これがイナズマ落としだ!
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ボールを奪ったりシュートをしたりカットをしたりドリブルしたり、瑞貴も土門と効率の良いディフェンスのやり方を何回もやってコツを教わっている。
「瑞貴ちゃんDFの経験もあるから上手だね。これなら必殺技も出るかも」
「ホント? そうなるようにがんばる!」
土門が褒めると瑞貴は嬉しくなってさらにがんばろうと張り切っていた。
「じゃあ俺がドリブルするからボールを取ってみて」
「うん!」
土門がドリブルをし、瑞貴は前に立ってボールを奪おうとすると、瑞貴の周りからオーラが輝いて現れた。それを受けた土門は弾き飛ばされ、うしろに倒れてしまう。
「わー! 飛鳥、大丈夫!?」
「イテテ……なんとか。でも瑞貴ちゃんスゴいよ! 今の必殺技じゃん!?」
「ディフェンスの必殺技……よし! 完成させるために、もう少し付き合って!」
「OK!」
瑞貴と土門は再び練習を開始する。
「たかがボール蹴りに瑞貴もどうしてそこまで熱中できるのかしら。……バカね」
彼女の目に一番留まったのは友人の瑞貴と――キャプテンの円堂だ。
「よし、少し休もう。ムリして試合に出られなかったら元も子もないからね」
「うん!」
土門の合図で休憩に入るがだうぶ感覚がつかめてきた。瑞貴は壁山と豪炎寺と円堂の元へ向かうが、未だにイナズマ落としは成功できないようだ。
「どう?」
「それが、どうしても下を見てしまうようなんだ」
「もう一度だ」
「ムリっス!」
豪炎寺が促すが壁山は地面にうずくまっていた。彼を励まそうと円堂と瑞貴は声を上げる。
「あきらめるな! できないって悩むより、どうしたらできるようになるかを考えるんだ!」
「そうだよ! 失敗することを前提にして考えるんじゃなく、成功するように考えてみて!」
「どうしたら……成功するように……」
二人の言葉を反復して涙目の壁山が思い浮かべたのは、飛んだときの地上の光景だ。それを思い出して体を震わせると頭を抱えてさらにうずくまる。
「どうしたってできるわけないっス~!」
「「「ハァ……」」」
弱気の壁山に三人は深い溜息を吐いた。
――練習終了後、瑞貴は河川敷のグラウンドで自主練をしていた。今日起こった必殺技の欠片を完全にモノにするためだ。
「フゥ……。なかなかうまくいかない……」
ディフェンスの必殺技を身に付けたいが、やはり一人でやるには限界があるようだ。
「よっ、瑞貴ちゃん」
「飛鳥!?」
声をかけられたので振り向くと、そこにはジャージ姿の土門がいた。帰る姿を見届けたはずの彼がここにいることに、瑞貴は驚きを隠せない。
「ど、どうしてここに?」
「瑞貴ちゃんなら、きっと今日の必殺技を完成させようとするって思ってさ。俺も最後まで協力するよ」
「っ! ありがとう……!」
協力してくれる仲間の存在に、瑞貴は心から嬉しかった。
☆☆☆☆☆
そして次の日、とうとうフットボールフロンティア地区予選第一回戦が始まった。
雷門中サッカー部は試合会場となる野生中にやってきたのだが……。
「ここが……野生中? こんなジャングルの中にあったんだ……」
「みたいだね……」
円堂に続いて瑞貴も言葉を漏らす。周りに木々が生い茂って鳥やら動物やらたくさんいるし滝やら吊り橋やらがある自然しかないジャングルだった。
瑞貴はあまりの迫力に唖然としていが、自分のそばに小鳥が寄ってきたので微笑む。
「コケ、コケ!」
突然聞こえてきた声に振り向くと、夏未が乗ってきた車に人が群がっていた。
「これが車コケ? 初めて見たコケ!」
「タイヤが四つもついてるチータ」
「スッゲー! 中は機械でいっぱいだゴリ」
「な、なんなの?」
鶏井亮太や水前寺馳威太や五利慎吾を始め、物珍しく車に集まっている彼らに夏未は呆然としていると、手帳を開いた春奈が彼らを指差す。
「あ、あの人たちですよ! 野生中のサッカー部!」
「こ…こんなのに負けられるかよ……」
予想以上の野生児に思わずそう呟いた染岡だった。
雷門中サッカー部はウォーミングアップをして試合に備える。グラウンドの周りにはたくさんの観客が集まっていた。
「観客がいっぱいだ! 本当にフットボールフロンティアが始まるんだな! 燃えてきた!」
帝国戦や尾刈斗戦とは比べ物にはならないので、円堂のやる気はヒートアップしていた。
「応援に来てくれた人のためにもがんばろうぜ!」
「って、全部野生中の応援だろ」
「ズルッ」
風丸がそうツッコミを入れると円堂は滑った。
「俺たち弱小サッカー部の応援なんかいるわけ――」
「いるんだよ! ほら!」
染岡の言葉を否定して指差す円堂。壁山の弟と友達だな、と思いながら瑞貴は微笑みながら振り返り――石化した。
「さっ、みんな! 雷門中を応援するぞ!」
「「「はい! 雷門中ーがんばれー!」」」
「サ、サク!?」
青年が弟の壁山サクとその友達にヒーローショー並に言葉をかける。メガホンまで持ってきて応援しに来た弟の登場に青ざめてギョッとする壁山。しかし瑞貴は別のことにギョッとした。
「瑞貴ちゃんDFの経験もあるから上手だね。これなら必殺技も出るかも」
「ホント? そうなるようにがんばる!」
土門が褒めると瑞貴は嬉しくなってさらにがんばろうと張り切っていた。
「じゃあ俺がドリブルするからボールを取ってみて」
「うん!」
土門がドリブルをし、瑞貴は前に立ってボールを奪おうとすると、瑞貴の周りからオーラが輝いて現れた。それを受けた土門は弾き飛ばされ、うしろに倒れてしまう。
「わー! 飛鳥、大丈夫!?」
「イテテ……なんとか。でも瑞貴ちゃんスゴいよ! 今の必殺技じゃん!?」
「ディフェンスの必殺技……よし! 完成させるために、もう少し付き合って!」
「OK!」
瑞貴と土門は再び練習を開始する。
「たかがボール蹴りに瑞貴もどうしてそこまで熱中できるのかしら。……バカね」
彼女の目に一番留まったのは友人の瑞貴と――キャプテンの円堂だ。
「よし、少し休もう。ムリして試合に出られなかったら元も子もないからね」
「うん!」
土門の合図で休憩に入るがだうぶ感覚がつかめてきた。瑞貴は壁山と豪炎寺と円堂の元へ向かうが、未だにイナズマ落としは成功できないようだ。
「どう?」
「それが、どうしても下を見てしまうようなんだ」
「もう一度だ」
「ムリっス!」
豪炎寺が促すが壁山は地面にうずくまっていた。彼を励まそうと円堂と瑞貴は声を上げる。
「あきらめるな! できないって悩むより、どうしたらできるようになるかを考えるんだ!」
「そうだよ! 失敗することを前提にして考えるんじゃなく、成功するように考えてみて!」
「どうしたら……成功するように……」
二人の言葉を反復して涙目の壁山が思い浮かべたのは、飛んだときの地上の光景だ。それを思い出して体を震わせると頭を抱えてさらにうずくまる。
「どうしたってできるわけないっス~!」
「「「ハァ……」」」
弱気の壁山に三人は深い溜息を吐いた。
――練習終了後、瑞貴は河川敷のグラウンドで自主練をしていた。今日起こった必殺技の欠片を完全にモノにするためだ。
「フゥ……。なかなかうまくいかない……」
ディフェンスの必殺技を身に付けたいが、やはり一人でやるには限界があるようだ。
「よっ、瑞貴ちゃん」
「飛鳥!?」
声をかけられたので振り向くと、そこにはジャージ姿の土門がいた。帰る姿を見届けたはずの彼がここにいることに、瑞貴は驚きを隠せない。
「ど、どうしてここに?」
「瑞貴ちゃんなら、きっと今日の必殺技を完成させようとするって思ってさ。俺も最後まで協力するよ」
「っ! ありがとう……!」
協力してくれる仲間の存在に、瑞貴は心から嬉しかった。
☆☆☆☆☆
そして次の日、とうとうフットボールフロンティア地区予選第一回戦が始まった。
雷門中サッカー部は試合会場となる野生中にやってきたのだが……。
「ここが……野生中? こんなジャングルの中にあったんだ……」
「みたいだね……」
円堂に続いて瑞貴も言葉を漏らす。周りに木々が生い茂って鳥やら動物やらたくさんいるし滝やら吊り橋やらがある自然しかないジャングルだった。
瑞貴はあまりの迫力に唖然としていが、自分のそばに小鳥が寄ってきたので微笑む。
「コケ、コケ!」
突然聞こえてきた声に振り向くと、夏未が乗ってきた車に人が群がっていた。
「これが車コケ? 初めて見たコケ!」
「タイヤが四つもついてるチータ」
「スッゲー! 中は機械でいっぱいだゴリ」
「な、なんなの?」
鶏井亮太や水前寺馳威太や五利慎吾を始め、物珍しく車に集まっている彼らに夏未は呆然としていると、手帳を開いた春奈が彼らを指差す。
「あ、あの人たちですよ! 野生中のサッカー部!」
「こ…こんなのに負けられるかよ……」
予想以上の野生児に思わずそう呟いた染岡だった。
雷門中サッカー部はウォーミングアップをして試合に備える。グラウンドの周りにはたくさんの観客が集まっていた。
「観客がいっぱいだ! 本当にフットボールフロンティアが始まるんだな! 燃えてきた!」
帝国戦や尾刈斗戦とは比べ物にはならないので、円堂のやる気はヒートアップしていた。
「応援に来てくれた人のためにもがんばろうぜ!」
「って、全部野生中の応援だろ」
「ズルッ」
風丸がそうツッコミを入れると円堂は滑った。
「俺たち弱小サッカー部の応援なんかいるわけ――」
「いるんだよ! ほら!」
染岡の言葉を否定して指差す円堂。壁山の弟と友達だな、と思いながら瑞貴は微笑みながら振り返り――石化した。
「さっ、みんな! 雷門中を応援するぞ!」
「「「はい! 雷門中ーがんばれー!」」」
「サ、サク!?」
青年が弟の壁山サクとその友達にヒーローショー並に言葉をかける。メガホンまで持ってきて応援しに来た弟の登場に青ざめてギョッとする壁山。しかし瑞貴は別のことにギョッとした。