河川敷の決闘!
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「つーことだ、嬢ちゃん。何かあったら遠慮せずに話せよ。お前さんを見てると娘ができたような感じがしてな」
「ずいぶん歳が離れた親子ですね」
「孫という感じがしなくてな。どっちかっつーと娘だ」
「はいおまち」
響木が二人の前にラーメンと餃子をそれぞれ置く。餃子を頼んでいない瑞貴は首を傾げた。
「あの、私ラーメンしか頼んでいませんが」
「ひったくりを捕まえた褒美だ。部活帰りでもあるんだからこれくらい食えるだろう。代金はそこの男に払わせる」
「俺かよ! そこは俺の奢りとか言えよ!」
「フフッ」
響木に向かって叫ぶ鬼瓦に瑞貴は面白そうに笑う。マトモに彼女の笑顔を見た響木、鬼瓦も仕方ないかと言って財布を取り出すと、思い出したように瑞貴を見る。
「そうだ。嬢ちゃん、名前は?」
「井上瑞貴。雷門中サッカー部・副キャプテンをやってます!」
☆☆☆☆☆
次の日も河川敷での練習となったが、相変わらず橋には人がいっぱいになっている。もちろんそれはファンとか見物人ではなく偵察隊だ。
サッカー部はストレッチをしていると、その中で風丸は偵察隊を見て嫌気が差したのか溜息をつく。
「連中また増えてるぞ」
「今日も必殺技の練習はムリでヤンスねぇ」
「必殺技だけがサッカーじゃないさ。肩の力抜いて、みっちり基本練習だ!」
壁山の背中を押していた円堂はつい押し過ぎてしまい、壁山は痛がっていた。瑞貴は松野空介とペアになり柔軟をする。
「あれ? 円堂、昨日と言っていることが違うね」
「みっちりわかってもらうまで話したからね」
「……ごくろうさま」
松野の呟きに瑞貴は昨日の苦労を思い出して溜息をついた。
実は『必殺技の練習を禁止』と告げられたときから、なんとかわかってもらえるまで説得したのだ。円堂がやっと納得してくれたときの瑞貴は精神的に疲れ、豪炎寺に慰められた。
「ハァ~やれやれ……――ん?」
呆れた声を上げた土門飛鳥は何か音が聞こえたので上を向くと、形が違う大型トラックが二台来た。
「おい! なんか変なのが来たぞ」
土門の声に全員がトラックに目を向ける。そのトラックは止まったかと思うと、二台が分解する。アンテナやらカメラやらコンピュータやらがたくさんあり、その内一台の中には杉森と下鶴がいた。
その迫力にさすがの雷門中サッカー部も唖然とした。
「て、偵察にしちゃスゴすぎじゃね?」
「今度こそテレビ局でヤンスか?」
「バカ。上にあるのレーダーだぞ、レーダー。戦争でもする気かよ……」
風丸と栗松と松野が言うと円堂と豪炎寺も瑞貴もトラックに注目する。円堂はこっちを見て何かを話している二人に注目した。
「なんだあいつら?」
「次の対戦相手です」
「次の対戦相手?」
円堂の疑問に春奈が答えると、円堂は聞き返す。
「御影専農のメンバー。私、データベースを作ったんです。今までの記録とか、対戦するかもしれない相手の。それでピンと来て」
桃色のノートパソコンを取り出した春奈を間にして、両脇から瑞貴と円堂が画面を覗き込む。そこには今こっちを見ている二人のデータがあった。
「あっ、エースストライカーの下鶴改と、キャプテンでゴールキーパーの杉森威です」
「徹底的に観察する気でいやがるぜ。嫌な感じだなぁ」
二回戦の相手だとわかった染岡は二人を睨みながらピッチへ入る。
「気にせずいこう。さあシュート練習だ」
「うん。行こう、守」
「あ、ああ」
豪炎寺と瑞貴を追って円堂もピッチに入るが、杉森と下鶴の二人が気になっているようだ。
とりあえずシュート練習をするメンバー。もちろん必殺技なしのノーマルシュートだ。円堂をキーパーにし、順番にゴールへシュートする。
シュートすることが多いFWの瑞貴と染岡と豪炎寺は横から観察する。風丸や松野も撃つが円堂に防がれる。
「よーし次! 影野……――うぇ!?」
突然円堂の様子がおかしくなったので、メンバーは円堂の視線の先へ顔を向ける。そこにはグラウンドに入る杉森と下鶴の姿があった。
「あいつら入ってきやがった……タイム! みんなちょっとストップ!」
練習を邪魔したことに怒った円堂は杉森と下鶴に近づいた。瑞貴もそれに続いて円堂と並んで二人に向かい合う。
「御影専農のキャプテンだよな? 練習中にグラウンドに入らないでくれよ」
「何故必殺技の練習を隠す」
「えっ?」
杉森の答えに円堂は驚いて声を上げた。
「今さら隠してもムダだ。すでに我々は君たち全員の能力を解析している」
「評価はDマイナスだ。我々には100パーセント勝てない」
下鶴と杉森の言葉に瑞貴は眉を寄せ、円堂は目をパチクリするがすぐに元の笑顔に戻る。
「勝負はやってみなくちゃわからないだろ」
「勝負? ――これは害虫駆除作業だ」
「「何!?」」
下鶴の言葉に瑞貴と円堂はカチンときて怒りを露にする。それは他のメンバーも一緒だった。
「害虫ってなんだよ!」
「ムカつくでヤンス!」
「ヒドい!」
「サイテー!」
「俺が追い出してやる!」
「「やめろ!」」
宍戸と栗松と木野秋と春奈と染岡が文句を言い出すと、瑞貴と円堂はそれを制した。それに全員驚くと、二人は怒りを表しているのか炎のようなオーラがまとっていた。
瑞貴は影山零治が発端だということは知っていたが、それを実際に言うことが許せないのだ。
「ずいぶん歳が離れた親子ですね」
「孫という感じがしなくてな。どっちかっつーと娘だ」
「はいおまち」
響木が二人の前にラーメンと餃子をそれぞれ置く。餃子を頼んでいない瑞貴は首を傾げた。
「あの、私ラーメンしか頼んでいませんが」
「ひったくりを捕まえた褒美だ。部活帰りでもあるんだからこれくらい食えるだろう。代金はそこの男に払わせる」
「俺かよ! そこは俺の奢りとか言えよ!」
「フフッ」
響木に向かって叫ぶ鬼瓦に瑞貴は面白そうに笑う。マトモに彼女の笑顔を見た響木、鬼瓦も仕方ないかと言って財布を取り出すと、思い出したように瑞貴を見る。
「そうだ。嬢ちゃん、名前は?」
「井上瑞貴。雷門中サッカー部・副キャプテンをやってます!」
☆☆☆☆☆
次の日も河川敷での練習となったが、相変わらず橋には人がいっぱいになっている。もちろんそれはファンとか見物人ではなく偵察隊だ。
サッカー部はストレッチをしていると、その中で風丸は偵察隊を見て嫌気が差したのか溜息をつく。
「連中また増えてるぞ」
「今日も必殺技の練習はムリでヤンスねぇ」
「必殺技だけがサッカーじゃないさ。肩の力抜いて、みっちり基本練習だ!」
壁山の背中を押していた円堂はつい押し過ぎてしまい、壁山は痛がっていた。瑞貴は松野空介とペアになり柔軟をする。
「あれ? 円堂、昨日と言っていることが違うね」
「みっちりわかってもらうまで話したからね」
「……ごくろうさま」
松野の呟きに瑞貴は昨日の苦労を思い出して溜息をついた。
実は『必殺技の練習を禁止』と告げられたときから、なんとかわかってもらえるまで説得したのだ。円堂がやっと納得してくれたときの瑞貴は精神的に疲れ、豪炎寺に慰められた。
「ハァ~やれやれ……――ん?」
呆れた声を上げた土門飛鳥は何か音が聞こえたので上を向くと、形が違う大型トラックが二台来た。
「おい! なんか変なのが来たぞ」
土門の声に全員がトラックに目を向ける。そのトラックは止まったかと思うと、二台が分解する。アンテナやらカメラやらコンピュータやらがたくさんあり、その内一台の中には杉森と下鶴がいた。
その迫力にさすがの雷門中サッカー部も唖然とした。
「て、偵察にしちゃスゴすぎじゃね?」
「今度こそテレビ局でヤンスか?」
「バカ。上にあるのレーダーだぞ、レーダー。戦争でもする気かよ……」
風丸と栗松と松野が言うと円堂と豪炎寺も瑞貴もトラックに注目する。円堂はこっちを見て何かを話している二人に注目した。
「なんだあいつら?」
「次の対戦相手です」
「次の対戦相手?」
円堂の疑問に春奈が答えると、円堂は聞き返す。
「御影専農のメンバー。私、データベースを作ったんです。今までの記録とか、対戦するかもしれない相手の。それでピンと来て」
桃色のノートパソコンを取り出した春奈を間にして、両脇から瑞貴と円堂が画面を覗き込む。そこには今こっちを見ている二人のデータがあった。
「あっ、エースストライカーの下鶴改と、キャプテンでゴールキーパーの杉森威です」
「徹底的に観察する気でいやがるぜ。嫌な感じだなぁ」
二回戦の相手だとわかった染岡は二人を睨みながらピッチへ入る。
「気にせずいこう。さあシュート練習だ」
「うん。行こう、守」
「あ、ああ」
豪炎寺と瑞貴を追って円堂もピッチに入るが、杉森と下鶴の二人が気になっているようだ。
とりあえずシュート練習をするメンバー。もちろん必殺技なしのノーマルシュートだ。円堂をキーパーにし、順番にゴールへシュートする。
シュートすることが多いFWの瑞貴と染岡と豪炎寺は横から観察する。風丸や松野も撃つが円堂に防がれる。
「よーし次! 影野……――うぇ!?」
突然円堂の様子がおかしくなったので、メンバーは円堂の視線の先へ顔を向ける。そこにはグラウンドに入る杉森と下鶴の姿があった。
「あいつら入ってきやがった……タイム! みんなちょっとストップ!」
練習を邪魔したことに怒った円堂は杉森と下鶴に近づいた。瑞貴もそれに続いて円堂と並んで二人に向かい合う。
「御影専農のキャプテンだよな? 練習中にグラウンドに入らないでくれよ」
「何故必殺技の練習を隠す」
「えっ?」
杉森の答えに円堂は驚いて声を上げた。
「今さら隠してもムダだ。すでに我々は君たち全員の能力を解析している」
「評価はDマイナスだ。我々には100パーセント勝てない」
下鶴と杉森の言葉に瑞貴は眉を寄せ、円堂は目をパチクリするがすぐに元の笑顔に戻る。
「勝負はやってみなくちゃわからないだろ」
「勝負? ――これは害虫駆除作業だ」
「「何!?」」
下鶴の言葉に瑞貴と円堂はカチンときて怒りを露にする。それは他のメンバーも一緒だった。
「害虫ってなんだよ!」
「ムカつくでヤンス!」
「ヒドい!」
「サイテー!」
「俺が追い出してやる!」
「「やめろ!」」
宍戸と栗松と木野秋と春奈と染岡が文句を言い出すと、瑞貴と円堂はそれを制した。それに全員驚くと、二人は怒りを表しているのか炎のようなオーラがまとっていた。
瑞貴は影山零治が発端だということは知っていたが、それを実際に言うことが許せないのだ。