「そうか……これが……！」


やっと瑞貴たち雷門イレブンのサッカーを心から理解したヒロトは呟いた。


《ゴォ――ルッ!!　雷門逆転！　勝ち越しだ――っ!!》

「円堂くん……井上さん……みんな……！」


出会った頃とは比べ物にならない彼らの成長を見て、瞳子にとっても感慨深かった。

そして試合終了のホイッスルが鳴り響く。４対３で雷門の勝利。ついにエイリア学園を倒すことができた。


｢｢やった――っ!!｣｣

｢｢｢｢｢やった――っ!!｣｣｣｣｣


拳を高らかに上げる円堂と瑞貴を始め、雷門イレブンは集まって喜びの声を上げる。ベンチにいる者たちも嬉しそうに喜んでいた。

反対に勝つことができなかったジェネシスは落ち込んでいたが、雷門と一番関わりがあったヒロトはどこか納得して雷門イレブンを見る。


「これがサッカーなんだね。円堂くん、瑞貴ちゃん」

「勝ちたかった……。お父様の……お父様のために……！」

〈！〉


涙を一つ落としたウルビダは体を震わせて心の底から悔しがっていた。父として愛する吉良のために。それを見た吉良はハッと何かに気づいた。

するとヒロトは円堂と瑞貴の元へ歩み寄る。


「円堂くん。瑞貴ちゃん」

｢｢ヒロト……｣｣

「――仲間って、スゴいんだね」


晴れやかな笑顔でそう言ったヒロトに、円堂と瑞貴は一度顔を見合わせると嬉しそうに笑う。


「そうさ！」

「ヒロトにも、そのことがわかってもらえて嬉しいよ！」


握手を交わす円堂とヒロト、そして瑞貴も二人の手の上に自分の手を置く。ヒロトもまた、雷門とサッカーをしてわかり合うことができた。


「ヒロト」

「姉さんが伝えたかったこと、これだったんだね。姉さん」

「ヒロト……」


瞳子ともわかり合えたかと思いきや、今まで建物にいた吉良がこの場に現れた。自分の野望のために強くしたジェネシスのサッカーも敗れたせいか戦意喪失している。


「ヒロト……お前たちを苦しめてすまなかった……」

「父さん……」

「瞳子……私はあのエイリア石に取り憑かれていた……。お前の……いや、お前たちのチームのおかげでようやくわかった……」

「父さん……！」

「そう――ジェネシス計画そのものが間違っていたのだ」

「！」


吉良のその言葉に一番衝撃を与えたのは――ウルビダだった。


「ふざけるな！　これほど愛し尽くしてきた私たちを、よりによってあなたが否定するな――っ!!」

｢｢｢｢｢!?｣｣｣｣｣


自分たちを否定した吉良に向かって、ウルビダが怒りを込めてシュートを撃った。










☆副キャプテン　今日の格言☆



私たちの本当の力の源は、仲間と一緒にいるからだよ



以上!!