来たぜ! 世界大会!!
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――夕飯の準備も終わり、他の選手が集まったが瑞貴は一人足りないことに気づく。
「守がいない?」
「円堂なら荷物を置いてすぐに出て行ったぞ」
「えぇっ!?」
瑞貴の呟きが聞こえた風丸が教えると秋は驚いた。
「全く! 円堂くんったらどこに行ったのかしら!」
「探しに行って擦れ違ったらマズいし、玄関で出迎えたほうがいいね。秋ちゃん、行こう」
「うん。あっ、先に行ってて。私、部屋に取りに行くのがあるから!」
そのまま部屋に向かう秋に瑞貴は首を傾げる。言われた通りに先に玄関へ向かい待ってると、そんなに時間は経たずに秋が来た。手には古いロープがある。
「それって、もしかして……」
「うん。円堂くんが鉄塔広場で特訓用に使っていたタイヤを吊すロープ。こっちでもあの特訓は続けると思って持ってきたの」
「確かに」
秋の言葉に瑞貴は苦笑して頷いた。あの特訓は円堂の原点で様々な必殺技を生み出したキッカケなのだ。アジア予選中でもときどきやっていたので、この島でもやるだろう。
ガチャ。
すると玄関の扉が開いた音が聞こえ、二人が顔を向けると円堂が入って来た。
「遅い!」
「もうすぐ夕飯の時間だよ!」
「あ、ああ……」
秋と瑞貴が怒りながら言うと円堂は後頭部をかきながら申し訳なさそうに言う。
「どこ行ってたの? 心配するでしょ」
「え、えっと……」
「また特訓する所でも探しに行ってたんでしょ?」
「アハハハ……」
(あっ……)
言葉を濁す円堂に瑞貴は原作が脳裏に蘇った。祖父・円堂大介が生きていることを雷門夏未に告げられたのだ。大介のことを知らせるためとはいえ、円堂には会って、自分には会ってくれないことに少し寂しさを覚えた。
それに気づかない秋は苦笑する円堂に肯定と受け取る。
「そんなことだと思った。はい、これ!」
「ん? このロープって……!」
秋が背中に隠していたロープを円堂に手渡す。
「持ってきたの。絶対いると思ったから」
「そっか。ありがとな、秋! よーし! さっそくタイヤ探しに行ってくる!」
「だから夕食だってば!」
「ちょっと二人共!」
扉を開いて意気揚々と出て行く円堂を秋がロープをつかんで引き止め、瑞貴が注意する前に二人は階段から落ちてしまった。
そんなに段差がなかったのが不幸中の幸いかもしれないが、瑞貴は「あちゃー」というように顔の半分に手を当てた。
☆☆☆☆☆
夕食も終わり、瑞貴は部屋に戻ろうとすると円堂に呼び止められた。
「タイヤ探し?」
「ああ! 一緒に来てくれ!」
今の瑞貴が円堂と行動するのはシンのこともあるのであまりよくない心情だった。だけどキラキラと目を輝かせ、幻覚だとわかっているが犬耳を立てて尻尾を振る彼を前に断れというほうがムリだ。
カオス戦前のときみたいに円堂のキラキラした瞳には瑞貴も弱いので頷いた。
ユニフォームに着替えた二人はジャパンエリアを探索する。だけど鉄塔広場のような大きなタイヤが普通にあるわけもなく、すぐに見つからない。
「タイヤ…タイヤ……なかなかいいタイヤなんて落ちてないなぁ」
「どんなタイヤが欲しいの?」
「どんなって……ドーンと重みがあって」
「フムフム」
「ブガーッて太くて」
「フムフム」
「ドバーンってやってもビクともしないタイヤがほしいんだ!」
瑞貴は円堂の説明を聞きながら想像してみたが、飛行機や工事用の車に使うような物だ。普通に街中になくて当然だろう。
「そんなタイヤが都合よくあるわけ――」
ブロロロロ――……。
「「あった――っ!!」」
あるわけない、と言おうとした瑞貴を否定するように、ちょうど横を通りがかったトラックの荷台に円堂の理想通りのタイヤが積んであった。もちろん二人は即座に走って追いかける。
「待ってくれー!」
「止まってくださーい!」
さっきから円堂も瑞貴もトラックのうしろを走っているが、運転手は気づいていないようだ。追いかけているといつの間にかイタリアエリアに入ってしまった。
すると瑞貴は道にある反射鏡に器用にヘディングをしながら歩いている少年の姿が映っているのが見えた。トラックしか目に入っていない円堂に声を上げる。
「守! 前!」
「わっ!」
「っ!」
ぶつかる前に少年はターンで円堂をかわしてボールを蹴った。そして急に止まろうとした反動で倒れそうな円堂を瑞貴と共に支える。
「守!」
「大丈夫?」
「っと、ありがとう! あっ、お前……!」
円堂は瑞貴と共に支えてくれた少年の顔を確認すると見覚えがあった。イタリア代表のオルフェウスのキャプテンで、昼に練習で仲間に指示を与えながらドリブルをしていた。
「守がいない?」
「円堂なら荷物を置いてすぐに出て行ったぞ」
「えぇっ!?」
瑞貴の呟きが聞こえた風丸が教えると秋は驚いた。
「全く! 円堂くんったらどこに行ったのかしら!」
「探しに行って擦れ違ったらマズいし、玄関で出迎えたほうがいいね。秋ちゃん、行こう」
「うん。あっ、先に行ってて。私、部屋に取りに行くのがあるから!」
そのまま部屋に向かう秋に瑞貴は首を傾げる。言われた通りに先に玄関へ向かい待ってると、そんなに時間は経たずに秋が来た。手には古いロープがある。
「それって、もしかして……」
「うん。円堂くんが鉄塔広場で特訓用に使っていたタイヤを吊すロープ。こっちでもあの特訓は続けると思って持ってきたの」
「確かに」
秋の言葉に瑞貴は苦笑して頷いた。あの特訓は円堂の原点で様々な必殺技を生み出したキッカケなのだ。アジア予選中でもときどきやっていたので、この島でもやるだろう。
ガチャ。
すると玄関の扉が開いた音が聞こえ、二人が顔を向けると円堂が入って来た。
「遅い!」
「もうすぐ夕飯の時間だよ!」
「あ、ああ……」
秋と瑞貴が怒りながら言うと円堂は後頭部をかきながら申し訳なさそうに言う。
「どこ行ってたの? 心配するでしょ」
「え、えっと……」
「また特訓する所でも探しに行ってたんでしょ?」
「アハハハ……」
(あっ……)
言葉を濁す円堂に瑞貴は原作が脳裏に蘇った。祖父・円堂大介が生きていることを雷門夏未に告げられたのだ。大介のことを知らせるためとはいえ、円堂には会って、自分には会ってくれないことに少し寂しさを覚えた。
それに気づかない秋は苦笑する円堂に肯定と受け取る。
「そんなことだと思った。はい、これ!」
「ん? このロープって……!」
秋が背中に隠していたロープを円堂に手渡す。
「持ってきたの。絶対いると思ったから」
「そっか。ありがとな、秋! よーし! さっそくタイヤ探しに行ってくる!」
「だから夕食だってば!」
「ちょっと二人共!」
扉を開いて意気揚々と出て行く円堂を秋がロープをつかんで引き止め、瑞貴が注意する前に二人は階段から落ちてしまった。
そんなに段差がなかったのが不幸中の幸いかもしれないが、瑞貴は「あちゃー」というように顔の半分に手を当てた。
☆☆☆☆☆
夕食も終わり、瑞貴は部屋に戻ろうとすると円堂に呼び止められた。
「タイヤ探し?」
「ああ! 一緒に来てくれ!」
今の瑞貴が円堂と行動するのはシンのこともあるのであまりよくない心情だった。だけどキラキラと目を輝かせ、幻覚だとわかっているが犬耳を立てて尻尾を振る彼を前に断れというほうがムリだ。
カオス戦前のときみたいに円堂のキラキラした瞳には瑞貴も弱いので頷いた。
ユニフォームに着替えた二人はジャパンエリアを探索する。だけど鉄塔広場のような大きなタイヤが普通にあるわけもなく、すぐに見つからない。
「タイヤ…タイヤ……なかなかいいタイヤなんて落ちてないなぁ」
「どんなタイヤが欲しいの?」
「どんなって……ドーンと重みがあって」
「フムフム」
「ブガーッて太くて」
「フムフム」
「ドバーンってやってもビクともしないタイヤがほしいんだ!」
瑞貴は円堂の説明を聞きながら想像してみたが、飛行機や工事用の車に使うような物だ。普通に街中になくて当然だろう。
「そんなタイヤが都合よくあるわけ――」
ブロロロロ――……。
「「あった――っ!!」」
あるわけない、と言おうとした瑞貴を否定するように、ちょうど横を通りがかったトラックの荷台に円堂の理想通りのタイヤが積んであった。もちろん二人は即座に走って追いかける。
「待ってくれー!」
「止まってくださーい!」
さっきから円堂も瑞貴もトラックのうしろを走っているが、運転手は気づいていないようだ。追いかけているといつの間にかイタリアエリアに入ってしまった。
すると瑞貴は道にある反射鏡に器用にヘディングをしながら歩いている少年の姿が映っているのが見えた。トラックしか目に入っていない円堂に声を上げる。
「守! 前!」
「わっ!」
「っ!」
ぶつかる前に少年はターンで円堂をかわしてボールを蹴った。そして急に止まろうとした反動で倒れそうな円堂を瑞貴と共に支える。
「守!」
「大丈夫?」
「っと、ありがとう! あっ、お前……!」
円堂は瑞貴と共に支えてくれた少年の顔を確認すると見覚えがあった。イタリア代表のオルフェウスのキャプテンで、昼に練習で仲間に指示を与えながらドリブルをしていた。