これがイナズマ落としだ!
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「兄ちゃーん! 応援に来たよー!あれが俺の兄ちゃんだ!」
「おー。強そうだなー」
「あの帝国に勝ったー!」
「お前の兄ちゃんスゴいんだなー!」
「オウッ! 兄ちゃんがんばれー!」
指差して友達に自分の兄を教えるサクと便乗する青年と友達の言葉で壁山はますます青ざめていた。
「お、俺…トイレ行ってくるっス!」
「もうすぐ試合が始まるって!」
トイレに行こうとする壁山を円堂と染岡と半田と松野が制した。
「大丈夫かなぁ壁山くん……。ねぇ瑞貴ちゃ……瑞貴ちゃん?」
秋がそう言って瑞貴を振り向くが、瑞貴はいなかった。キョロキョロと辺りを見回してみると、瑞貴はサクたちと一緒にいた青年を全速力で少し離れた場所まで引っ張っていた。
「なんであんたがここにいるの!」
「いや~せっかくだから瑞貴の晴れ舞台を間近で見ておこうと思って」
「あんた神様でしょ! 神様だって仕事くらいあるだろうが!」
「トリップした者を見守るのも、神様の仕事だよ」
そう――サクたちと一緒にいた青年は瑞貴をトリップさせた張本人の謎の神・シンだった。
会話は聞こえていないが瑞貴が一方的に怒鳴って流すシン、二人の様子に雷門中サッカー部は呆気に取られていた。
「……あの人、誰だ?」
「さあ? 瑞貴の兄さん?」
「瑞貴に兄なんていないわよ」
円堂と風丸も夏未も何が何やらわからなかった。
話がついたのか戻って来たのは溜息をつく瑞貴と陽気に両手を後頭部に当てるシン。シンは瑞貴と一緒に雷門中のベンチまで来た。
「君たちが雷門中サッカー部か。初めまして僕は神崎シン。よろしくね!」
「「「「「よ、よろしく……」」」」」
ニコッと笑うシンに雷門中サッカー部はとりあえず挨拶をする。すると春奈が勢いよく瑞貴に抱きついてシンを睨む。
「まさか瑞貴先輩の恋人ですか!?」
「「「「「えっ!?」」」」」
先ほどとは違って驚いた顔をする雷門中サッカー部。特に円堂と風丸と豪炎寺と半田と松野には効果は絶大だった。しかし瑞貴は春奈を宥めながら手を振る。
「全然違うから。お世話になってるだけ」
「うん。僕にとって妹みたいな存在だからね」
瑞貴とシンの言葉に、春奈を始めとした者がホッとした。
――なんだかんだで試合が始まるので、スターティングメンバーは全員ポジションに着いた。
《いよいよフットボールフロンティア地区予選一回戦! 雷門中学対野生中学の試合が始まります!》
帝国学園と尾刈斗学園と同じように角馬圭太がベンチのそばで実況してくれる、が――。
「どうか…イナズマ落としをやらなくてすみますように……」
(おいおい……)
試合に勝てるように、とならまだしも必殺技を使わなくてすむようにと祈る壁山に瑞貴はコメカミが痛くなってきた。
ホイッスルが鳴って試合開始。最初は雷門中のボールでキックオフだ。
「アァ――アァ――ッ!!」
「ターザン先生がこの試合に勝ったらおやつ食べ放題だってさ! みんなーやるコケー!」
野生中の監督・他山幸助が叫び、鶏井の掛け声で他の野生イレブンは動物の鳴き声を上げている。もはや半分人間で半分動物のような感じだ。
《ハイウェイとなるこのジャングルのようなフィールドで雷門中はどう戦うのでしょうか!》
風丸が大鷲のディフェンスをかわし、染岡にパスを送る。
「野生中の実力、見せてもらうか! 豪炎寺!」
染岡はゴール前に向かって高くボールを蹴り上げ、豪炎寺が反応する。豪炎寺はファイアトルネードの体勢になる。
しかし、それを撃たせまいと鶏井が豪炎寺より高く飛んだ。
《野生中キャプテン! 鶏井も飛んだー! 高い! なんというジャンプ力!!》
豪炎寺より高く飛んだ鶏井はボールを奪い、着地する。
「高さじゃ負けないコケ!」
鶏井はボールを高く蹴り上げ、水前寺にパスを送る。
半田がボールを奪おうと並ぶが、水前寺は足の速度を速め、あっという間に半田を抜かしてしまった。
《でたー! 水前寺の高速ドリブル! まさに野生のチーターを思わせる速さだ!!》
スライディングしてきた少林寺、チャージをかける風丸でさえも水前寺はあっさりと抜かして行く。この速さはなかなか追いつけない。
壁山がディフェンスに入ろうとし、円堂も構える。
「来い!」
水前寺がシュートすると思いきや、高く蹴り上げる。それは大鷲へのパスだった。
「センタリングでヤンスか!」
栗松も負けじと飛ぶが、それより大鷲の方が高く飛んだ。
「コンドルダイブ!」
「止める!」
大鷲の必殺ヘディングシュートがゴールに迫る。でも円堂も反応してて構えるが寸前で五利が現れた。
「ターザンキック!」
五利のシュートチェインで逆エリアへゴールに向かう。これは反応するのは難しい。
「させるか! 熱血パンチ!」
円堂の熱血パンチでゴールをなんとか守った。そして跳ね返ったボールは風丸の足元へ渡る。
《円堂、熱血パンチでかろうじて防いだ! しかし恐るべき野生中の攻進撃! 雷門中、誰一人ついていけない!!》
あれだけ特訓したが雷門中と野生中の実力の差は大きい。これがフットボールフロンティアに出場するチームの実力なのだ。瑞貴も改めて実感する。
(生半可じゃ勝てない! 私もがんばらないと!)
《再び雷門中の攻撃だー!》
風丸が送ったパスは豪炎寺に渡り、豪炎寺も攻撃しようと思ったが、鶏井と魚住拓人と蛙田が豪炎寺の周りを囲む。これでは豪炎寺も攻撃できない。その隙がない連携に豪炎寺は焦る。
「豪炎寺!」
走り出した染岡に豪炎寺がボールを渡す。空中戦がダメなら地上戦、というところだろう。
染岡はドラゴンクラッシュを撃とうとするが、獅子王吼の地獄車でタックルする。染岡はそのまま吹き飛ばされてしまった。
《獅子王ボールごと染岡を吹き飛ばしたー! なんというパワーだ!!》
「竜吾!」
「染岡!」
煙が晴れるころ、木の壁に激突した染岡は足を押さえていた。
「おー。強そうだなー」
「あの帝国に勝ったー!」
「お前の兄ちゃんスゴいんだなー!」
「オウッ! 兄ちゃんがんばれー!」
指差して友達に自分の兄を教えるサクと便乗する青年と友達の言葉で壁山はますます青ざめていた。
「お、俺…トイレ行ってくるっス!」
「もうすぐ試合が始まるって!」
トイレに行こうとする壁山を円堂と染岡と半田と松野が制した。
「大丈夫かなぁ壁山くん……。ねぇ瑞貴ちゃ……瑞貴ちゃん?」
秋がそう言って瑞貴を振り向くが、瑞貴はいなかった。キョロキョロと辺りを見回してみると、瑞貴はサクたちと一緒にいた青年を全速力で少し離れた場所まで引っ張っていた。
「なんであんたがここにいるの!」
「いや~せっかくだから瑞貴の晴れ舞台を間近で見ておこうと思って」
「あんた神様でしょ! 神様だって仕事くらいあるだろうが!」
「トリップした者を見守るのも、神様の仕事だよ」
そう――サクたちと一緒にいた青年は瑞貴をトリップさせた張本人の謎の神・シンだった。
会話は聞こえていないが瑞貴が一方的に怒鳴って流すシン、二人の様子に雷門中サッカー部は呆気に取られていた。
「……あの人、誰だ?」
「さあ? 瑞貴の兄さん?」
「瑞貴に兄なんていないわよ」
円堂と風丸も夏未も何が何やらわからなかった。
話がついたのか戻って来たのは溜息をつく瑞貴と陽気に両手を後頭部に当てるシン。シンは瑞貴と一緒に雷門中のベンチまで来た。
「君たちが雷門中サッカー部か。初めまして僕は神崎シン。よろしくね!」
「「「「「よ、よろしく……」」」」」
ニコッと笑うシンに雷門中サッカー部はとりあえず挨拶をする。すると春奈が勢いよく瑞貴に抱きついてシンを睨む。
「まさか瑞貴先輩の恋人ですか!?」
「「「「「えっ!?」」」」」
先ほどとは違って驚いた顔をする雷門中サッカー部。特に円堂と風丸と豪炎寺と半田と松野には効果は絶大だった。しかし瑞貴は春奈を宥めながら手を振る。
「全然違うから。お世話になってるだけ」
「うん。僕にとって妹みたいな存在だからね」
瑞貴とシンの言葉に、春奈を始めとした者がホッとした。
――なんだかんだで試合が始まるので、スターティングメンバーは全員ポジションに着いた。
《いよいよフットボールフロンティア地区予選一回戦! 雷門中学対野生中学の試合が始まります!》
帝国学園と尾刈斗学園と同じように角馬圭太がベンチのそばで実況してくれる、が――。
「どうか…イナズマ落としをやらなくてすみますように……」
(おいおい……)
試合に勝てるように、とならまだしも必殺技を使わなくてすむようにと祈る壁山に瑞貴はコメカミが痛くなってきた。
ホイッスルが鳴って試合開始。最初は雷門中のボールでキックオフだ。
「アァ――アァ――ッ!!」
「ターザン先生がこの試合に勝ったらおやつ食べ放題だってさ! みんなーやるコケー!」
野生中の監督・他山幸助が叫び、鶏井の掛け声で他の野生イレブンは動物の鳴き声を上げている。もはや半分人間で半分動物のような感じだ。
《ハイウェイとなるこのジャングルのようなフィールドで雷門中はどう戦うのでしょうか!》
風丸が大鷲のディフェンスをかわし、染岡にパスを送る。
「野生中の実力、見せてもらうか! 豪炎寺!」
染岡はゴール前に向かって高くボールを蹴り上げ、豪炎寺が反応する。豪炎寺はファイアトルネードの体勢になる。
しかし、それを撃たせまいと鶏井が豪炎寺より高く飛んだ。
《野生中キャプテン! 鶏井も飛んだー! 高い! なんというジャンプ力!!》
豪炎寺より高く飛んだ鶏井はボールを奪い、着地する。
「高さじゃ負けないコケ!」
鶏井はボールを高く蹴り上げ、水前寺にパスを送る。
半田がボールを奪おうと並ぶが、水前寺は足の速度を速め、あっという間に半田を抜かしてしまった。
《でたー! 水前寺の高速ドリブル! まさに野生のチーターを思わせる速さだ!!》
スライディングしてきた少林寺、チャージをかける風丸でさえも水前寺はあっさりと抜かして行く。この速さはなかなか追いつけない。
壁山がディフェンスに入ろうとし、円堂も構える。
「来い!」
水前寺がシュートすると思いきや、高く蹴り上げる。それは大鷲へのパスだった。
「センタリングでヤンスか!」
栗松も負けじと飛ぶが、それより大鷲の方が高く飛んだ。
「コンドルダイブ!」
「止める!」
大鷲の必殺ヘディングシュートがゴールに迫る。でも円堂も反応してて構えるが寸前で五利が現れた。
「ターザンキック!」
五利のシュートチェインで逆エリアへゴールに向かう。これは反応するのは難しい。
「させるか! 熱血パンチ!」
円堂の熱血パンチでゴールをなんとか守った。そして跳ね返ったボールは風丸の足元へ渡る。
《円堂、熱血パンチでかろうじて防いだ! しかし恐るべき野生中の攻進撃! 雷門中、誰一人ついていけない!!》
あれだけ特訓したが雷門中と野生中の実力の差は大きい。これがフットボールフロンティアに出場するチームの実力なのだ。瑞貴も改めて実感する。
(生半可じゃ勝てない! 私もがんばらないと!)
《再び雷門中の攻撃だー!》
風丸が送ったパスは豪炎寺に渡り、豪炎寺も攻撃しようと思ったが、鶏井と魚住拓人と蛙田が豪炎寺の周りを囲む。これでは豪炎寺も攻撃できない。その隙がない連携に豪炎寺は焦る。
「豪炎寺!」
走り出した染岡に豪炎寺がボールを渡す。空中戦がダメなら地上戦、というところだろう。
染岡はドラゴンクラッシュを撃とうとするが、獅子王吼の地獄車でタックルする。染岡はそのまま吹き飛ばされてしまった。
《獅子王ボールごと染岡を吹き飛ばしたー! なんというパワーだ!!》
「竜吾!」
「染岡!」
煙が晴れるころ、木の壁に激突した染岡は足を押さえていた。