円堂が様子を見るために少し顔を出そうとしたが、すかさずボールが来たので慌てて引っ込めた。


「どうするっスか？　これじゃ進めないっス」

「――みんな、力を貸してくれ」


鬼道がみんなに作戦を伝える。


「よっしゃ！　いくぜ瑞貴！」

「ＯＫ！」

〈ハ・イ・ジョ〉


綱海と瑞貴が飛び出て走り出す。姿を確認したロボットがボールを蹴ると、二人は持ち前の身のこなしでかわす。その隙に土門と円堂、鬼道と木暮夕弥が続けて出る。


〈ハ・イ・ジョ、ハ・イ・ジョ〉


続けて蹴られる二つのボール。一つを鬼道と土門が同時に蹴り返し、残ったボールは木暮と円堂の元へ向かう。


「旋風陣！」


木暮の必殺技でボールはカットした。


「キャプテン！」

「オウッ！　豪炎寺！」

「オウッ！」


木暮がボールを上げると円堂が豪炎寺修也にパスをし、シュートで一気に全てのロボットを倒す。ロボットはショートして動かなくなった。


｢｢やったぜ！｣｣


作戦成功と言わんばかりに瑞貴と円堂は拳を握って喜ぶ。

雷門イレブンはそのまま通路を歩いていくと、急に停電になった。壁山も「なんか不気味っス……」と言うと、横にある扉が急に開き、そこだけ電気が点いた。まるで導いているように。

瞳子もこの先は安全だと言ったので進む雷門イレブン。とある暗い部屋に全員が入ったのと同時に扉は閉まり、空中に浮かぶ光の粒が集まると初老の男性の姿が浮かび上がった。


「お父さん！」

「この人が……」

「瞳子監督の父親……」


瞳子の呟きに円堂と瑞貴は反応して警戒する。相手はホログラムだが何が起こるかわからない。


〈日本首脳陣の皆様、お待たせしました。只今より我が国が強大な国家として世界に君臨するために、プレゼンテーションを始めさせていただきます〉


吉良星二郎が消え、次に現れたのは数々の破壊された学校の映像が現れた。そこにはレーゼが率いるジェミニストームが映っている。


〈もう皆様はエイリア学園をご存知。ご覧の通りその力は絶大です〉


確かに最初は日本一になった雷門中サッカー部も太刀打ちできなかった。同じ全国大会出場の木戸川清州も敵わず、土門と一之瀬の友達も負傷した。それを思い出した二人は歯を食いしばる。

映像が消えると再び吉良が姿を現す。


〈さて、今日は謎に包まれたエイリア学園の衝撃な真実をお話しいたしましょう〉

「真実……？」

〈自らを星の使徒と名乗る彼らでありますが、その正体は――宇宙人ではないのです〉

｢｢｢｢｢えぇっ!?｣｣｣｣｣


今まで戦ってきたジェミニストーム、イプシロン、カオス、ジェネシスも全て宇宙人だと思っていた。だが違うということに雷門イレブンは驚きを隠せない。最初から知っていた瑞貴や瞳子や、調べてわかっていただろう響木を除いて。

すると今度は部屋全体にホログラムが映し出された。