豪炎寺の決意
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グラウンドの端で響木正剛が練習を見ていると、そこに鬼道有人がやってきた。
「響木監督」
「ん?」
「質問があります」
鬼道はそう言うと練習を見ている久遠道也と神崎シンに顔を向ける。
「久遠監督の指導力はよくわかりました。ですが、監督ではなくコーチとして迎えてもよかったはずです。もちろん神崎さんに不満があるわけじゃありません。あの人の指導力も素晴らしい。しかし、響木監督が退いたのには、他に何か訳があるんじゃないですか?」
「いや……彼がふさわしかったからだ。それに俺には他に大事な仕事がある」
「他に?」
「俺の役目は久遠を神崎と共にサポートして、世界大会に出てくるであろう強豪たちのデータを調べることだ。試合はピッチの上だけで行われるモノではない。それはお前も知っているはずだ」
そう言い残して響木は去って行くが、まだ鬼道はどこか納得できていない表情でいた。
――あれから練習が終わっても瑞貴は自主練に励んでいる。
「獅子王雷!」
無人のゴールに突き刺さるシュートの威力は申し分もない。だが、円堂の正義の鉄拳を破るには足りないだろう。今回の練習では全て防がれてしまったのだから。
「悔しいなぁ……」
その場に座り込んだ瑞貴はオレンジ色の空を見上げる。いつも見上げるのは星だから夕焼けは新鮮かもしれない。
「……なんで久遠監督は、私だけが世界レベルなんて言ったんだろう?」
十歳ぐらいになると男子は筋肉が女子より発達しやすく、いくら運動神経が良くて得意分野でも、性別という根本的な理由で差が出てしまう。日本代表選抜まで何度もボールを取られたりかわされたり防がれたこともあった。
オーストラリア戦で自分が実力を押さえ込んでいることに気づき、思いっきりプレーすることに励んだが、ときどきピンとこない。今回だって手加減なしでシュートした。
「連携必殺技って手も……あっ、そういえば今の時期って!」
ふと思いついた『連携必殺技』という言葉に、瑞貴は慌てて原作を思い出したのだった。
「――瑞貴?」
宿舎の廊下を通りがかった円堂は、グラウンドにいる瑞貴を発見した。様子からして自主練だと察すると顔がほころぶ。
「やっぱりあいつ、スゴい奴だよな……」
「円堂」
「ん?」
声をかけられたので振り向くと豪炎寺がいた。彼は一度家に帰ったことを円堂も知っていたので、用事を済ませて戻ってきたのだろう。
「響木監督」
「ん?」
「質問があります」
鬼道はそう言うと練習を見ている久遠道也と神崎シンに顔を向ける。
「久遠監督の指導力はよくわかりました。ですが、監督ではなくコーチとして迎えてもよかったはずです。もちろん神崎さんに不満があるわけじゃありません。あの人の指導力も素晴らしい。しかし、響木監督が退いたのには、他に何か訳があるんじゃないですか?」
「いや……彼がふさわしかったからだ。それに俺には他に大事な仕事がある」
「他に?」
「俺の役目は久遠を神崎と共にサポートして、世界大会に出てくるであろう強豪たちのデータを調べることだ。試合はピッチの上だけで行われるモノではない。それはお前も知っているはずだ」
そう言い残して響木は去って行くが、まだ鬼道はどこか納得できていない表情でいた。
――あれから練習が終わっても瑞貴は自主練に励んでいる。
「獅子王雷!」
無人のゴールに突き刺さるシュートの威力は申し分もない。だが、円堂の正義の鉄拳を破るには足りないだろう。今回の練習では全て防がれてしまったのだから。
「悔しいなぁ……」
その場に座り込んだ瑞貴はオレンジ色の空を見上げる。いつも見上げるのは星だから夕焼けは新鮮かもしれない。
「……なんで久遠監督は、私だけが世界レベルなんて言ったんだろう?」
十歳ぐらいになると男子は筋肉が女子より発達しやすく、いくら運動神経が良くて得意分野でも、性別という根本的な理由で差が出てしまう。日本代表選抜まで何度もボールを取られたりかわされたり防がれたこともあった。
オーストラリア戦で自分が実力を押さえ込んでいることに気づき、思いっきりプレーすることに励んだが、ときどきピンとこない。今回だって手加減なしでシュートした。
「連携必殺技って手も……あっ、そういえば今の時期って!」
ふと思いついた『連携必殺技』という言葉に、瑞貴は慌てて原作を思い出したのだった。
「――瑞貴?」
宿舎の廊下を通りがかった円堂は、グラウンドにいる瑞貴を発見した。様子からして自主練だと察すると顔がほころぶ。
「やっぱりあいつ、スゴい奴だよな……」
「円堂」
「ん?」
声をかけられたので振り向くと豪炎寺がいた。彼は一度家に帰ったことを円堂も知っていたので、用事を済ませて戻ってきたのだろう。