サッカーやろうぜ!
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光が治まったことに気づいて瑞貴は目を開けると、見えた景色は自分の部屋だった。
やはり今までのことは夢ではないかと思って外を見てみると、夕方だったが今まで見てきた景色とは全く違っていた。
「ここは……?」
机に一通の手紙があったので瑞貴はそれを読んでみた。
――まず自分が住み始めるのはお馴染みの稲妻町。明日から瑞貴は雷門中に通う。もちろん二年生として。この世界の経歴は元の世界と同様、両親は幼い頃に亡くなり、弟は親戚の家に居ること。
「あっ、家族構成にシンのことが書いてある」
自分には義理の家族(当然シン)が援助するという形で一人暮らしをしているとのことだ。お金に関しては口座に毎月振り込んでおくと書いてある。封筒の中身は手紙と一緒に通帳も入っていた。
部屋を出てみると馴染みのある家だったが、唯一違うところといえば自分以外に人が住んでいると思えない。両親の部屋や弟の部屋など行ってみるが、必要最低限しかない空き部屋になっていた。もともと親の会社で家が広いといっても何もないと哀愁が漂う。
(……本当に私一人なんだ……)
少し寂しく感じながら部屋へ戻ると、ベッドの脇にある棚の上に家族の写真と綾香と一緒の写真が入ったフォトフレームに飾ってある。もしかして、と思ってアルバムの中を見ると予想通り元の世界で撮った写真がそのままであった。少しでも寂しくないようにシンが気を遣ってあげたのかもしれない。
とりあえず町の探索をしようと瑞貴は制服からクローゼットにある私服に着替える。
☆☆☆☆☆
「ここが雷門中……。こうして見ると大きいな~」
商店街やコンビニと様々なところに行き、最後に自分が通う雷門中を見てみた。大きな稲妻マークが目印の学校で、いつも画面越ししか見れなかった憧れの学校だ。
「明日からここに通うのかぁ……。なんか、本当に夢でも見てるんじゃないかと思わずにはいられないな」
綾香だったら飛び上がらんばかりに喜んでいただろう。実は自分も内心少し喜んでいることは秘密だ。むしろ言ったらシンが調子に乗りそうだからだ。
さすがに夕方になると遅くならないように、瑞貴は自宅へ向かって河川敷のそばをランニングがてら走って行く。
「――まこ! 竜介のときのカット、いい動きだったな!」
不意に聞こえた声にピタリと足を止めると、河川敷でサッカーをやっている少年少女がいた。もしかしてと思ってゴールポストを見てみると雷門中の名前があるユニフォーム、特徴となるオレンジのバンダナ、予想通り――。
(円堂だ)
雷門中のサッカー部キャプテンでGKの円堂守。これからサッカー部を大きく変えていくイナズマイレブンの主人公だ。ベンチにはサッカー部マネージャーの木野秋もいる。
もしや、と思いうしろをチラッと見てみると、一人の男子が瑞貴と同じようにグラウンドを見ていた。その男子もイナズマイレブンの主要キャラで名前は――豪炎寺修也。どうやら今日が第1話の始まりのようだ。
小学生相手じゃ円堂もあまり練習にはならないだろうが、楽しそうだと瑞貴は思う。昔は自分もああやって遊び気分で始めてから少しずつサッカーが大好きになった。
「今度こそ俺が決めてやるー! 見ろ。俺の必殺シュート!」
元気な少年――稲妻KFCのメンバーである間竜介の声に視線を戻すと、彼の勢いよく撃ったシュートがフィールドのそばを通っていた男たちの前を通り過ぎた。
「誰だぁ!? こいつ蹴ったのは!」
「だ、大丈夫ですか!? すみません……」
背の高い男がボールに足を乗せて怒鳴ると円堂がすぐに駆け付け頭を下げて謝る。ちゃんと謝るのは良いことだ。
「あの、ボールを返して……」
ドカッ!
「うっ!」
「円堂くん!?」
ボールは未だに背の高い男は足を乗せているので、円堂はさりげに返してほしい、と言うと今度は背の低い男が円堂の腹に足蹴りした。秋やKFCの如月まこもあまりのことに驚いている。
(あいつら……! 円堂はちゃんと謝ったじゃない!)
わかっていたこととはいえ目の当たりにすると悲惨な光景だ。
「ボールってこれかぁ?」
背の高い男――安井が挑発気味に言いながらボールを椅子代わりにして座った。
サッカーボールはサッカー選手にとって大事な物だ。瑞貴も選手でないとはいえ、サッカーを愛するのでその行為には瑞貴も円堂も豪炎寺も眉を顰める。
「あれ? 雷門中じゃねぇの。部員の全然いねぇ弱小サッカー部ですよ」
背の低い男――臼井が円堂を雷門中の生徒だとわかると、バカにした口調で安井に伝えた。安井はそれを聞くと面白そうに笑う。
「くだらねぇ。ガキ相手にタマ蹴りか?」
ヒャヒャヒャと笑う男たち。――さすがに我慢ができなかった。
「ちょっと! そんな言い方ないじゃないですか!?」
「「「「「!?」」」」」
突然発せられた声に全員驚いたように瑞貴に目を向けた。瑞貴はあとのことも考えずにグラウンドに下りる。
「ボールがあなた方に当たりそうなことを彼は謝りました。今度はあなたたちが彼に侮辱したこと、足蹴りしたことを謝るべきです。――今すぐ彼に謝ってください」
「「!」」
瑞貴がそう言うと円堂や秋は驚いているが、安井は少し面食らったあと、「へぇ」と言って瑞貴をジロジロと見る。ハッキリ言って気持ち悪い。
やはり今までのことは夢ではないかと思って外を見てみると、夕方だったが今まで見てきた景色とは全く違っていた。
「ここは……?」
机に一通の手紙があったので瑞貴はそれを読んでみた。
――まず自分が住み始めるのはお馴染みの稲妻町。明日から瑞貴は雷門中に通う。もちろん二年生として。この世界の経歴は元の世界と同様、両親は幼い頃に亡くなり、弟は親戚の家に居ること。
「あっ、家族構成にシンのことが書いてある」
自分には義理の家族(当然シン)が援助するという形で一人暮らしをしているとのことだ。お金に関しては口座に毎月振り込んでおくと書いてある。封筒の中身は手紙と一緒に通帳も入っていた。
部屋を出てみると馴染みのある家だったが、唯一違うところといえば自分以外に人が住んでいると思えない。両親の部屋や弟の部屋など行ってみるが、必要最低限しかない空き部屋になっていた。もともと親の会社で家が広いといっても何もないと哀愁が漂う。
(……本当に私一人なんだ……)
少し寂しく感じながら部屋へ戻ると、ベッドの脇にある棚の上に家族の写真と綾香と一緒の写真が入ったフォトフレームに飾ってある。もしかして、と思ってアルバムの中を見ると予想通り元の世界で撮った写真がそのままであった。少しでも寂しくないようにシンが気を遣ってあげたのかもしれない。
とりあえず町の探索をしようと瑞貴は制服からクローゼットにある私服に着替える。
☆☆☆☆☆
「ここが雷門中……。こうして見ると大きいな~」
商店街やコンビニと様々なところに行き、最後に自分が通う雷門中を見てみた。大きな稲妻マークが目印の学校で、いつも画面越ししか見れなかった憧れの学校だ。
「明日からここに通うのかぁ……。なんか、本当に夢でも見てるんじゃないかと思わずにはいられないな」
綾香だったら飛び上がらんばかりに喜んでいただろう。実は自分も内心少し喜んでいることは秘密だ。むしろ言ったらシンが調子に乗りそうだからだ。
さすがに夕方になると遅くならないように、瑞貴は自宅へ向かって河川敷のそばをランニングがてら走って行く。
「――まこ! 竜介のときのカット、いい動きだったな!」
不意に聞こえた声にピタリと足を止めると、河川敷でサッカーをやっている少年少女がいた。もしかしてと思ってゴールポストを見てみると雷門中の名前があるユニフォーム、特徴となるオレンジのバンダナ、予想通り――。
(円堂だ)
雷門中のサッカー部キャプテンでGKの円堂守。これからサッカー部を大きく変えていくイナズマイレブンの主人公だ。ベンチにはサッカー部マネージャーの木野秋もいる。
もしや、と思いうしろをチラッと見てみると、一人の男子が瑞貴と同じようにグラウンドを見ていた。その男子もイナズマイレブンの主要キャラで名前は――豪炎寺修也。どうやら今日が第1話の始まりのようだ。
小学生相手じゃ円堂もあまり練習にはならないだろうが、楽しそうだと瑞貴は思う。昔は自分もああやって遊び気分で始めてから少しずつサッカーが大好きになった。
「今度こそ俺が決めてやるー! 見ろ。俺の必殺シュート!」
元気な少年――稲妻KFCのメンバーである間竜介の声に視線を戻すと、彼の勢いよく撃ったシュートがフィールドのそばを通っていた男たちの前を通り過ぎた。
「誰だぁ!? こいつ蹴ったのは!」
「だ、大丈夫ですか!? すみません……」
背の高い男がボールに足を乗せて怒鳴ると円堂がすぐに駆け付け頭を下げて謝る。ちゃんと謝るのは良いことだ。
「あの、ボールを返して……」
ドカッ!
「うっ!」
「円堂くん!?」
ボールは未だに背の高い男は足を乗せているので、円堂はさりげに返してほしい、と言うと今度は背の低い男が円堂の腹に足蹴りした。秋やKFCの如月まこもあまりのことに驚いている。
(あいつら……! 円堂はちゃんと謝ったじゃない!)
わかっていたこととはいえ目の当たりにすると悲惨な光景だ。
「ボールってこれかぁ?」
背の高い男――安井が挑発気味に言いながらボールを椅子代わりにして座った。
サッカーボールはサッカー選手にとって大事な物だ。瑞貴も選手でないとはいえ、サッカーを愛するのでその行為には瑞貴も円堂も豪炎寺も眉を顰める。
「あれ? 雷門中じゃねぇの。部員の全然いねぇ弱小サッカー部ですよ」
背の低い男――臼井が円堂を雷門中の生徒だとわかると、バカにした口調で安井に伝えた。安井はそれを聞くと面白そうに笑う。
「くだらねぇ。ガキ相手にタマ蹴りか?」
ヒャヒャヒャと笑う男たち。――さすがに我慢ができなかった。
「ちょっと! そんな言い方ないじゃないですか!?」
「「「「「!?」」」」」
突然発せられた声に全員驚いたように瑞貴に目を向けた。瑞貴はあとのことも考えずにグラウンドに下りる。
「ボールがあなた方に当たりそうなことを彼は謝りました。今度はあなたたちが彼に侮辱したこと、足蹴りしたことを謝るべきです。――今すぐ彼に謝ってください」
「「!」」
瑞貴がそう言うと円堂や秋は驚いているが、安井は少し面食らったあと、「へぇ」と言って瑞貴をジロジロと見る。ハッキリ言って気持ち悪い。