河川敷の決闘!
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「スッゴ!」
翌日、他のメンバーは部室で作戦会議をしたり、グラウンドで練習をしている。瑞貴は昨日、夏未から呼び出しを受けて現在一緒にいる。
連れてこられた場所は四十年前、かつての『イナズマイレブン』が特訓を重ねて強くなった場所――『イナビカリ修練場』だった。
「これがイナビカリ修練場……。設備も全て最新に整っている……」
「今、木野さんにみんなを呼びに行かせたわ。どうかしら?」
「ここなら誰にも見られないし、存分に特訓できるよ!」
「気に入ってもらえたならなによりよ。さっ、みんなの迎えに行きましょう」
「ありがとう夏未ちゃん。最初に教えてくれて」
そう言う瑞貴に夏未は頬を朱に染めて方向転換して階段を上がる。瑞貴は夏未が照れ隠しをしているとわかり、フフッと笑ってあとをついていった。
「あっ」
「あら、落としたわよ」
瑞貴はこれから特訓をするために整え直そうと髪を降ろすと、手を滑らせて髪ゴムが地面に落としてしまった。拾うために体を曲げると髪がサラリと垂れる。夏未も顔を地面に向ける。
ゴゴゴゴゴ――……!!
それと同時に、と入口の扉が重々しく開こうとする。
「「「「「ヒイイィィイイイ!!」」」」」
「「きゃああぁぁあああ!!」」
「「「「「ぎゃああぁぁあああ!!」」」」」
目金は驚いて逃げ、秋と春奈はお互いの手を握り合って涙目になり、壁山など魂が抜けて栗松と少林寺が支える始末だ。
「何、人をオバケみたいな反応してるの」
「みんなそろったわね」
瑞貴は髪を結びながら白けた目でみんなを見つめ、夏未は横に垂れた髪を手で払う。中から出てきたのが二人だとわかると、円堂たちはしばらく呆然としたまま動かなかった。
――なんとか落ち着くと、逃げた目金は放置することになり、全員を中に入れて階段を降りていく。瑞貴は先ほどのことをブチブチと文句を言う。
「まったく。みんなして失礼なんだから」
「お、お前こそあのタイミングで下を向くなよ!」
「理不尽!」
染岡と言い争っている間に地下の入口に辿り着き、扉が開くと同時に中の電気も点く。
「さっ、入って」
「行くよ」
夏未と瑞貴を先頭にして他の者も部屋に入る。
「ここは?」
「伝説の『イナズマイレブンの秘密特訓場』……」
「『イナビカリ修練場』だよ」
円堂が質問すると、夏未と瑞貴から告げられた答えに全員驚きの声を上げた。
「ホントか!? ホントにイナズマイレブンの……!?」
「ええ」
「お前、なんでこんな場所があるって?」
「見つけたの」
夏未は雷門中の理事長である父・雷門総一郎と共に古い校舎の設計図を整理していたとき、地下に妙な空間がある場所を発見した。
雷門中にあるイナズマイレブンのイナビカリ修練場――ここで数々の必殺技が生み出されたと雷門に聞いてこの場所を知り、さすがに四十年前のものだったので、今でも使えるようにリフォームをしたのだ。――必殺技の練習用として。
「えっ! 使っていいのか!?」
「あるものは使わなきゃ損ですからね」
「ホントか! スッゲー! ありがとう!」
円堂が心底嬉しそうにお礼を言うと、夏未は少し戸惑った。
「あっ……私はただ、無様な負け方をして我が校の恥になってほしくないだけよ」
「わかってるって!」
照れ隠しにそう言うと円堂はその言葉の裏を理解し、元気よく返事をした。彼もさすがに夏未の性格を理解したのか、早く練習をしたくてたまらないのか、物凄く興奮している。
「うおー! 燃えてきたぜ!」
「とりあえず落ち着きなよ……」
瑞貴は溜息をつきながら円堂の肩を叩く。
「秋ちゃん、春奈ちゃん。私たちが出るまでドリンクと救急箱を用意してきて」
「わかったわ」
「がんばってください先輩!」
「あっ、薬や包帯はできるだけ多めにね」
「「えっ?」」
瑞貴の言葉に秋と春奈は目をパチクリした。
――マネージャーたちが全員外に出て行ったあと、扉が閉まった。
〈この扉はタイマーロックになっていて、一連の特訓が終わるまで開かないわ。がんばって〉
室内のスピーカーから夏未の声が響くと、全員それぞれの特訓場に足を踏み入れる。瑞貴は半田と栗松と宍戸と一緒にすることにした。
「ん~? なんなんだ、ここは?」
「どうやって必殺技の練習をするでヤンス?」
「真一、鉄平、佐吉~。早く構えないと轢かれるよ」
「「「えっ?」」」