雷門イレブンはとうとうエイリア学園の本拠地である吉良財閥の兵器研究施設に辿り着いた。そこで待っていたのは、吉良瞳子の父であるエイリア学園の創立者・吉良星二郎、そして基山ヒロトがグランとして率いるザ・ジェネシスだった。

井上瑞貴や円堂守たち雷門イレブンは、ジェネシスの挑戦である最終決戦に臨む。

だが、瑞貴と豪炎寺修也と浦部リカの必殺シュートは止められ、ヒロトが流星ブレードで先制点を取るという最悪のスタートとなってしまう。


「なんて奴らだ……。本当に俺たちと同じ人間なのか？」


一之瀬一哉はヒロトたちジェネシスの圧倒的な攻撃に驚くばかりだ。

人間を強化するエイリア石、それを政府に売り込もうとしている吉良、吉良の計画を実現するためエイリア石の力で強くなったヒロト。円堂は一つ目を閉じると叫ぶ。


「ヒロト！　お前たちのサッカーは間違ってる！　本当の力は、努力して身につけるものなんだ！」

「……果たしてそうかな？　我らジェネシスこそ最強なのだ」


ヒロトは円堂を一瞥(ｲﾁﾍﾞﾂ)するとポジションに戻っていく。円堂の隣に瑞貴が駆け寄って来た。


「ここまで来たら、プレーで伝えるしかない」

「うん。私たちのサッカーで、この計画も間違っているということを証明しよう」


だけど誰しも二人のように前を見据えているわけではない。


「ムゲン・ザ・ハンドが破られた……。パワーアップしたはずなのに……!?」

「あんな奴らに勝てるわけないっス……」

「そうだよ……パワーが違いすぎる……」


立向居勇気と壁山塀吾郎と木暮夕弥を始め、財前塔子もリカも顔をうつむけていくことに鬼道有人は気づいた。


「マズい……。究極奥義が破られ、みんな動揺している……」

「――顔を上げなさい！」


そんなみんなに声がかかった。その主は瞳子である。響木正剛たちベンチいる者も、ピッチにいるみんなも瞳子に顔を向ける。


「今日までの特訓を思い出して！　あなたたちは強くなっている。あきらめず、立ち止まらず、一歩一歩積み重なってここまで来た。自分を信じなさい！　そうすればあなたたちは勝てる。私は――信じているわ！」

「瞳子監督……」


今まで瞳子は試合中に声をかけなかった。だけど今、この状況をなんとかするため、立ち止まろうとしていた雷門イレブンのために告げたのだ。


「そうだ……最初はジェミニストームにも全然敵わなかった……」

「でも今は、最強のジェネシスと戦えるまでになった……。俺たちは強くなっているんだ！」


ベンチにいる土門飛鳥とピッチにいる一之瀬が頷き合うと、壁山や木暮も力強く頷き、リカは塔子に笑顔でＶサインを送っている。瞳子が雰囲気を変えたのだ。