河川敷の決闘!
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フットボールフロンティア地区予選一回戦を突破した雷門中サッカー部は、二回戦に備えて今日も河川敷で練習をしていた。
「よーしいけいけ!」
「左だ! もっとプレッシャーかけて!」
「そう! マークに付け!」
「右サイド! すぐにフォローに上がって!」
キャプテンの円堂守と副キャプテンの井上瑞貴を中心に、雷門中サッカー部はどんどんレベルアップをしていた。連携も個人技も上がっていく。
「熱血パンチ!」
「!」
染岡竜吾が放つノーマルシュートを円堂は必殺技で止める。その瞬間、瑞貴はゲッと顔を歪めていた。
ボールが弾き飛ばされると同時に橋から見ている見物人が感嘆の声をあげる。それに気づいた部員は見物人に顔を向けた。
「なんか最近ギャラリーが増えてないか?」
「そうでヤンスねぇ」
半田真一の疑問に栗松鉄平も同意した。するとそのまま動かない部員に円堂がボールを持って駆け寄る。
「どうしたどうした。動き止めるな」
「もしかして、ついにできたのか?」
「何が?」
「俺たちのファンだよ」
「「「えぇ~~!!」」」
風丸の仮説に円堂と壁山塀吾郎と少林寺歩は驚いた声を出した。それは他の部員を同じで、円堂なんてボールを落としかけるくらいだ。
「ファン……俺たちに……!」
今までなかった初めてのファンに、円堂は涙目になっている。
「お、俺も注目されてる……!」
「あっ! カメラ! こっちに向けてる!」
影野仁は顔を赤らめながら言い、宍戸佐吉は一年組と騒いでいる。残りの部員も嬉しそうな声を上げていた。……ただ二人、瑞貴と豪炎寺修也を除いて。
「修也、これって……」
「ああ、間違いないな。……円堂たちは気づいてないようだが」
「個人のファンならともかく、サッカー部のファンなんてできたことなかったからね……」
瑞貴と豪炎寺は同時に溜息を吐く。
風丸や豪炎寺や半田個人にはファンがいる。しかし『サッカー部』のファンは今までできたことがなかったのだ。部員七人の当初から学校から悪い意味では注目されていたが、こういったいい意味での注目はなかった。
「その内テレビの取材とか来たりして……」
宍戸の予想に壁山は後頭部に手を当てて照れている。
「緊張してきたっス、キャプテン。トイレ行ってきていいっスか?」
「さあー練習練習! 必殺技にもっともっと磨きをかけるぞ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
「却下!」
「「「「「だあっ!!」」」」」
すかさず瑞貴が発した言葉に、豪炎寺とマネージャーを除く部員一同はズッコけた。すぐさま円堂が「なんでだよ!」と言おうとした途端――車が乱暴にグラウンドに下りてきた。
この黒塗りの高級車には全員見覚えがある。中から出てきたのは我が雷門中の理事長の娘であり、サッカー部のマネージャーになった雷門夏未だった。
「必殺技の練習は禁止します」
「いきなり何を言いだすんだよ! 必殺技ナシで、フットボールフロンティアを勝ち抜けるのかよ!」
「却下って言ったでしょ」
「瑞貴まで何言ってるんだ!」
瑞貴と夏未の発せられた言葉に円堂は反論した。しかし瑞貴も夏未も物ともしなかった。
「「あれが見えてないの?」」
円堂は素直に二人が指した先を見る。それは橋にいる見物人だ。
「あれって……俺たちのファンだろう?」
再び目を輝かせる円堂に瑞貴はまた溜息をついた。すると瑞貴の隣に豪炎寺が来た。
「あれはファンなんかじゃない。他の中学の偵察隊だ。俺たちのデータを取りに来てるんだ」
「「「「「偵察ぅ――っ!?」」」」」
ファンではないと知った一年組と半田は特にショックを受けていた。
「まったく無名のチームが帝国学園に勝ち、そのまま連勝を続けているのよ。当然起こりうることだわ」
「公式試合はこの間の野生中戦の一回限り、だからこうやって練習を見に来てるの」
「わかった! 偵察されているとなると、必殺技の練習はライバルにこっちの手の内を見せることになるんですね」
「春奈ちゃん正解!」
「「「「「えぇ――っ!!」」」」」
「ありがとうございます~! スゴく嬉しいです~!」
再びショックを受けている一年組と半田。ちなみに音無春奈は瑞貴に抱きついてきた。もう慣れた瑞貴は受け止めて頭を撫でる。
「その通りよ。だから禁止します」
「確かに必殺技を研究されるのは不利だな……」
「あとでボロボロにされるのは私たちだもんね」
瑞貴の言葉に夏未と豪炎寺は頷いた。
「けど! 必殺技ナシでどうやって――」
「守、必殺技だけがサッカーじゃないんだよ」
「ああ。パス回し…トラップ…シュート……やることは山ほどある」
ポンッと瑞貴と豪炎寺は円堂の肩に手を置く。それでも円堂は納得のいかない表情をして食い下がる。
「だったら! 誰にも見られないところで練習をしよう! 必殺技のさ!」
「そんな場所どこにあるんだ?」
「でもさー必要だろ?」
円堂と豪炎寺の会話に瑞貴は苦笑を浮かべた。……その誰にも見られない場所を瑞貴は知っている。
野生中戦後に瑞貴をトリップさせた神崎シンが用意してくれた『特訓場』。だがそれはこの世界の人間である円堂たちは使えない。瑞貴は別の世界から来たから使えるのだと、シンが説明したのだ。
「よーしいけいけ!」
「左だ! もっとプレッシャーかけて!」
「そう! マークに付け!」
「右サイド! すぐにフォローに上がって!」
キャプテンの円堂守と副キャプテンの井上瑞貴を中心に、雷門中サッカー部はどんどんレベルアップをしていた。連携も個人技も上がっていく。
「熱血パンチ!」
「!」
染岡竜吾が放つノーマルシュートを円堂は必殺技で止める。その瞬間、瑞貴はゲッと顔を歪めていた。
ボールが弾き飛ばされると同時に橋から見ている見物人が感嘆の声をあげる。それに気づいた部員は見物人に顔を向けた。
「なんか最近ギャラリーが増えてないか?」
「そうでヤンスねぇ」
半田真一の疑問に栗松鉄平も同意した。するとそのまま動かない部員に円堂がボールを持って駆け寄る。
「どうしたどうした。動き止めるな」
「もしかして、ついにできたのか?」
「何が?」
「俺たちのファンだよ」
「「「えぇ~~!!」」」
風丸の仮説に円堂と壁山塀吾郎と少林寺歩は驚いた声を出した。それは他の部員を同じで、円堂なんてボールを落としかけるくらいだ。
「ファン……俺たちに……!」
今までなかった初めてのファンに、円堂は涙目になっている。
「お、俺も注目されてる……!」
「あっ! カメラ! こっちに向けてる!」
影野仁は顔を赤らめながら言い、宍戸佐吉は一年組と騒いでいる。残りの部員も嬉しそうな声を上げていた。……ただ二人、瑞貴と豪炎寺修也を除いて。
「修也、これって……」
「ああ、間違いないな。……円堂たちは気づいてないようだが」
「個人のファンならともかく、サッカー部のファンなんてできたことなかったからね……」
瑞貴と豪炎寺は同時に溜息を吐く。
風丸や豪炎寺や半田個人にはファンがいる。しかし『サッカー部』のファンは今までできたことがなかったのだ。部員七人の当初から学校から悪い意味では注目されていたが、こういったいい意味での注目はなかった。
「その内テレビの取材とか来たりして……」
宍戸の予想に壁山は後頭部に手を当てて照れている。
「緊張してきたっス、キャプテン。トイレ行ってきていいっスか?」
「さあー練習練習! 必殺技にもっともっと磨きをかけるぞ!」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
「却下!」
「「「「「だあっ!!」」」」」
すかさず瑞貴が発した言葉に、豪炎寺とマネージャーを除く部員一同はズッコけた。すぐさま円堂が「なんでだよ!」と言おうとした途端――車が乱暴にグラウンドに下りてきた。
この黒塗りの高級車には全員見覚えがある。中から出てきたのは我が雷門中の理事長の娘であり、サッカー部のマネージャーになった雷門夏未だった。
「必殺技の練習は禁止します」
「いきなり何を言いだすんだよ! 必殺技ナシで、フットボールフロンティアを勝ち抜けるのかよ!」
「却下って言ったでしょ」
「瑞貴まで何言ってるんだ!」
瑞貴と夏未の発せられた言葉に円堂は反論した。しかし瑞貴も夏未も物ともしなかった。
「「あれが見えてないの?」」
円堂は素直に二人が指した先を見る。それは橋にいる見物人だ。
「あれって……俺たちのファンだろう?」
再び目を輝かせる円堂に瑞貴はまた溜息をついた。すると瑞貴の隣に豪炎寺が来た。
「あれはファンなんかじゃない。他の中学の偵察隊だ。俺たちのデータを取りに来てるんだ」
「「「「「偵察ぅ――っ!?」」」」」
ファンではないと知った一年組と半田は特にショックを受けていた。
「まったく無名のチームが帝国学園に勝ち、そのまま連勝を続けているのよ。当然起こりうることだわ」
「公式試合はこの間の野生中戦の一回限り、だからこうやって練習を見に来てるの」
「わかった! 偵察されているとなると、必殺技の練習はライバルにこっちの手の内を見せることになるんですね」
「春奈ちゃん正解!」
「「「「「えぇ――っ!!」」」」」
「ありがとうございます~! スゴく嬉しいです~!」
再びショックを受けている一年組と半田。ちなみに音無春奈は瑞貴に抱きついてきた。もう慣れた瑞貴は受け止めて頭を撫でる。
「その通りよ。だから禁止します」
「確かに必殺技を研究されるのは不利だな……」
「あとでボロボロにされるのは私たちだもんね」
瑞貴の言葉に夏未と豪炎寺は頷いた。
「けど! 必殺技ナシでどうやって――」
「守、必殺技だけがサッカーじゃないんだよ」
「ああ。パス回し…トラップ…シュート……やることは山ほどある」
ポンッと瑞貴と豪炎寺は円堂の肩に手を置く。それでも円堂は納得のいかない表情をして食い下がる。
「だったら! 誰にも見られないところで練習をしよう! 必殺技のさ!」
「そんな場所どこにあるんだ?」
「でもさー必要だろ?」
円堂と豪炎寺の会話に瑞貴は苦笑を浮かべた。……その誰にも見られない場所を瑞貴は知っている。
野生中戦後に瑞貴をトリップさせた神崎シンが用意してくれた『特訓場』。だがそれはこの世界の人間である円堂たちは使えない。瑞貴は別の世界から来たから使えるのだと、シンが説明したのだ。