灼熱の戦士! デザートライオン!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「昔のことか……。虎丸のことも、これ以上首を突っ込まないほうがいいのかな?」
「誰にだって触れてほしくないこともあるからね……」
「円堂、瑞貴。俺はチームメイトとして、虎丸のことが知りたい」
「「えっ?」」
「『一緒に乗り越えていくのがチームメイト』……それを教えてくれたのはお前たちだろ?」
今までの辛いことや苦しいこともチームメイトがいたからこそ、楽しいことや嬉しいことも含めて素敵な思い出となった。
限度もあるだろうが、虎丸や飛鷹はチームメイトになったばかりで知らないことも多い。少しずつ知っていくためにも、最初の一歩を自らが踏み出さなくてはならない。
「わかった! 行こう!」
すると冬花は瑞貴の腕を控え目にクイッと引っ張る。それに気づいた瑞貴は冬花に顔を向けると、その表情を見て彼女が思っていることを察したので笑顔で頷いた。
「マモルくん。私も瑞貴ちゃんも一緒に行っていい?」
「ああ! もちろん!」
瑞貴も冬花も同行することになり、五人が目的地に着いた頃には夕方になっていた。先に待っていた春奈とも合流し、店の前に立って円堂は看板に記されている店名を読み上げる。
「虎ノ屋?」
「ここに虎丸が?」
「はい。確かに入って行きました」
「そうか……」
「――何かご用かしら?」
「わあぁああ!」
急に背後から女性に声をかけられたので円堂は驚きの声を上げた。瑞貴は冷静に女性に理由を答える。
「私たちは虎丸くんと同じチームで……」
「虎丸くんの?」
「何騒いでんだよ、乃々美姉ちゃん。俺今出前に……――っ! キャプテン……井上さん……豪炎寺さん……」
店の中から岡持ちを持って出てきた虎丸は、瑞貴たちの姿を見て驚いた。
それから虎丸は出前に行き、瑞貴たちと先ほどの女性――梨本乃々美は店内で虎丸の母・宇都宮たえに事情を聞いた。
「えぇっ!? 虎丸が、このお店を一人で切り盛り!?」
「ええ。仕込みから買い出し…出前までがんばってくれて……」
イナズマジャパンの選手として練習メニューもこなし、そのあと自宅の食堂を一人でやっていることに豪炎寺も春奈も驚きを隠せない。
「練習のあとでか……」
「スゴいですね、虎丸くん!」
「お弁当屋の乃々美ちゃんが手伝ってくれるから、助かってるんですけどね」
「困ったときはお互い様よ、おばさん」
乃々美は笑顔で返したが、たえは少し顔をうつむける。
「でも……私の体が弱いせいであの子には苦労をかけっぱなしで……。本当はめいっぱい練習したいはずなのに……」
(そうだったのか、虎丸……)
「ただいまー!」
事情を知った豪炎寺が顔をうつむけると、帰って来た虎丸の声が聞こえた。
「あっ、ダメじゃないか母さん! 休んでてよ。店はまだ忙しくないんだから」
「悪いわね、虎丸」
とても母親思いなのだと女性陣は感じ取ると、瑞貴は体を震わせている円堂に気づいた。
「いいんだよ。店のことは俺に任せておけって」
「虎丸!!」
「っ、はい!」
急に円堂が大きな声を上げたので、虎丸は振り向いてビシッと背筋を伸ばす。
「なんでこんな大事なことを黙っていたんだ!」
「それは……」
虎丸が理由を言う前に円堂は用意されている別の岡持ちを持って行く。
「出前だな。よし、任せろ!」
「ちょっと待った!」
「ぐぇ!」
瑞貴はそのまま店を出て行こうとする円堂の首根っこをつかんで引き止める。もちろん岡持ちの中にある料理に支障が無いように。
「あんたね、出前先わかってんの?」
「あっ」
肝心のことをすっかり忘れていた円堂は、手を後頭部に当てて苦笑しながら虎丸に尋ねる。
「で、どこへ行けばいいんだっけ?」
「まったく……」
「「「「フフッ」」」」
呆れるように瑞貴が溜息を吐くと、乃々美とマネージャーたちは微笑む。豪炎寺も笑顔で声を上げた。
「やるか!」
「ええ!」
「先輩、私たちも!」
「うん!」
「誰にだって触れてほしくないこともあるからね……」
「円堂、瑞貴。俺はチームメイトとして、虎丸のことが知りたい」
「「えっ?」」
「『一緒に乗り越えていくのがチームメイト』……それを教えてくれたのはお前たちだろ?」
今までの辛いことや苦しいこともチームメイトがいたからこそ、楽しいことや嬉しいことも含めて素敵な思い出となった。
限度もあるだろうが、虎丸や飛鷹はチームメイトになったばかりで知らないことも多い。少しずつ知っていくためにも、最初の一歩を自らが踏み出さなくてはならない。
「わかった! 行こう!」
すると冬花は瑞貴の腕を控え目にクイッと引っ張る。それに気づいた瑞貴は冬花に顔を向けると、その表情を見て彼女が思っていることを察したので笑顔で頷いた。
「マモルくん。私も瑞貴ちゃんも一緒に行っていい?」
「ああ! もちろん!」
瑞貴も冬花も同行することになり、五人が目的地に着いた頃には夕方になっていた。先に待っていた春奈とも合流し、店の前に立って円堂は看板に記されている店名を読み上げる。
「虎ノ屋?」
「ここに虎丸が?」
「はい。確かに入って行きました」
「そうか……」
「――何かご用かしら?」
「わあぁああ!」
急に背後から女性に声をかけられたので円堂は驚きの声を上げた。瑞貴は冷静に女性に理由を答える。
「私たちは虎丸くんと同じチームで……」
「虎丸くんの?」
「何騒いでんだよ、乃々美姉ちゃん。俺今出前に……――っ! キャプテン……井上さん……豪炎寺さん……」
店の中から岡持ちを持って出てきた虎丸は、瑞貴たちの姿を見て驚いた。
それから虎丸は出前に行き、瑞貴たちと先ほどの女性――梨本乃々美は店内で虎丸の母・宇都宮たえに事情を聞いた。
「えぇっ!? 虎丸が、このお店を一人で切り盛り!?」
「ええ。仕込みから買い出し…出前までがんばってくれて……」
イナズマジャパンの選手として練習メニューもこなし、そのあと自宅の食堂を一人でやっていることに豪炎寺も春奈も驚きを隠せない。
「練習のあとでか……」
「スゴいですね、虎丸くん!」
「お弁当屋の乃々美ちゃんが手伝ってくれるから、助かってるんですけどね」
「困ったときはお互い様よ、おばさん」
乃々美は笑顔で返したが、たえは少し顔をうつむける。
「でも……私の体が弱いせいであの子には苦労をかけっぱなしで……。本当はめいっぱい練習したいはずなのに……」
(そうだったのか、虎丸……)
「ただいまー!」
事情を知った豪炎寺が顔をうつむけると、帰って来た虎丸の声が聞こえた。
「あっ、ダメじゃないか母さん! 休んでてよ。店はまだ忙しくないんだから」
「悪いわね、虎丸」
とても母親思いなのだと女性陣は感じ取ると、瑞貴は体を震わせている円堂に気づいた。
「いいんだよ。店のことは俺に任せておけって」
「虎丸!!」
「っ、はい!」
急に円堂が大きな声を上げたので、虎丸は振り向いてビシッと背筋を伸ばす。
「なんでこんな大事なことを黙っていたんだ!」
「それは……」
虎丸が理由を言う前に円堂は用意されている別の岡持ちを持って行く。
「出前だな。よし、任せろ!」
「ちょっと待った!」
「ぐぇ!」
瑞貴はそのまま店を出て行こうとする円堂の首根っこをつかんで引き止める。もちろん岡持ちの中にある料理に支障が無いように。
「あんたね、出前先わかってんの?」
「あっ」
肝心のことをすっかり忘れていた円堂は、手を後頭部に当てて苦笑しながら虎丸に尋ねる。
「で、どこへ行けばいいんだっけ?」
「まったく……」
「「「「フフッ」」」」
呆れるように瑞貴が溜息を吐くと、乃々美とマネージャーたちは微笑む。豪炎寺も笑顔で声を上げた。
「やるか!」
「ええ!」
「先輩、私たちも!」
「うん!」