来たぜ! 世界大会!!
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イギリスエリアを抜けて、また別のエリアに入る。
「ここはイタリアエリア。地中海の街並みが忠実に再現されています!」
「スゴいですね、この島!」
「ここにいるだけで世界旅行ができるじゃねぇか!」
次々と景色が変わるライオコット島に、虎丸も染岡も面白そうに笑っている。
「古株さん! 止めてください!」
イタリア代表の宿舎の前を通りがかると中のグラウンドが見えたので、円堂が古株に制止を求める。そして円堂は窓から顔を出したので瑞貴も風丸も続いて見る。
「見ろよ!」
「あの人たちって、もしかして!」
「恐らく、イタリア代表のチームだな」
イタリア代表のオルフェウス。優勝候補の一つとも言われるチームだ。
その中でキャプテンマークを付けた選手が、二人のディフェンスを抜けてドリブルしていく。
「FW! 常にパスラインを意識して攻め上がる!」
「オウッ!」
「中盤! 常にボールと敵の位置を把握! ボールを奪われる状況をいつも想定しておくこと!」
「「「「「はい!」」」」」
「ディフェンス! チャンスがあれば攻め上がる! 守る意識だけでは勝てない!」
「「「「「わかりました!」」」」」
的確な指示を出しながら攻め上がる選手に注目していると、円堂と瑞貴と風丸以外のメンバーも窓や扉から顔を出して様子を見ていた。
「あいつ、フィールドの真ん中にいるのに、うしろのディフェンス陣の動きまで見えてるのか!?」
「まるで、うしろにも目があるみたいだ」
ヒロトも感心していると、佐久間が思い出したように呟く。
「世界のトップレベルの中にはいるそうだ。空から見ているかのように、フィールドの全てを見ることができるプレーヤーが……」
「フィールドの全て……」
「これが世界か……!」
「スゴい……! こんなスゴい選手たちと戦えるんだ!」
鬼道も感心するように呟くと、円堂と瑞貴は世界レベルのプレーに感激するのだった。
☆☆☆☆☆
夕方。ついにジャパンエリアにやってきた瑞貴たちは、『宿福』という名の宿舎に到着すると、今までの疲れを取るためにも今日は安むことになった。
瑞貴も荷物を置くため与えられた部屋に入る。本当に宿舎まで日本を再現してくれたのでリラックスできそうだ。
「さてと夕食の手伝いの前に……」
カバンからある物を取り出す。それは元の世界の家族、親友の加藤綾香、日本にいる仲間たち、それぞれ自分と共に撮った写真だ。それらを写真立てに入れてテレビの前に立てて笑顔で告げる。
「みんなと共に勝ち抜いてこの場に来れたよ。私はイナズマジャパンとして、一人のサッカープレーヤーとして、絶対に世界一になる!」
コンコン。
「瑞貴、僕だけどいいかな?」
「シン? ちょっと待って」
ノックのあとに聞こえた声で主がわかった瑞貴はすぐに扉を開けた。
「本戦の前に、君に伝えておくことがあるんだ。コーチとしてじゃなく――神として」
「っ、入って」
シンの言葉の意味がわかった瑞貴は部屋に招き入れる。扉を閉めるとシンは木暮のとき同様に人払いの魔法をかけた。
それに気づかず瑞貴は椅子に座るよう促したが、すぐ終わるからとシンは遠慮した。
「君は覚えているかな? トリップすることで願いが一つだけ叶えられることを」
「うん。覚えている。だけど、まだ決まらなくて……」
「そうだろうね。君は賢いし努力家だ。『願い』というのは普通の人間でも大半は努力すれば叶えられることだ。君がいくらこの世界の結末をわかっていたとしても、影で努力して実力やいい状況にしようとしたりとがんばってる」
「うん……」
その努力のおかげで完全に最悪な結末はなんとか防げている。
「今更だけど『世界平和』とかはダメだよ。君が願うのは『自分自身』のための願いだ。君の欲じゃなきゃね」
「欲って……例えば『お金持ちになりたい』とか『恐竜時代に行きたい』とか?」
「そうだね。他にも『背が高くなりたい』や『頭がよくなりたい』とかでも大丈夫。代償もないよ。そして……『誰かを手に入れたい』とかね」
「えっ……?」
とんでもない例えが聞こえて瑞貴は目を見開いた。対してシンはいつもの微笑みで扉へ向かい、ドアノブを握った途端に振り返る。
「気長に考えて……と言いたい所だけど、僕もこの世界に長く留まれないんだ。僕は次元と時空の神だからね。だからタイムリミットはライオコット島にいる間。それだけは忘れないで」
シンはそう言って部屋から出て魔法を解いた。残された瑞貴は呆然としている。
「シンへの……『神への願い』、か……。少なくとも『誰かを手に入れたい』なんて願えないよ……」
脳裏に浮かんだ円堂の姿に瑞貴は首を振って打ち消した。もとより奪うつもりないし、秋たちに対して卑怯な手だ。
「夕飯の手伝い、しなきゃね」
気分を変えようと瑞貴は部屋を出てキッチンへと向かった。
「ここはイタリアエリア。地中海の街並みが忠実に再現されています!」
「スゴいですね、この島!」
「ここにいるだけで世界旅行ができるじゃねぇか!」
次々と景色が変わるライオコット島に、虎丸も染岡も面白そうに笑っている。
「古株さん! 止めてください!」
イタリア代表の宿舎の前を通りがかると中のグラウンドが見えたので、円堂が古株に制止を求める。そして円堂は窓から顔を出したので瑞貴も風丸も続いて見る。
「見ろよ!」
「あの人たちって、もしかして!」
「恐らく、イタリア代表のチームだな」
イタリア代表のオルフェウス。優勝候補の一つとも言われるチームだ。
その中でキャプテンマークを付けた選手が、二人のディフェンスを抜けてドリブルしていく。
「FW! 常にパスラインを意識して攻め上がる!」
「オウッ!」
「中盤! 常にボールと敵の位置を把握! ボールを奪われる状況をいつも想定しておくこと!」
「「「「「はい!」」」」」
「ディフェンス! チャンスがあれば攻め上がる! 守る意識だけでは勝てない!」
「「「「「わかりました!」」」」」
的確な指示を出しながら攻め上がる選手に注目していると、円堂と瑞貴と風丸以外のメンバーも窓や扉から顔を出して様子を見ていた。
「あいつ、フィールドの真ん中にいるのに、うしろのディフェンス陣の動きまで見えてるのか!?」
「まるで、うしろにも目があるみたいだ」
ヒロトも感心していると、佐久間が思い出したように呟く。
「世界のトップレベルの中にはいるそうだ。空から見ているかのように、フィールドの全てを見ることができるプレーヤーが……」
「フィールドの全て……」
「これが世界か……!」
「スゴい……! こんなスゴい選手たちと戦えるんだ!」
鬼道も感心するように呟くと、円堂と瑞貴は世界レベルのプレーに感激するのだった。
☆☆☆☆☆
夕方。ついにジャパンエリアにやってきた瑞貴たちは、『宿福』という名の宿舎に到着すると、今までの疲れを取るためにも今日は安むことになった。
瑞貴も荷物を置くため与えられた部屋に入る。本当に宿舎まで日本を再現してくれたのでリラックスできそうだ。
「さてと夕食の手伝いの前に……」
カバンからある物を取り出す。それは元の世界の家族、親友の加藤綾香、日本にいる仲間たち、それぞれ自分と共に撮った写真だ。それらを写真立てに入れてテレビの前に立てて笑顔で告げる。
「みんなと共に勝ち抜いてこの場に来れたよ。私はイナズマジャパンとして、一人のサッカープレーヤーとして、絶対に世界一になる!」
コンコン。
「瑞貴、僕だけどいいかな?」
「シン? ちょっと待って」
ノックのあとに聞こえた声で主がわかった瑞貴はすぐに扉を開けた。
「本戦の前に、君に伝えておくことがあるんだ。コーチとしてじゃなく――神として」
「っ、入って」
シンの言葉の意味がわかった瑞貴は部屋に招き入れる。扉を閉めるとシンは木暮のとき同様に人払いの魔法をかけた。
それに気づかず瑞貴は椅子に座るよう促したが、すぐ終わるからとシンは遠慮した。
「君は覚えているかな? トリップすることで願いが一つだけ叶えられることを」
「うん。覚えている。だけど、まだ決まらなくて……」
「そうだろうね。君は賢いし努力家だ。『願い』というのは普通の人間でも大半は努力すれば叶えられることだ。君がいくらこの世界の結末をわかっていたとしても、影で努力して実力やいい状況にしようとしたりとがんばってる」
「うん……」
その努力のおかげで完全に最悪な結末はなんとか防げている。
「今更だけど『世界平和』とかはダメだよ。君が願うのは『自分自身』のための願いだ。君の欲じゃなきゃね」
「欲って……例えば『お金持ちになりたい』とか『恐竜時代に行きたい』とか?」
「そうだね。他にも『背が高くなりたい』や『頭がよくなりたい』とかでも大丈夫。代償もないよ。そして……『誰かを手に入れたい』とかね」
「えっ……?」
とんでもない例えが聞こえて瑞貴は目を見開いた。対してシンはいつもの微笑みで扉へ向かい、ドアノブを握った途端に振り返る。
「気長に考えて……と言いたい所だけど、僕もこの世界に長く留まれないんだ。僕は次元と時空の神だからね。だからタイムリミットはライオコット島にいる間。それだけは忘れないで」
シンはそう言って部屋から出て魔法を解いた。残された瑞貴は呆然としている。
「シンへの……『神への願い』、か……。少なくとも『誰かを手に入れたい』なんて願えないよ……」
脳裏に浮かんだ円堂の姿に瑞貴は首を振って打ち消した。もとより奪うつもりないし、秋たちに対して卑怯な手だ。
「夕飯の手伝い、しなきゃね」
気分を変えようと瑞貴は部屋を出てキッチンへと向かった。