豪炎寺の決意
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次の日も夕方まで激しい練習が終わり片付けをすませたが、フィールドでは虎丸と豪炎寺が自主練を続けている。
「タイガードライブ!」
「爆熱ストーム!」
また打ち消されてゴールに入らなかった。だがパワーはだいぶ上がってきたようで、虎丸もそれに気づき豪炎寺に声をかける。
「豪炎寺さん! 今までの中で一番よかったんじゃないですか!?」
「ゴールを決められなければ、意味はない」
「そんなことわかってますよ……」
厳しい言葉を出す豪炎寺に虎丸は眉を下げた。終わる様子がないので円堂と綱海は声をかける。
「おーい! まだ続けんのかー!?」
「ああ。先に戻っててくれ」
「気合いが入ってんのはいいけど気をつけろよ! 特訓でケガしちゃ、元も子もねぇからな!」
「大丈夫ですよー!」
「がんばれよー! 豪炎寺! 虎丸!」
「はい!」
「ああ……」
いつもなら微笑んで頷く豪炎寺だが今回はひと言だけすませた。反応が違うことに円堂も気づく。みんなに続いて宿舎に入ろうとした瑞貴は動かない円堂に声をかける。
「守?」
「なあ瑞貴。最近、豪炎寺の様子がおかしくないか?」
「修也の……?」
「スゴく気合い入ってると思うけど……――あぁっ!」
「ど、どうしたの!?」
突然円堂が声を上げたので、さすがに瑞貴も驚いた。それに気づかず円堂は先日の豪炎寺の会話を思い出す。
『お前は瑞貴のことが好きか?』
『女子として木野たちとは違う特別を感じたり、誰にも渡したくないと思ったり、近くにいると心臓の鼓動が激しくなるとかないか?』
(俺が…瑞貴のことを……好き……)
ドクンドクンと心臓が高鳴って顔が熱くなる中、ジッと見つめて何も言わない円堂に瑞貴は首を傾げる。
「本当にどうしたの守? 練習で疲れた?」
「な、なあ瑞貴。俺たちは相棒だよな?」
「何言ってんの。当たり前じゃん」
今更だと笑う瑞貴の笑顔に円堂も安堵する。
(そうだ。やっぱり瑞貴は俺の相棒だから特別なんだ!)
「――円堂、瑞貴、行くぞー」
「ん? ああ!」
「わかった!」
風丸一郎太に声をかけられて悩んでいたこともスッキリした円堂が歩き出す。考えのまとめ方も同じなのは、やっぱり似た者同士だからこそ相棒になれたのかもしれない。
そのうしろで瑞貴はもう一度豪炎寺を見て眉を下げると宿舎へ向かう。
「らしくねぇ顔だなぁ」
「不動くん……」
そんな瑞貴に声をかけたのは不動明王だ。先に帰ったとばかり思っていたので少し驚いた。