「私たちの挑戦、受けていただけますか？」

「……いいでしょう」

｢｢｢｢｢!?｣｣｣｣｣

「監督!?」


なんと久遠までもが了承してしまった。その答えに円堂たちは驚くが砂木沼はニヤリと笑った。

そんな中、瑞貴は久遠の隣に並んで瞳子と向き合う。


「瞳子姉さん。どうして私を引き入れるんですか!?」

「あなたは世界に女子選手の実力を示してきている。サッカーのこれからのためにも、あなたの力が必要なのよ」

「私の…力が……」

「……まあ、あなたを引き入れたいという希望もあったしね」

(((((引き入れたい？)))))


イナズマジャパンは瞳子の言葉にネオジャパンを見ると、下鶴改、霧隠才次、成神健也、源田幸次郎の表情がわずかに変わったのを見抜いた。


「瑞貴ー！　俺たちが勝ったらお前は俺の相棒だ！」

「瑞貴せんぱーい！　俺、絶対瑞貴先輩と同じチームになりたいので負けませんよ！」


訂正。わずかに変わったのは下鶴と源田の二人だけで、霧隠と成神はわかりやすく瑞貴へアピールしている。しかも……。


「霧隠！　瑞貴の相棒は俺だって何度言ったらわかるんだ！」

「お前こそ！　瑞貴の相棒は俺にふさわしいって何度言ったらわかる！」

｢｢｢｢｢…………｣｣｣｣｣


全国大会のときもそうだったが、この二人のやりとりは延々と続きそうなので試合を始めることにする。ポジションに着くべく鬼道が円堂を、寺門大貴が霧隠を引っ張って連れて行った。

今回のベンチは風丸、不動、立向居、飛鷹、ヒロト、栗松だ。


《これは大変なことになりましたぁ！　練習試合が一転、日本代表を賭けた戦いに！　果たして、この試合に勝利して日本代表の座を勝ち取るのは、イナズマジャパンか!?　瞳子監督率いるネオジャパンか!?》


選考試合ぶりに角馬圭太が実況に着いた。鬼道も思いがけもしない光景に呟く。


「まさか瞳子監督のチームと試合することになるとはな……」

「姉さんは何を考えているんだ？」

「瞳子ちゃんも面白いことするね」

「神崎さん！　笑っている場合じゃないですよ！」


ベンチにいるヒロトは瞳子を見て言うと、対してシンはこの状況を楽しんでいるので春奈が咎める。それもどこ吹く風といった感じだが。


「だが、やると決まった以上、全力でやるだけだ。――ん!?」


鬼道がネオジャパンを見ると、なんと砂木沼がＭＦの位置にいた。


「デザームがＭＦ!?」

「あいつ、キーパーかＦＷじゃなかったのかよ！」

「これが瞳子監督の新しいチーム……よーし！　受けてたつぜ！」

「幸次郎や才次たちが相手でも、負けないよ！」


鬼道や綱海が驚くのと反対に、円堂と瑞貴はワクワクしてたまらないという風に笑顔で拳を手の平に当てた。

瞳子は選手たちに声をかけている砂木沼を見る。


（私は忘れない……。私を訪ねてきた、あの日の彼の顔を……！）