開幕! 世界への挑戦!!
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「ハニー! 円堂ー! 陣中見舞いに来てやったで――っ!!」
午前と同じように不動の部屋にいた瑞貴は外から聞こえた声に反応すると、正門から懐かしい人物が入ってきたことに気づく。
「不動くん。少し出てもいいですか? チームメイトが久しぶりに来てくれたので会いたいんです」
「勝手にしろよ」
「戻って来るときはドリンクも持って来ますから~」
瑞貴が部屋から出て行ったあと、不動は溜息を吐いた。
「……あいつ男の部屋に普通にいるが警戒心とかないのか? サッカーすることしか頭にないなんて、やっぱりバカ女で充分だな」
だからと言って不動も手を出す気は毛頭ない。ただ、今の所チームの中で練習相手に一番ふさわしいのが瑞貴だから誘っただけなのだ。
一方、浦部リカと財前塔子は秋に案内されて食堂に来て、グラウンドに選手がいない事情を聞いた。
「なんやてぇ!? 部屋から出られへん!?」
「ホントに大丈夫なのか? その監督」
「よくわからないの……」
「リカちゃん! 塔子ちゃん!」
「「ハニー/瑞貴!」」
「みぎゃあ!」
久しぶりの再会なので二人は瑞貴に気づくや否や思いっきり抱きつき、その反動で瑞貴は倒れてしまう。
「瑞貴ちゃん! 大丈夫!?」
「な、なんとか……」
瑞貴は秋の助けで塔子とリカは離れてくれたので起き上がることができた。
「本当に久しぶりだな! それと代表入りおめでとう! 瑞貴はあたしら女子プレーヤーの希望の星だよ!」
「ありがとう。世界にどれだけ通用するかわかんないけど、精一杯がんばるよ」
「なあハニー! 監督から練習禁止にされたんやって!?」
「そうだけど……」
「よっしゃ! ウチに任せとき!」
そう言うや否やリカは食堂から出て行った。久遠に直接抗議するのだろう。食堂から近い階段に久遠はいるので声が聞こえる。
「なあ! ちょっと監督さん!」
「…………」
「イッ!? しっかり見張っとかなアカンで? あいつらコソい手ぇ使ってなんとか抜け出そうとしよるからな! ほな、がんばりや~!」
久遠の眼力に負けたリカは手の平返すようにそう言うと食堂に戻って来た。そして自信満々に一言。
「バシッと言っといたから!」
「「「……どこが?」」」
瑞貴と塔子と秋は半目になって言った。