来たぜ! 世界大会!!
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とうとうイナズマジェットはライオコット島に着陸した。
「「わぁ~!」」
「「「「「おぉ~!」」」」」
空港を出ると円堂と瑞貴を始めイナズマジャパンは感嘆の声を上げる。
サッカーボールのような模様がある地球儀の上にFFIのシンボルが立てられた噴水、周りには本戦出場した十チームのエンブレムの旗がある。他にもチームのユニフォームを着たサポーターや観光客は日本人だけじゃなく外国人も多くいた。
「が、外国っス……」
「どこもかしこもサッカーばっかりでヤンス!」
「スッゲーな!」
壁山と栗松も驚いていると綱海も顔を輝かせている。どうやらグッスリ寝たおかげで原作のような青ざめた表情にならなくてすんだようだ。
「可愛い~」
「あっ、イナズマジャパンの旗!」
「ホントだ!」
観光客が連れている二匹の犬もジ・エンパイアとザ・キングダムのユニフォームを着て、頭にはミニサッカーボールの髪飾りがある。それに木野秋が和んでいると久遠冬花がイナズマジャパンのエンブレムがある旗に気づいた。
鬼道と風丸はまさにFFIのために作られた会場だと、空港を出ただけでも漂う雰囲気で感じ取った。
「サッカーアイランドか……その名にふさわしい島だ」
「ここに集まって来るんだな。世界の国から選ばれた最高のプレーヤーたちが」
「ついに来たんだな、世界に」
「「ああ/うん!」」
豪炎寺の言葉に瑞貴と円堂は嬉しそうに頷いた。アジア予選を勝ち抜いたときもそうだったが、ライオコット島に着いてからは本当に世界まで来たと実感する。
宿泊施設まではキャラバンで移動することになった。瑞貴は綱海に問いかける。
「キャラバンは大丈夫だよね?」
「ああ。飛行機では世話になったな。そうだ! キャラバンでも一緒に座らねぇか?」
「えっ?」
「なんか瑞貴っていい匂いがすんだよな~。さすがにまた寄りかかると肩を痛めちまうだろうし、俺の膝に乗って抱きしめさせて――」
「「「「「それはアウトだ/です! 綱海/くん/さん!!」」」」」
綱海の大胆発言に鬼道と豪炎寺と佐久間とヒロトと虎丸がそれぞれ綱海をつかんでキャラバンに連行した。その場に残った瑞貴は思わずポカンとすると、次いで自分の腕を嗅いでみる。
「ジャージは洗濯してるし、お風呂にもちゃんと入ってるんだけど……柔軟剤かシャンプーかボディーソープの香りかな?」
瑞貴は綱海の言葉の真意をわからずにいると、嗅いでいる腕とは反対の手を円堂が取った。
「瑞貴、早く行こうぜ! 風丸も一緒に座ろう!」
「あっ、うん」
「ああ」
円堂はそのまま風丸も呼んで瑞貴を中心に三人で座る。綱海に集中していたせいで、先ほどの五人は「出し抜かれた!」と思った。
キャラバンが移動する中、音無春奈がガイドとしてパンフレットを広げながら解説していく。
「ここが島の中心となる、セントラルストリートです」
「おぉ~。南の島って感じだなぁ。元気出てきたぜ!」
最初は瑞貴と座れない挙げ句、木暮を監視に置かれて落ち込んでいた綱海だったが、ヤシの木やハイビスカスなど南国の植物が並ぶ街並みを見て元気を取り戻した。
だけどキャラバンが次のエリアに入ったときセントラルストリートと雰囲気がガラリと変わった。それに綱海は不思議に思う。
「あれ? 南の島じゃなくなったぜ?」
「よく気がつきましたねぇ。なんとこの島は――」
「出場チームが最大限に力を発揮できるように、そのチームが滞在するエリアには、母国と同じ街並みを再現しているそうですよ!」
「うぅ~……」
「ハハッ」
「見てください! まるで映画のセットみたいです!」
春奈に解説を取られた目金は涙ぐむ。目金の隣に座っていたシンは苦笑しながらよしよしと頭を撫でた。
瑞貴はみんなと同様に景色を見ていると、街中にあるチームのエンブレムを見て微笑んだ。それはアメリカ代表のユニコーンのエンブレムだ。
(一哉……飛鳥……。お互い、ついにここまで来たね……)
一緒に住んで家族のように過ごした一之瀬一哉と、同じく雷門中サッカー部で共にプレーした土門飛鳥の姿が脳裏に浮かんだ。
続いてキャラバンは別のエリアに入る。
「ここはイギリスエリアですね。街並みの再現のために、本国から取り寄せた数百年前のレンガを使っているそうです!」
「「「へぇ~」」」
同じ席に座っている円堂と瑞貴と風丸がそろって感嘆の声を上げた。街中では貴婦人や老紳士が優雅にティータイムを楽しんでいるのが見える。
「落ち着いた雰囲気が、歴史と伝統を感じさせるわね~……」
「紅茶もいいっスけど……」
「なんだか腹減ってきたな~」
「はいっス……」
「ウッ、台無し……」
感動していた秋だが、花より団子派もとい紅茶より団子派の壁山と綱海の言葉により、呆れて感動が吹っ飛んでしまった。