これがイナズマ落としだ!
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――夕暮れの中、帰宅する瑞貴は今日の試合の結果に喜びと同時に複雑な気持ちでいた。
(やっぱり……代わりのGKがいないから守に負担をかけてしまう)
雷門中のGKは円堂ただ一人だ。だから万が一大きな怪我をしても代わりの選手は、きっとマトモにゴールを守ることはできない。
だったら、キーパーの経験もある自分がやろうと瑞貴は思った。だけど、練習しているところを誰かに見られたら円堂に伝わってきっと「気にしなくていい」と言う。
視線を前に向けると、家の前にシンがにこやかに笑って手を振っていた。
「シン……」
「今日の試合、スゴかったよ。おめでとう」
「あっ、うん、ありがとう」
瑞貴は少し顔をうつむかせながら返すとシンは微笑み、瑞貴の頭に手を置く。
「キーパーの練習をしたいんでしょう? 僕、誰にも見られない練習場を知ってるよ」
「えっ?」
その言葉に瑞貴は目を見開いた。シンが入った場所は……瑞貴の家だった。
「うちの庭じゃ、満足な練習ができないよ」
「まあまあ。付いて来て」
シンは何故か持ってる合鍵で家に入り、一階の地下室に向かった。
ここは両親が海外の資料や本を置いてある部屋だった。昔から瑞貴は本を読む好きだったし、なんの支障もなかったが、ここにいったい何があるというのだ。シンは部屋の隅に行くと急にしゃがみこんだ。
「ど、どうしたの?」
「まあ見ててよ」
棚の一番下で隅っこの本を二冊取り、奥に手を伸ばすとカチッという音が聞こえた。すると何にもなかった壁から扉が現れ、シンはその扉を迷いもせずに開ける。この行動に瑞貴は唖然とし、開いた口が塞がらないほどだった。
「さっ、入って」
「なんなのこれ! 人の家になんてモノを仕掛けてくれるの!」
「まあまあ」
かなりご立腹な瑞貴をシンは宥めて部屋に入らせて扉を閉める。扉が閉まったのと同時に、目の前にはサッカーコートやマシンや道具一式が置いてあった。
「こ、これは……」
「瑞貴専用の特訓場。さまざまな高度なマシンがあるから練習にはもってこいだし、実戦をやりたかったらコンピュータで映し出された映像の人が現れてシュート、ドリブル、ディフェンス、キーパーの練習ができる。必殺技を生みだすこともできるよ」
シンが設置されたパソコンに何かを入力すると、コートに豪炎寺が現れた。
「修也!?」
「の、偽者だけどね」
カゴからシンがサッカーボールを取り出し、豪炎寺にボールを投げると豪炎寺はそれを受け止め、ファイアトルネードを放ってゴールを決める。着地すると豪炎寺の映像は消えた。
「これは特殊な立体映像でね。瑞貴が今まで出会った選手が自動的に入力されて実際のように練習ができるんだ。選手の強さは自分で調整することもできるけど、本物が強くなればなるほど立体映像も強くなる」
瑞貴はここに入ってきたときとは打って変わって目を輝かせた。
「スゴい……スゴいよシン! これなら私もいろんなポジションの練習ができる!」
「でしょ? それにここは外とは別の空間にあるようなものだから、いくら大きな音を出しても部屋の外には聞こえないし、練習に夢中になっても訪問者が来たら知らせてくれるから大丈夫」
ここまでよくしてもらったことに瑞貴は驚きを隠せなかった。
「なんで……そこまでしてくれるの?」
「ん? トリップをすることは元の世界を捨てるという意味もあるから、その罪滅ぼしみたいなものだよ。――さっ、始めよ?」
「うん!」
瑞貴はキーパー用のグローブを手に嵌め、キーパー用の練習場に入って構える。
「さあ来い!」
☆☆☆☆☆
次の日――。
「おはよ~」
「おっ、瑞貴。おは……――どうしたんだ!? そんなにボロボロで!」
「ちょっとね……」
風丸が教室に入ってきた瑞貴に驚いて声をかける。なんたって今の瑞貴は顔や体には湿布やら絆創膏やらがあり、同じサッカー部の豪炎寺も円堂も秋も面食らった。
「野生中との対戦のあと特訓でもしてたのか?」
「うん、まあ、そんなとこ」
席に着く瑞貴を豪炎寺が声をかける。瑞貴は曖昧に返した。
「なんだよ! 特訓なら俺もやりたかったのに!」
「違うだろ」
話をズラした円堂に風丸がツッコむ。いいコンビだなぁ、と瑞貴はしみじみ思った。
このあと、瑞貴たちのクラスに遊びに来た松野や半田や染岡や、移動教室で出会った影野や目金が同じく驚いたのは言うまでもない。
――それから放課後にサッカー部員とも会い、みんなで部室に行くことにした。ちなみに一年組は朝の円堂たちのように瑞貴を見て驚いた顔をしていた。
「瑞貴先輩……大丈夫でヤンスか?」
「ありがと鉄平、大丈夫だよ」
「ケンカでもしたんですか?」
「佐吉、大会中にケンカするわけないでしょ。私はよほどのことがない限りしないから」
(((((あったらするのか!?)))))
部員一同の考えは一緒だった。
話しながら歩いて行くといつの間にか部室に着き、円堂が扉を開く。中には秋と春奈の他になんと夏未がいた。
「えっ!? お前…なんでここに……?」
「今日から私、雷門夏未はサッカー部のマネージャーになりましたので、よろしく」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
衝撃の事実にサッカー部員は驚きの声を上げたが、一人だけ違った。
「わーい! これで夏未ちゃんと部活でも一緒に過ごせるね。よろしく!」
「こちらこそ」
夏未の友達である瑞貴は喜びの声を上げて夏未と握手を交わしていた。夏未も嬉しそうで、普段は見られない優しい表情をしていた。その顔に選手とマネージャー全員唖然としていた。
☆副キャプテン 今日の格言☆
失敗することを前提にして考えるんじゃなく、成功するように考えてみて!
以上!!
(やっぱり……代わりのGKがいないから守に負担をかけてしまう)
雷門中のGKは円堂ただ一人だ。だから万が一大きな怪我をしても代わりの選手は、きっとマトモにゴールを守ることはできない。
だったら、キーパーの経験もある自分がやろうと瑞貴は思った。だけど、練習しているところを誰かに見られたら円堂に伝わってきっと「気にしなくていい」と言う。
視線を前に向けると、家の前にシンがにこやかに笑って手を振っていた。
「シン……」
「今日の試合、スゴかったよ。おめでとう」
「あっ、うん、ありがとう」
瑞貴は少し顔をうつむかせながら返すとシンは微笑み、瑞貴の頭に手を置く。
「キーパーの練習をしたいんでしょう? 僕、誰にも見られない練習場を知ってるよ」
「えっ?」
その言葉に瑞貴は目を見開いた。シンが入った場所は……瑞貴の家だった。
「うちの庭じゃ、満足な練習ができないよ」
「まあまあ。付いて来て」
シンは何故か持ってる合鍵で家に入り、一階の地下室に向かった。
ここは両親が海外の資料や本を置いてある部屋だった。昔から瑞貴は本を読む好きだったし、なんの支障もなかったが、ここにいったい何があるというのだ。シンは部屋の隅に行くと急にしゃがみこんだ。
「ど、どうしたの?」
「まあ見ててよ」
棚の一番下で隅っこの本を二冊取り、奥に手を伸ばすとカチッという音が聞こえた。すると何にもなかった壁から扉が現れ、シンはその扉を迷いもせずに開ける。この行動に瑞貴は唖然とし、開いた口が塞がらないほどだった。
「さっ、入って」
「なんなのこれ! 人の家になんてモノを仕掛けてくれるの!」
「まあまあ」
かなりご立腹な瑞貴をシンは宥めて部屋に入らせて扉を閉める。扉が閉まったのと同時に、目の前にはサッカーコートやマシンや道具一式が置いてあった。
「こ、これは……」
「瑞貴専用の特訓場。さまざまな高度なマシンがあるから練習にはもってこいだし、実戦をやりたかったらコンピュータで映し出された映像の人が現れてシュート、ドリブル、ディフェンス、キーパーの練習ができる。必殺技を生みだすこともできるよ」
シンが設置されたパソコンに何かを入力すると、コートに豪炎寺が現れた。
「修也!?」
「の、偽者だけどね」
カゴからシンがサッカーボールを取り出し、豪炎寺にボールを投げると豪炎寺はそれを受け止め、ファイアトルネードを放ってゴールを決める。着地すると豪炎寺の映像は消えた。
「これは特殊な立体映像でね。瑞貴が今まで出会った選手が自動的に入力されて実際のように練習ができるんだ。選手の強さは自分で調整することもできるけど、本物が強くなればなるほど立体映像も強くなる」
瑞貴はここに入ってきたときとは打って変わって目を輝かせた。
「スゴい……スゴいよシン! これなら私もいろんなポジションの練習ができる!」
「でしょ? それにここは外とは別の空間にあるようなものだから、いくら大きな音を出しても部屋の外には聞こえないし、練習に夢中になっても訪問者が来たら知らせてくれるから大丈夫」
ここまでよくしてもらったことに瑞貴は驚きを隠せなかった。
「なんで……そこまでしてくれるの?」
「ん? トリップをすることは元の世界を捨てるという意味もあるから、その罪滅ぼしみたいなものだよ。――さっ、始めよ?」
「うん!」
瑞貴はキーパー用のグローブを手に嵌め、キーパー用の練習場に入って構える。
「さあ来い!」
☆☆☆☆☆
次の日――。
「おはよ~」
「おっ、瑞貴。おは……――どうしたんだ!? そんなにボロボロで!」
「ちょっとね……」
風丸が教室に入ってきた瑞貴に驚いて声をかける。なんたって今の瑞貴は顔や体には湿布やら絆創膏やらがあり、同じサッカー部の豪炎寺も円堂も秋も面食らった。
「野生中との対戦のあと特訓でもしてたのか?」
「うん、まあ、そんなとこ」
席に着く瑞貴を豪炎寺が声をかける。瑞貴は曖昧に返した。
「なんだよ! 特訓なら俺もやりたかったのに!」
「違うだろ」
話をズラした円堂に風丸がツッコむ。いいコンビだなぁ、と瑞貴はしみじみ思った。
このあと、瑞貴たちのクラスに遊びに来た松野や半田や染岡や、移動教室で出会った影野や目金が同じく驚いたのは言うまでもない。
――それから放課後にサッカー部員とも会い、みんなで部室に行くことにした。ちなみに一年組は朝の円堂たちのように瑞貴を見て驚いた顔をしていた。
「瑞貴先輩……大丈夫でヤンスか?」
「ありがと鉄平、大丈夫だよ」
「ケンカでもしたんですか?」
「佐吉、大会中にケンカするわけないでしょ。私はよほどのことがない限りしないから」
(((((あったらするのか!?)))))
部員一同の考えは一緒だった。
話しながら歩いて行くといつの間にか部室に着き、円堂が扉を開く。中には秋と春奈の他になんと夏未がいた。
「えっ!? お前…なんでここに……?」
「今日から私、雷門夏未はサッカー部のマネージャーになりましたので、よろしく」
「「「「「ええぇぇえええ!?」」」」」
衝撃の事実にサッカー部員は驚きの声を上げたが、一人だけ違った。
「わーい! これで夏未ちゃんと部活でも一緒に過ごせるね。よろしく!」
「こちらこそ」
夏未の友達である瑞貴は喜びの声を上げて夏未と握手を交わしていた。夏未も嬉しそうで、普段は見られない優しい表情をしていた。その顔に選手とマネージャー全員唖然としていた。
☆副キャプテン 今日の格言☆
失敗することを前提にして考えるんじゃなく、成功するように考えてみて!
以上!!