瑞貴のスローイングで試合再開し、緑川にボールを渡そうとするも砂木沼に取られてしまう。


（どうして……何が足りない!?）

「なっ!?」

「風丸！」


だけどここで鬼道が砂木沼から奪い返し、風丸にパスをすると郷院が守りに入ってくる。すると風丸はボールと共に風に乗った。


「風神の舞！」


竜巻の中を縦横無尽に駆け巡る風丸の動きに郷院は追いつけず、風丸は見見事突破した。


「やった！」

（ここで間に合わせてきたか！）


円堂は風丸が新必殺技を完成し守りを突破したことに喜びの声を上げ、鬼道は先日計画したのに早くも完成させたことに嬉しく思う。


《なんとなんと！　風丸がネオジャパンのディフェンスを破りました――っ!!》

「瑞貴！」

「いくよ！　スプリングキャノンＧ２！」

「ドリルスマッシャーＶ２！　――ぐわぁっ！」

「!?」


瑞貴の進化したスプリングキャノンが源田幸次郎のドリルスマッシャーを破ったことに、さすがの瞳子も驚きを隠せなかった。１対１と見事同点になることができた。


「やったぁ！」

「えっ」

「あっ！　ご、ごめんなさい……」

「いえ」


喜びのあまり秋は冬花の両手を取ってしまうが、それが冬花にとって嬉しく思った。そして前半終了のホイッスルが鳴る。


「やったね一郎太！」

「お前、いつの間に！」

「やっぱり風丸はスゴいぜ！」

「風神の舞さえあれば、あいつらのディフェンスは怖くないっス！」

「…………」


瑞貴や綱海条介や円堂や壁山塀吾郎たちは喜びの声を上げるが、その傍らで砂木沼に勝てなかった緑川は落ちこんで顔をうつむける。


「……必殺技が完成したのはいいんですが、自分で名前を付けないでくださいよー！」

「めげないめげない」


こっちもこっちで必殺技に名前を付ける役目を取られた目金欠流が嘆くと、塔子が励ましている。


（風神の舞……思ったより早く動く必要がありそうね）

「我々のディフェンスが破られた……。これがイナズマジャパン――日本代表の実力か。だが負けはしない。日本代表の座は我々が手に入れる！」


瞳子も風丸の風神の舞に警戒を強めると、砂木沼は改めて決意する。