これがイナズマ落としだ!
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壁山はプカプカとラッコのように浮かび、瑞貴は咳をしながらも泳いで上がろうとすると、円堂が手を差し出してくれた。
「大丈夫か?」
「うん……ありがとう……」
「「「「「!」」」」」
「?」
その行動に甘えて手を取りプールから出ると、円堂や水泳部員の男子の顔が赤くなる。
なんだろうと思って瑞貴は全身を見ると、先ほどの水飛沫で濡れたのでユニフォームが肌に張り付き、体のラインがクッキリできたことがわかった。これはさすがに恥ずかしくなる。
「みぎゃ!」
「瑞貴ちゃん! これ!」
秋が大慌てでタオルを持って来てくれたので、瑞貴はそれで体を包む。
「ムリか……なら次だ!」
――着替えた方がいいと秋に言われたので瑞貴は水分を多く含んだ髪を縛ったままも嫌だったので下ろし、少しくしゃみをしながらも部室に足を運んで扉を開ける。
部室で作戦会議をしていた円堂と壁山と秋以外の部員は瑞貴の姿にギョッとした。
「おまっ、円堂たちと何やってたんだよ!」
「何って……塀吾郎の特訓」
「そうゆうんじゃなくて……」
染岡と半田が何を言いたいのかわからない瑞貴は首を傾げると、二人とも一斉に顔を反らした。
濡れたままで髪を下ろし、額に張り付いている濡れた髪をどかしている瑞貴はなんだか妖艶で大人っぽい。これには部員一同は赤面。春奈だけはこんな姿の瑞貴はレアだと言って写真を撮っていた。
「……貸せ」
豪炎寺は瑞貴からタオルを奪うとバサッと頭に被せる。豪炎寺の思いも寄らぬ行動に、春奈以外の部員は硬直していた。
「自分でやれるってば!」
「黙ってろ」
幼い頃以来髪を拭いてもらうのは久しぶり(ましてや男)だったので瑞貴は抵抗するが、豪炎寺はすっぽりと自分の胸に瑞貴を預けさせた。
ビシリ、と空気が固まり瑞貴は抵抗してもムダだと悟ったので大人しくしていると、豪炎寺は瑞貴に見えない位置で瑞貴に好意を寄せている風丸と半田と松野に『勝ち』を誇ったような顔をする。
(フッ)
(((この野郎……!)))
その表情に半田と松野は歯を食いしばるがこれはまだいい。風丸など般若が出てきそうなオーラだったので土門と染岡がそれを押さえ、目金と一年組は震え上がっていた。
――しばらくして円堂と秋と塀吾郎も帰ってくる。滑り台もジャングルジム(二段目)もダメだったらしい。ドラム缶を積んで壁山はそれに乗ると「怖い」とは言わなかった。
「……80センチ、クリアだね」
目金がメジャーで高さを確認する。とりあえずこれは成功したことで円堂も安心する。
「よしっ! 次は1メートルだ! 壁山、努力と根性と気合いだ! それがあればなんだって克服できる!」
「それなら、キャプテンの成績は学年トップのはずっス……」
「ウッ……」
痛い所を突かれた円堂は暗い顔をして肩を落とした。瑞貴は前の国語の小テストを思い出すが、あの成績は瑞貴も苦笑するしかないほどだった。
「野生中との試合には、イナズマ落としがなければ勝てないんだ。壁山、お前にかかってるんだぞ」
風丸は励ましのつもりで言ったのだが、それは逆効果だったようで緊張するまた壁山は震えていた。
「そんなこと言われても……」
「壁山だけに辛い思いはさせないって!」
「そうだよ。何かあったら私が代わりにやるからさ。修也もそこのところはわかってよね!」
「…………ああ」
ビシィッと瑞貴に気合いよく指を指された豪炎寺は渋りながらも頷いた。そもそも女子を踏み台にするのは男としては絶対に避けたいが、瑞貴ならやりかねないとも思った。
「キャプテン……瑞貴さん……」
「敵が強いなら、俺たちはもーっと強くなればいい!」
「ああ。俺たちも特訓して、一人一人がレベルアップするんだ」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
「俺、もう少しがんばってみるっス!」
ガラガラ――ガッシャンッ!
「「「「「…………」」」」」
風丸の言葉で元気よく声を上げるみんな。それにやる気を出してくれた壁山だが、崩れたドラム缶によって前途多難になりそうだ、と一同は思いながら肩を落とした。
☆☆☆☆☆
そうして河川敷で練習が始まった。染岡がシュートをして円堂がキャッチし、風丸は疾風ダッシュ、半田はジグザグスパークの練習をしている。
最初は瑞貴、円堂、染岡、豪炎寺しか持っていなかった必殺技も全員生み出していき、磨きがかかっていた。
「おーおー。みんな張り切ってるねぇ」
のんびりした口調でやってきたのは土門飛鳥だ。秋と春奈は彼の登場に振り向いた。
「あっ、土門くん。練習は?」
「どーせ入部したての俺には出番ないだろうよ。のんびりやっていくさ」
「土門くん……」
土門の呑気な言葉に苦笑する秋。
「――飛鳥」
そんな彼の肩にポンと叩かれ、土門は振り向くと……一気に青ざめた。何故なら笑顔だが目が笑っていない瑞貴がいたからだ。
「……入部したてだからっていつ出番が来るかわからないんですよ? いざというときに備えておくためにちゃんと練習しましょう。ねっ?」
「ハ、ハイ……」
瑞貴の口調は礼儀正しいがそれがさらに逆効果なので、土門は青くなりながらコクコクと頷く。すると瑞貴はパッといつもの笑顔に戻った。
「じゃあ私と一緒に練習しよ。FWの練習ばかりやってるとディフェンスが鈍っちゃって」
「そういえば瑞貴ちゃんはオールプレーヤーだったね。いいよ」
「ありがとう」
土門と瑞貴がグラウンドへ駆けて行くのを秋は微笑ましく見て、春奈は瑞貴を独り占めにしるのがズルいと思っていた。
そんな彼女たちの様子を夏未は橋の上で車の中から見ていた。
「大丈夫か?」
「うん……ありがとう……」
「「「「「!」」」」」
「?」
その行動に甘えて手を取りプールから出ると、円堂や水泳部員の男子の顔が赤くなる。
なんだろうと思って瑞貴は全身を見ると、先ほどの水飛沫で濡れたのでユニフォームが肌に張り付き、体のラインがクッキリできたことがわかった。これはさすがに恥ずかしくなる。
「みぎゃ!」
「瑞貴ちゃん! これ!」
秋が大慌てでタオルを持って来てくれたので、瑞貴はそれで体を包む。
「ムリか……なら次だ!」
――着替えた方がいいと秋に言われたので瑞貴は水分を多く含んだ髪を縛ったままも嫌だったので下ろし、少しくしゃみをしながらも部室に足を運んで扉を開ける。
部室で作戦会議をしていた円堂と壁山と秋以外の部員は瑞貴の姿にギョッとした。
「おまっ、円堂たちと何やってたんだよ!」
「何って……塀吾郎の特訓」
「そうゆうんじゃなくて……」
染岡と半田が何を言いたいのかわからない瑞貴は首を傾げると、二人とも一斉に顔を反らした。
濡れたままで髪を下ろし、額に張り付いている濡れた髪をどかしている瑞貴はなんだか妖艶で大人っぽい。これには部員一同は赤面。春奈だけはこんな姿の瑞貴はレアだと言って写真を撮っていた。
「……貸せ」
豪炎寺は瑞貴からタオルを奪うとバサッと頭に被せる。豪炎寺の思いも寄らぬ行動に、春奈以外の部員は硬直していた。
「自分でやれるってば!」
「黙ってろ」
幼い頃以来髪を拭いてもらうのは久しぶり(ましてや男)だったので瑞貴は抵抗するが、豪炎寺はすっぽりと自分の胸に瑞貴を預けさせた。
ビシリ、と空気が固まり瑞貴は抵抗してもムダだと悟ったので大人しくしていると、豪炎寺は瑞貴に見えない位置で瑞貴に好意を寄せている風丸と半田と松野に『勝ち』を誇ったような顔をする。
(フッ)
(((この野郎……!)))
その表情に半田と松野は歯を食いしばるがこれはまだいい。風丸など般若が出てきそうなオーラだったので土門と染岡がそれを押さえ、目金と一年組は震え上がっていた。
――しばらくして円堂と秋と塀吾郎も帰ってくる。滑り台もジャングルジム(二段目)もダメだったらしい。ドラム缶を積んで壁山はそれに乗ると「怖い」とは言わなかった。
「……80センチ、クリアだね」
目金がメジャーで高さを確認する。とりあえずこれは成功したことで円堂も安心する。
「よしっ! 次は1メートルだ! 壁山、努力と根性と気合いだ! それがあればなんだって克服できる!」
「それなら、キャプテンの成績は学年トップのはずっス……」
「ウッ……」
痛い所を突かれた円堂は暗い顔をして肩を落とした。瑞貴は前の国語の小テストを思い出すが、あの成績は瑞貴も苦笑するしかないほどだった。
「野生中との試合には、イナズマ落としがなければ勝てないんだ。壁山、お前にかかってるんだぞ」
風丸は励ましのつもりで言ったのだが、それは逆効果だったようで緊張するまた壁山は震えていた。
「そんなこと言われても……」
「壁山だけに辛い思いはさせないって!」
「そうだよ。何かあったら私が代わりにやるからさ。修也もそこのところはわかってよね!」
「…………ああ」
ビシィッと瑞貴に気合いよく指を指された豪炎寺は渋りながらも頷いた。そもそも女子を踏み台にするのは男としては絶対に避けたいが、瑞貴ならやりかねないとも思った。
「キャプテン……瑞貴さん……」
「敵が強いなら、俺たちはもーっと強くなればいい!」
「ああ。俺たちも特訓して、一人一人がレベルアップするんだ」
「「「「「オ――ッ!!」」」」」
「俺、もう少しがんばってみるっス!」
ガラガラ――ガッシャンッ!
「「「「「…………」」」」」
風丸の言葉で元気よく声を上げるみんな。それにやる気を出してくれた壁山だが、崩れたドラム缶によって前途多難になりそうだ、と一同は思いながら肩を落とした。
☆☆☆☆☆
そうして河川敷で練習が始まった。染岡がシュートをして円堂がキャッチし、風丸は疾風ダッシュ、半田はジグザグスパークの練習をしている。
最初は瑞貴、円堂、染岡、豪炎寺しか持っていなかった必殺技も全員生み出していき、磨きがかかっていた。
「おーおー。みんな張り切ってるねぇ」
のんびりした口調でやってきたのは土門飛鳥だ。秋と春奈は彼の登場に振り向いた。
「あっ、土門くん。練習は?」
「どーせ入部したての俺には出番ないだろうよ。のんびりやっていくさ」
「土門くん……」
土門の呑気な言葉に苦笑する秋。
「――飛鳥」
そんな彼の肩にポンと叩かれ、土門は振り向くと……一気に青ざめた。何故なら笑顔だが目が笑っていない瑞貴がいたからだ。
「……入部したてだからっていつ出番が来るかわからないんですよ? いざというときに備えておくためにちゃんと練習しましょう。ねっ?」
「ハ、ハイ……」
瑞貴の口調は礼儀正しいがそれがさらに逆効果なので、土門は青くなりながらコクコクと頷く。すると瑞貴はパッといつもの笑顔に戻った。
「じゃあ私と一緒に練習しよ。FWの練習ばかりやってるとディフェンスが鈍っちゃって」
「そういえば瑞貴ちゃんはオールプレーヤーだったね。いいよ」
「ありがとう」
土門と瑞貴がグラウンドへ駆けて行くのを秋は微笑ましく見て、春奈は瑞貴を独り占めにしるのがズルいと思っていた。
そんな彼女たちの様子を夏未は橋の上で車の中から見ていた。