飛び出たのでキャッチした瑞貴は少年の元へ駆け寄る。
「ボール、どうぞ」
「あっ、ありがとう……――危ない!」
「えっ!?」
ボールを渡す瑞貴に、少年が礼を言って受け取ると、瑞貴のうしろを見て声を上げた。続いて瑞貴もうしろを見るとタイヤが円堂に向かって転がっていく。しかも坂道だからスピードは増すばかりだ。
「守!」
「ゴッドハンド!」
円堂はゴッドハンドを発動し、少し後退したが見事タイヤを止めることができた。
「止めた!? なんてパワーだ……!」
「…………」
円堂の必殺技と実力に少年は驚いた。老人もしっかりと円堂の必殺技を見たのだった。瑞貴はすぐに円堂の元へ駆け寄る。
「守、大丈夫!? ケガとかしてない!?」
「ああ。このくらい、どうってことないぜ!」
ニカッと笑う円堂を見て、瑞貴もホッとする。
「にしても瑞貴ってば速かったな! あんなに走れるスピードがあったのに、なんでさっきまで使わなかったんだ?」
「今までの通路は人がいたし、さっきみたいに突然誰か出てきてぶつかるわけにもいかなかったから。この道は直進っていうおかげもあるけどね」
まだ瑞貴はライオコット島に来たばかりだからジャパンエリアの道に詳しくない。それがイタリアエリアなら尚更だ。少年なら自分より詳しいと判断したので問いかけて確認し、道も一本道だから真っ直ぐ走ることができた。このスピードをいつでも試合に使えるようにするのが今後の課題となるだろう。
少年も瑞貴と円堂の元にやってきたので、円堂は先ほどのことを謝罪する。
「ボール、悪かったな」
「ああ」
「お前もスッゲー速いんだなぁ! 付いて行けなかったぜ!」
「君のパワーも大したモノだよ!」
円堂は少年のスピードに、少年は円堂のパワーにお互い感心する。
「俺、円堂守! 日本代表のGKなんだ! お前、イタリアの代表だよな? 昼間練習してるとこ見たぜ」
「…………」
少年は笑って目を閉じたので、円堂と瑞貴は不思議そうに思う。
「ん? どうした?」
「いや、日本人には知り合いがいてね。彼のことを思い出した。俺、フィディオ=アルデナだ」
「フィディオかぁ。よろしくな!」
少年――フィディオ=アルデナと円堂は握手を交わす。次いでフィディオは瑞貴に顔を向けたので瑞貴も自己紹介をすることにした。
「私は日本代表の――」
「知ってる。イノウエ=ミズキだよね」
「えっ!?」
「どうして、私の名前を……」
名乗る前に瑞貴の名を当てたので、円堂は驚いて瑞貴も目を見開くと、フィディオは微笑んで言う。