呪われた監督!
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――練習終了後、春奈が召集の声をかけたので食堂に集まると衝撃的なことを聞かされる。
「えっ!? 久遠監督がサッカー部を潰した!?」
「間違いありません。サッカー協会の資料室で見つけたんです!」
「サッカー協会?」
「えっ、ええ! まあいろいろありまして……」
秋が訊くと目金は気まずそうな顔をする。忍び込んで受付の人に見つかったが特別に許可してもらった。結果オーライだが、あまり他の人にバレたくないんだろう。それに気にせず春奈は続ける。
「久遠監督は十年前、桜咲中の監督をやっていたみたいなんです」
「桜咲中?」
「はい。桜咲中はその年、フットボールフロンティアの予選を大量得点差で勝ち進んでいたのです。ところが決勝戦の前になって久遠監督が事件を起こしたことでチームは決勝を棄権」
「なんだって!?」
「詳しくは記述がなくてわからなかったんですけど、あと桜咲中の監督に関する情報を調べていたら、変な噂が出てきたんです。久遠道也は――『呪われた監督』だって!」
「円堂くん……」
ヒロトたちは久遠を信じようとしている円堂に顔を向ける。サッカー協会にこんな事件の資料があれば、いくらなんでも信じきるのは難しい。だが……。
「詳しい記述がないなら、ただの噂でしょ」
「「「「「!?」」」」」
不穏な空気の中、瑞貴の声が響くように聞こえた。だけど瑞貴はそれを気にせず続ける。
「それで真っ向から久遠監督を否定するなんておかしいよ。響木監督だって適当に選んだわけじゃない。全てを含めて選んだんだから」
「瑞貴……」
「瑞貴は久遠監督に肩入れするのか?」
「私は自分の目で見なければあまり信じないだけ。それじゃあ私、出かけてくるね」
瑞貴は綱海にそう言うと食堂から出て行った。今日も飛鷹の練習に付き合うために。
そんなことを知らない円堂たちはお互いの顔を見合わせ、瑞貴の言葉に疑問に思っていた。
☆☆☆☆☆
次の日。秋が宿舎から心配そうな顔で出てきた。その様子におかしいと思った円堂は声をかける。
「どうしたんだ、秋?」
「うん……。壁山くん、いくらノックしても返事がないの」
「円堂……。瑞貴……。」
「練習始まっちゃうでヤンス……」
風丸と栗松は二人に顔を向けて声をかけると、瑞貴は真っ先に宿舎に入って行った。それに円堂も続くように向かう。
そして壁山の部屋の前に立って瑞貴はノックした。だけど秋が言ったように返事はない。
「塀吾郎。入るよ」
「壁山! 練習だぞ!」
鍵は掛かってなかったので扉を開くと、壁山はユニフォーム姿でベッドの上に座っていた。
「なんだ。もう着替えてるじゃないか!」
「みんな集まってるよ。行こう」
「キャプテン……。瑞貴さん……。俺もう練習についていけないっス……」
顔をうつむける壁山はいつもの元気がない。昨日の練習が特に効いているようだ。円堂と瑞貴は顔を見合わせると中に入り、円堂は壁山の肩をポンッと叩く。
「なあ壁山、好きなんだろ? サッカー」
「……は、はいっス」
「だったら負けるな! 辛いんだったら、辛いのごと楽しめばいいんだ!」
「今までも辛いことはたくさんあったけど、それでも塀吾郎は乗り越えてきた。今回だって乗り越えられるよ! 塀吾郎は人一倍根性があるんだから!」
「キャプテン……! 瑞貴さん……!」
「えっ!? 久遠監督がサッカー部を潰した!?」
「間違いありません。サッカー協会の資料室で見つけたんです!」
「サッカー協会?」
「えっ、ええ! まあいろいろありまして……」
秋が訊くと目金は気まずそうな顔をする。忍び込んで受付の人に見つかったが特別に許可してもらった。結果オーライだが、あまり他の人にバレたくないんだろう。それに気にせず春奈は続ける。
「久遠監督は十年前、桜咲中の監督をやっていたみたいなんです」
「桜咲中?」
「はい。桜咲中はその年、フットボールフロンティアの予選を大量得点差で勝ち進んでいたのです。ところが決勝戦の前になって久遠監督が事件を起こしたことでチームは決勝を棄権」
「なんだって!?」
「詳しくは記述がなくてわからなかったんですけど、あと桜咲中の監督に関する情報を調べていたら、変な噂が出てきたんです。久遠道也は――『呪われた監督』だって!」
「円堂くん……」
ヒロトたちは久遠を信じようとしている円堂に顔を向ける。サッカー協会にこんな事件の資料があれば、いくらなんでも信じきるのは難しい。だが……。
「詳しい記述がないなら、ただの噂でしょ」
「「「「「!?」」」」」
不穏な空気の中、瑞貴の声が響くように聞こえた。だけど瑞貴はそれを気にせず続ける。
「それで真っ向から久遠監督を否定するなんておかしいよ。響木監督だって適当に選んだわけじゃない。全てを含めて選んだんだから」
「瑞貴……」
「瑞貴は久遠監督に肩入れするのか?」
「私は自分の目で見なければあまり信じないだけ。それじゃあ私、出かけてくるね」
瑞貴は綱海にそう言うと食堂から出て行った。今日も飛鷹の練習に付き合うために。
そんなことを知らない円堂たちはお互いの顔を見合わせ、瑞貴の言葉に疑問に思っていた。
☆☆☆☆☆
次の日。秋が宿舎から心配そうな顔で出てきた。その様子におかしいと思った円堂は声をかける。
「どうしたんだ、秋?」
「うん……。壁山くん、いくらノックしても返事がないの」
「円堂……。瑞貴……。」
「練習始まっちゃうでヤンス……」
風丸と栗松は二人に顔を向けて声をかけると、瑞貴は真っ先に宿舎に入って行った。それに円堂も続くように向かう。
そして壁山の部屋の前に立って瑞貴はノックした。だけど秋が言ったように返事はない。
「塀吾郎。入るよ」
「壁山! 練習だぞ!」
鍵は掛かってなかったので扉を開くと、壁山はユニフォーム姿でベッドの上に座っていた。
「なんだ。もう着替えてるじゃないか!」
「みんな集まってるよ。行こう」
「キャプテン……。瑞貴さん……。俺もう練習についていけないっス……」
顔をうつむける壁山はいつもの元気がない。昨日の練習が特に効いているようだ。円堂と瑞貴は顔を見合わせると中に入り、円堂は壁山の肩をポンッと叩く。
「なあ壁山、好きなんだろ? サッカー」
「……は、はいっス」
「だったら負けるな! 辛いんだったら、辛いのごと楽しめばいいんだ!」
「今までも辛いことはたくさんあったけど、それでも塀吾郎は乗り越えてきた。今回だって乗り越えられるよ! 塀吾郎は人一倍根性があるんだから!」
「キャプテン……! 瑞貴さん……!」