真剣勝負! 円堂VS飛鷹!!
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「……井上さんこそ、俺と一緒にいて迷惑じゃないですか?」
「えっ?」
質問を質問で返され、さらに突拍子のないことを言われて瑞貴は目を丸くする。
「だから、井上さんこそ――」
「ちょちょちょ、ちょっと待ってください! なんでそう思ったんですか?」
「それは……」
飛鷹は数日前に不動に言われたことを思い出した。
『あのバカ女の優しさに甘えてんじゃねぇよ』
最初の飛鷹は瑞貴のことを意識してなかったが、最初から自分に普通に話しかけてくれて、何かと気にかけてくれたり、ここまで練習に付き合ってくれる瑞貴をいつしか特別に想うようになった。もちろん、自分と同じ想いを持つ者が他にいることも知っている。
だけど不動に言われ、自分は彼女の性格上の優しさに付け込んでいるのではないかと思い始めたので、だから避けていたのだ。
「副キャプテンの立場や響木さんに頼まれてるからって、無理して俺と一緒にいても楽しくないですよ」
「あの、何を誤解しているのか知りませんが……私は迷惑と思ったことなんて一度もないですよ」
「えっ!?」
「正直、響木監督に特訓に誘われたのは良いキッカケだと思ったんです」
瑞貴はなんとか飛鷹と仲良くなりたいと思ったが、どうもうまくいかなかった。だけどこの特訓で少しでも距離を縮めることができたらいいなと考えていた。
「こうして他の人の練習を見ていると、自分の学ぶべきことも発見できるんです。それに楽しいですから」
「…………!」
「もう一度訊きます。私が一緒特訓しに来るのは迷惑ですか?」
「全然! 俺はそんなこと一度も思ってないです!」
「なら、よかったです!」
心からホッとした瑞貴は満面の笑みを浮かべると、飛鷹は少し頬を赤くする。よく考えればこんな笑顔を見るのは初めてかもしれない、と思った。
「あっ。この機会によければ飛鷹くん、私に敬語を使わないでください。呼び捨てで普通の話し方にしてください」
「じ、じゃあ井上さん――瑞貴も俺のことタメでいいぜ」
「いいんですか!?」
「もちろん」
「なら、これからもよろしくね。征矢!」
瑞貴が差し出した手に飛鷹は一瞬戸惑ったが、微笑んで自分も手を出して重ねた。
「それじゃあ響木監督が来るまで自主練しようか」
「ああ」
飛鷹がボールを壁にある的(マト)に向かって蹴っていく。でも昨日と違って的(マト)の近くすら当たらなくなってきた。
「瑞貴! 飛鷹!」
「「?」」
名前を呼ばれた二人が振り向くと、現れたのは円堂だった。
「何やってんだ? こんな所で」
「なんでここに……」
「響木監督に頼まれたんだ。急用ができたから代わりに行ってくれって」
「響木監督に?」
「行けばわかるって言われて、そしたらお前らが……」
円堂は壁に当たった無数の跡を見た。先ほど見かけた様子から飛鷹の努力の証なのだと気づく。
「あれは……! お前、もしかしてここで特訓してたのか? 瑞貴と響木監督と」
「…………」
「そうか……。それで響木監督は俺に……」
「響木さんは来ないんですね」
「えっ」
「俺は響木さんと二人か、もしくは瑞貴と三人じゃなければ特訓しません。瑞貴、そういうことだからお前もキャプテンと先に帰ってろ。俺はあとで帰る」
「征矢?」
「えっ、おい!」
ボールを取って去ろうとする飛鷹の肩を円堂は慌ててつかむ。
「ちょっと待てよ!」
「余計なことはしないでください」
飛鷹は円堂を睨み付けて手を振り払うと、そのまま瑞貴と円堂を残して去って行った。
「飛鷹……」
完全に飛鷹に拒否されてしまい、円堂と瑞貴は空き地から去って商店街を歩いて行く。
「なあ瑞貴。いつから飛鷹と響木監督と特訓してたんだ?」
「んー……確か代表に選ばれてすぐだったかな。響木監督から頼みがあるって連絡が来て、場所だけ言って具体的には教えてくれなかったから、とりあえず言われた通りさっきの空き地へ向かったんだ」
「えっ?」
質問を質問で返され、さらに突拍子のないことを言われて瑞貴は目を丸くする。
「だから、井上さんこそ――」
「ちょちょちょ、ちょっと待ってください! なんでそう思ったんですか?」
「それは……」
飛鷹は数日前に不動に言われたことを思い出した。
『あのバカ女の優しさに甘えてんじゃねぇよ』
最初の飛鷹は瑞貴のことを意識してなかったが、最初から自分に普通に話しかけてくれて、何かと気にかけてくれたり、ここまで練習に付き合ってくれる瑞貴をいつしか特別に想うようになった。もちろん、自分と同じ想いを持つ者が他にいることも知っている。
だけど不動に言われ、自分は彼女の性格上の優しさに付け込んでいるのではないかと思い始めたので、だから避けていたのだ。
「副キャプテンの立場や響木さんに頼まれてるからって、無理して俺と一緒にいても楽しくないですよ」
「あの、何を誤解しているのか知りませんが……私は迷惑と思ったことなんて一度もないですよ」
「えっ!?」
「正直、響木監督に特訓に誘われたのは良いキッカケだと思ったんです」
瑞貴はなんとか飛鷹と仲良くなりたいと思ったが、どうもうまくいかなかった。だけどこの特訓で少しでも距離を縮めることができたらいいなと考えていた。
「こうして他の人の練習を見ていると、自分の学ぶべきことも発見できるんです。それに楽しいですから」
「…………!」
「もう一度訊きます。私が一緒特訓しに来るのは迷惑ですか?」
「全然! 俺はそんなこと一度も思ってないです!」
「なら、よかったです!」
心からホッとした瑞貴は満面の笑みを浮かべると、飛鷹は少し頬を赤くする。よく考えればこんな笑顔を見るのは初めてかもしれない、と思った。
「あっ。この機会によければ飛鷹くん、私に敬語を使わないでください。呼び捨てで普通の話し方にしてください」
「じ、じゃあ井上さん――瑞貴も俺のことタメでいいぜ」
「いいんですか!?」
「もちろん」
「なら、これからもよろしくね。征矢!」
瑞貴が差し出した手に飛鷹は一瞬戸惑ったが、微笑んで自分も手を出して重ねた。
「それじゃあ響木監督が来るまで自主練しようか」
「ああ」
飛鷹がボールを壁にある的(マト)に向かって蹴っていく。でも昨日と違って的(マト)の近くすら当たらなくなってきた。
「瑞貴! 飛鷹!」
「「?」」
名前を呼ばれた二人が振り向くと、現れたのは円堂だった。
「何やってんだ? こんな所で」
「なんでここに……」
「響木監督に頼まれたんだ。急用ができたから代わりに行ってくれって」
「響木監督に?」
「行けばわかるって言われて、そしたらお前らが……」
円堂は壁に当たった無数の跡を見た。先ほど見かけた様子から飛鷹の努力の証なのだと気づく。
「あれは……! お前、もしかしてここで特訓してたのか? 瑞貴と響木監督と」
「…………」
「そうか……。それで響木監督は俺に……」
「響木さんは来ないんですね」
「えっ」
「俺は響木さんと二人か、もしくは瑞貴と三人じゃなければ特訓しません。瑞貴、そういうことだからお前もキャプテンと先に帰ってろ。俺はあとで帰る」
「征矢?」
「えっ、おい!」
ボールを取って去ろうとする飛鷹の肩を円堂は慌ててつかむ。
「ちょっと待てよ!」
「余計なことはしないでください」
飛鷹は円堂を睨み付けて手を振り払うと、そのまま瑞貴と円堂を残して去って行った。
「飛鷹……」
完全に飛鷹に拒否されてしまい、円堂と瑞貴は空き地から去って商店街を歩いて行く。
「なあ瑞貴。いつから飛鷹と響木監督と特訓してたんだ?」
「んー……確か代表に選ばれてすぐだったかな。響木監督から頼みがあるって連絡が来て、場所だけ言って具体的には教えてくれなかったから、とりあえず言われた通りさっきの空き地へ向かったんだ」