手に入れろ! 世界への切符!!
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そして勝也が体を振り向けて去って行くと、豪炎寺もそれに気づいて再び勝也に顔を向けて感謝の意味を込めて深々と頭を下げる。
顔を上げると清々しい表情で空を見上げた。まるで世界の強豪と戦えるのを――これから来るサッカーの未来を楽しみにしているように。
「世界か……!」
「おめでとうございます……!」
「ありがとう、フクさん」
修也が勝也と和解して大好きなサッカーを続けることができたことに、今まで心配していたフクも安心して涙を拭う。豪炎寺も心配かけた謝罪と支えてくれた感謝をフクに伝えた。
「どうして泣いてるの?」
「いえ。嬉しいときに涙が出ることもあるんですよ」
「そうなの?」
まだ小学生の夕香にはわからないようで不思議そうに言う。だけどすぐ豪炎寺に満面の笑顔を向けた。
「お兄ちゃん! がんばってね!」
「もちろんだ!」
「――修也!」
「――豪炎寺!」
同じように笑顔を夕香に返す豪炎寺に声がかかったので振り向くと瑞貴と円堂に気づく。二人は試合のときみたいに笑顔でウィンクしていた。
「「よかったな/ね!」」
「うん。――いよいよ世界だ!」
「「オウッ!」」
瑞貴と円堂は笑顔で拳を上げてジャンプし、豪炎寺は共に世界へ旅立って戦う仲間の元へ駆け出して行った。
一方、フロンティアスタジアムの外では、今日の試合の興奮を抑えられない少年たちがいた。
「京介、今日の豪炎寺さんの新必殺技、カッコよかったな!」
「うん! みずきねえちゃんもスゴかった!」
「みずきねえちゃんもイナズマジャパンも、とうとうせかいにいったね、たくと!」
「らんまる。せかいたいかいのかいじょうにはいけないけど、テレビでいっしょにおうえんしよう!」
「瑞貴お姉ちゃん、スゴかったなぁ……! さすが僕のお嫁さん!」
剣城優一と剣城京介、神童拓人と霧野蘭丸、南沢篤志――過去に瑞貴と関わったが、将来はさらに深く関わっていく次世代のサッカー少年たち。……その中で一人何か言っていたのは気にしないでおこう。
☆☆☆☆☆
「「「「「カンパ――イッ!!」」」」」」
その夜――アジア予選を勝ち抜いたイナズマジャパンは、雷門中の体育館で祝勝会を開いていた。マネージャーたちも功労者なので、費用や準備は全て久遠とシンと響木が用意した。
料理や飲み物が一通りそろっているので、みんな思い思い過ごしていく。瑞貴もマネージャーたちと女の子同士で語り合いをしていた。
「おい、バカ女。ちょっと来い」
「ふ、不動くん!? えっ、ちょ、あの!」
「「「?」」」
突然声をかけたと思ったら不動は瑞貴の腕をつかんで引っ張って行く。残った秋と春奈と冬花は不思議そうに顔を見合わせた。
そとに出て体育館裏でやっと不動が止まって腕を離すと瑞貴も止まった。不動は瑞貴に体を向ける。
「……悪かった」
「えっ?」
「だから! 試合のときキツい言い方して悪かった!」
「えぇっ!?」
不動の口から出た謝罪に瑞貴は驚いた。その反応にさすがの不動もカチンときた。
「失礼な奴だな、お前」
「あっ、すみません……。だって不動くんが私に謝ってくると思わなくて……」
「……風丸クンたちが謝れってうるさいんだよ」
試合後に瑞貴がアフロディと話している間、風丸と鬼道は不動に言った。
『不動。お前のことは少しわかったが、瑞貴にはちゃんと謝るんだぞ』
『ハァ? あのバカ女にどう言おうが俺の勝手だろ』
『瑞貴は最初からお前を全面的に信頼して協力していた。それに対してお前の言動はヒドいと俺も思う』
『おいおい、鬼道クンまでもかよ』
『『とにかく、瑞貴に謝ってこい! そしていい加減にバカ女と呼ぶのはやめろ!』』
風丸と鬼道の態度は惚れた弱みもあるだろうが、確かに不動も少し反省する部分があった。
父親が会社をクビになって借金取りに追われ、母親から『偉くなって人を見返しなさい』と言われてから不動は誰も信じず力を求めていた。
だからチームメイトに疎遠されてもなんとも思わなかったが、見返りを求めず何度撥(ハ)ね除けても近づく瑞貴にどう接すればいいのかわからなかった。
『人のことを理解したように気安く言ってんじゃねぇよ。俺はお前にこれっぽっちも理解してもらおうと思ってねぇんだからな』
『っ、ごめんなさい……』
あのとき不動も瑞貴が顔をうつむけていても悲しい表情をしていたのが確かに見えた。同時に今までなかった罪悪感も感じていた。
顔を上げると清々しい表情で空を見上げた。まるで世界の強豪と戦えるのを――これから来るサッカーの未来を楽しみにしているように。
「世界か……!」
「おめでとうございます……!」
「ありがとう、フクさん」
修也が勝也と和解して大好きなサッカーを続けることができたことに、今まで心配していたフクも安心して涙を拭う。豪炎寺も心配かけた謝罪と支えてくれた感謝をフクに伝えた。
「どうして泣いてるの?」
「いえ。嬉しいときに涙が出ることもあるんですよ」
「そうなの?」
まだ小学生の夕香にはわからないようで不思議そうに言う。だけどすぐ豪炎寺に満面の笑顔を向けた。
「お兄ちゃん! がんばってね!」
「もちろんだ!」
「――修也!」
「――豪炎寺!」
同じように笑顔を夕香に返す豪炎寺に声がかかったので振り向くと瑞貴と円堂に気づく。二人は試合のときみたいに笑顔でウィンクしていた。
「「よかったな/ね!」」
「うん。――いよいよ世界だ!」
「「オウッ!」」
瑞貴と円堂は笑顔で拳を上げてジャンプし、豪炎寺は共に世界へ旅立って戦う仲間の元へ駆け出して行った。
一方、フロンティアスタジアムの外では、今日の試合の興奮を抑えられない少年たちがいた。
「京介、今日の豪炎寺さんの新必殺技、カッコよかったな!」
「うん! みずきねえちゃんもスゴかった!」
「みずきねえちゃんもイナズマジャパンも、とうとうせかいにいったね、たくと!」
「らんまる。せかいたいかいのかいじょうにはいけないけど、テレビでいっしょにおうえんしよう!」
「瑞貴お姉ちゃん、スゴかったなぁ……! さすが僕のお嫁さん!」
剣城優一と剣城京介、神童拓人と霧野蘭丸、南沢篤志――過去に瑞貴と関わったが、将来はさらに深く関わっていく次世代のサッカー少年たち。……その中で一人何か言っていたのは気にしないでおこう。
☆☆☆☆☆
「「「「「カンパ――イッ!!」」」」」」
その夜――アジア予選を勝ち抜いたイナズマジャパンは、雷門中の体育館で祝勝会を開いていた。マネージャーたちも功労者なので、費用や準備は全て久遠とシンと響木が用意した。
料理や飲み物が一通りそろっているので、みんな思い思い過ごしていく。瑞貴もマネージャーたちと女の子同士で語り合いをしていた。
「おい、バカ女。ちょっと来い」
「ふ、不動くん!? えっ、ちょ、あの!」
「「「?」」」
突然声をかけたと思ったら不動は瑞貴の腕をつかんで引っ張って行く。残った秋と春奈と冬花は不思議そうに顔を見合わせた。
そとに出て体育館裏でやっと不動が止まって腕を離すと瑞貴も止まった。不動は瑞貴に体を向ける。
「……悪かった」
「えっ?」
「だから! 試合のときキツい言い方して悪かった!」
「えぇっ!?」
不動の口から出た謝罪に瑞貴は驚いた。その反応にさすがの不動もカチンときた。
「失礼な奴だな、お前」
「あっ、すみません……。だって不動くんが私に謝ってくると思わなくて……」
「……風丸クンたちが謝れってうるさいんだよ」
試合後に瑞貴がアフロディと話している間、風丸と鬼道は不動に言った。
『不動。お前のことは少しわかったが、瑞貴にはちゃんと謝るんだぞ』
『ハァ? あのバカ女にどう言おうが俺の勝手だろ』
『瑞貴は最初からお前を全面的に信頼して協力していた。それに対してお前の言動はヒドいと俺も思う』
『おいおい、鬼道クンまでもかよ』
『『とにかく、瑞貴に謝ってこい! そしていい加減にバカ女と呼ぶのはやめろ!』』
風丸と鬼道の態度は惚れた弱みもあるだろうが、確かに不動も少し反省する部分があった。
父親が会社をクビになって借金取りに追われ、母親から『偉くなって人を見返しなさい』と言われてから不動は誰も信じず力を求めていた。
だからチームメイトに疎遠されてもなんとも思わなかったが、見返りを求めず何度撥(ハ)ね除けても近づく瑞貴にどう接すればいいのかわからなかった。
『人のことを理解したように気安く言ってんじゃねぇよ。俺はお前にこれっぽっちも理解してもらおうと思ってねぇんだからな』
『っ、ごめんなさい……』
あのとき不動も瑞貴が顔をうつむけていても悲しい表情をしていたのが確かに見えた。同時に今までなかった罪悪感も感じていた。