これがイナズマ落としだ!
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間近に迫るフットボールフロンティア地区予選一回戦。その相手の野生中との試合に備えて、新必殺技・イナズマ落としを完成させようと豪炎寺修也と壁山塀吾郎を中心に特訓をしている。
鉄塔広場で結構高いところ鉄塔にテープをくくり、少林寺歩が判定をし豪炎寺はオーバーヘッドキックをしながら、壁山はそのままで飛んでいる。豪炎寺はフォームも着地も問題ないが、壁山は着地に失敗してばかり。円堂守も様子を見て、木野秋は判定結果を書いている。
かくいう井上瑞貴も、万が一のためにオーバーヘッドキックも踏み台もできるように特訓をしていた。
「たあっ!」
もともと跳飛力が高かった瑞貴は踏み台がなくても大丈夫だったので、空中でクルリとオーバーヘッドキックをすると、見事に着地できた。その途端に周りから大きな拍手が沸き起こる。
「きゃー! 瑞貴先輩カッコいいです!」
「スゴいでヤンス!」
「これで二人ともイナズマ落としができるな!」
音無春奈と栗松鉄平と半田真一が歓声の声を上げる。そばで見ていた染岡竜吾と風丸一郎太と松野空介と影野仁と宍戸佐吉と目金欠流も笑っていた。
「私は別に踏み台になってもいいんだけどな……」
「豪炎寺が女子を踏む真似ができる奴だと思うか?」
「ウッ」
風丸がそう言うと瑞貴は顔を引きつらせた。
豪炎寺は瑞貴に何かと気にかけてくれて、先生から渡された重い資料を運んでいたときも手伝ってくれたし、寝癖がついたときも気づいたら直してくれた。
妹の豪炎寺夕香の世話をしていたということもあるかもしれないが、瑞貴でもちゃんと女の子扱いをしてくれる。その彼が女子を踏み台にして飛ぶなどもってのほかだろう。想像できた瑞貴は深く溜息を吐く。
「私は全然平気なのに……」
「あきらめろ。俺が同じ立場だったら絶対ムリだ」
「瑞貴先輩を踏み台にするなど、私が絶対に許しません!」
ポンッと半田が肩を叩き、炎のオーラをまとっている春奈に瑞貴は苦笑した。
――それから高さには問題がないことを確認すると、実際にイナズマ落としをしてみることにした。
「二人共、準備はOK?」
「ああ」
「は…はい……」
瑞貴は壁山の様子に不審に思いながらも高くボールを蹴り上げる。豪炎寺と壁山はボールに向かって同時に飛び、豪炎寺が壁山に飛び乗ろうとしたとき、壁山が急に悲鳴を上げて落ちてきた。
豪炎寺もその反動で落ちてくるがなんとかオーバーヘッドで着地できた。
「壁山…お前……」
「どうした? 途中までうまくいってたのに」
豪炎寺が壁山の様子を見て、円堂も駆け寄るが壁山は震えている。瑞貴も額に手を当てながら三人に近寄った。
「……たぶん塀吾郎は高所恐怖症なんだと思う。そうでしょ?」
「はい……高い所…ダメなんス…怖いんス……」
「「「えぇっ?」」」
風丸と染岡と松野は素っ頓狂な声を上げた。
「そんなことは先に言いなよ……」
影野の言うことはごもっともだ。瑞貴もうんうんと頷いている。
「ビビって目を瞑るから、俺が肩に足をかけたときバランスを崩したんだろう」
「着地ができなかったのもそれが原因か……」
豪炎寺と円堂は壁山の様子で、なんで成功できなかったのかを知る。
「下を見ちゃうから怖くなるんじゃない? ずっと豪炎寺くんを見てたらどう?」
「はい……。やってみるっス」
「さっ、もう一度だ!」
秋の提案を入れてもう一度やってみる。再び瑞貴がボールを高く上げ、豪炎寺と壁山が飛び上がる。
「豪炎寺さんだけ! 豪炎寺さんだけ!」
そう呟きながら壁山は飛ぶが、すぐに下を見てまた最初と同じように落ちてきた。これには部員一同も呆れている。円堂も「壁山……」と言ってコメカミをかいて秋も額に手を押さえる。
「豪炎寺さんだけ見よう、見ようと思っても…つい下が気になって……」
ブルブルと体を震わせる壁山。みんなもどうしたらいいのか考える。
「これじゃ、いざとなったとき瑞貴に頼むしかないかもな……」
染岡がそう言って一斉に全員が瑞貴を見ると――。
「あらあら。こんな状態で次の試合大丈夫なのかしら?」
振り向くと木を背にして腕を組んでいる雷門夏未がいた。染岡など一部の者は顔を顰めるが、瑞貴だけは顔を綻ばせた。
「夏未ちゃん!」
「せっかく瑞貴に言われて秘伝書を見つけてあげたのに……この様子ではムダになりそうね」
「何!?」
染岡が突っかかろうとしたが円堂と瑞貴が片手で制した。
「誰に何を言われたって、豪炎寺と壁山はイナズマ落としを完成させるって俺は信じてる! そして、絶対に試合に勝つ!」
円堂が強い思いをうかがわせる声でいうと、夏未はチラリと瑞貴を見る。目が合ったことに気づいた瑞貴は笑って力強く頷いた。
「……そう。試合が楽しみね」
そう言い残した夏未は優雅に笑って去って行った。
「……キャプテン。信じてくれるのは嬉しいんスけど……」
「大丈夫だ! 高さを克服できるように特訓してやるから!」
「はい……」
円堂がそう言ってくれても壁山は浮かない顔のままだった。
――そうして始まった壁山の高所恐怖症を直す特訓。最初はプール場でやることになり、瑞貴は目隠しをした壁山をジャンプ台まで連行する。そして円堂とアイコンタクトを取りOKサインをだした。
「いいぞー。目隠しを取れ」
壁山が目隠しを取ると、下を広がるプールの高さに震え上がっていた。
「まずは初心者用の高さからだ!」
「塀吾郎ー。怖いと思っていたら怖くなる一方だよー」
しかし壁山は足がすくんでガクガクと震え上がり、瑞貴を揺さぶった。
「ここここ、怖いっスぅ!!」
「うわわ、ちょ、塀吾郎! 暴れないで……――みぎゃ!」
ザパ――ンッ!!
ツルッと壁山が足を滑らせ瑞貴と共にプールへダイブした。そばにいた円堂も落ちた衝撃でできた水しぶきで水がかかってしまった。
鉄塔広場で結構高いところ鉄塔にテープをくくり、少林寺歩が判定をし豪炎寺はオーバーヘッドキックをしながら、壁山はそのままで飛んでいる。豪炎寺はフォームも着地も問題ないが、壁山は着地に失敗してばかり。円堂守も様子を見て、木野秋は判定結果を書いている。
かくいう井上瑞貴も、万が一のためにオーバーヘッドキックも踏み台もできるように特訓をしていた。
「たあっ!」
もともと跳飛力が高かった瑞貴は踏み台がなくても大丈夫だったので、空中でクルリとオーバーヘッドキックをすると、見事に着地できた。その途端に周りから大きな拍手が沸き起こる。
「きゃー! 瑞貴先輩カッコいいです!」
「スゴいでヤンス!」
「これで二人ともイナズマ落としができるな!」
音無春奈と栗松鉄平と半田真一が歓声の声を上げる。そばで見ていた染岡竜吾と風丸一郎太と松野空介と影野仁と宍戸佐吉と目金欠流も笑っていた。
「私は別に踏み台になってもいいんだけどな……」
「豪炎寺が女子を踏む真似ができる奴だと思うか?」
「ウッ」
風丸がそう言うと瑞貴は顔を引きつらせた。
豪炎寺は瑞貴に何かと気にかけてくれて、先生から渡された重い資料を運んでいたときも手伝ってくれたし、寝癖がついたときも気づいたら直してくれた。
妹の豪炎寺夕香の世話をしていたということもあるかもしれないが、瑞貴でもちゃんと女の子扱いをしてくれる。その彼が女子を踏み台にして飛ぶなどもってのほかだろう。想像できた瑞貴は深く溜息を吐く。
「私は全然平気なのに……」
「あきらめろ。俺が同じ立場だったら絶対ムリだ」
「瑞貴先輩を踏み台にするなど、私が絶対に許しません!」
ポンッと半田が肩を叩き、炎のオーラをまとっている春奈に瑞貴は苦笑した。
――それから高さには問題がないことを確認すると、実際にイナズマ落としをしてみることにした。
「二人共、準備はOK?」
「ああ」
「は…はい……」
瑞貴は壁山の様子に不審に思いながらも高くボールを蹴り上げる。豪炎寺と壁山はボールに向かって同時に飛び、豪炎寺が壁山に飛び乗ろうとしたとき、壁山が急に悲鳴を上げて落ちてきた。
豪炎寺もその反動で落ちてくるがなんとかオーバーヘッドで着地できた。
「壁山…お前……」
「どうした? 途中までうまくいってたのに」
豪炎寺が壁山の様子を見て、円堂も駆け寄るが壁山は震えている。瑞貴も額に手を当てながら三人に近寄った。
「……たぶん塀吾郎は高所恐怖症なんだと思う。そうでしょ?」
「はい……高い所…ダメなんス…怖いんス……」
「「「えぇっ?」」」
風丸と染岡と松野は素っ頓狂な声を上げた。
「そんなことは先に言いなよ……」
影野の言うことはごもっともだ。瑞貴もうんうんと頷いている。
「ビビって目を瞑るから、俺が肩に足をかけたときバランスを崩したんだろう」
「着地ができなかったのもそれが原因か……」
豪炎寺と円堂は壁山の様子で、なんで成功できなかったのかを知る。
「下を見ちゃうから怖くなるんじゃない? ずっと豪炎寺くんを見てたらどう?」
「はい……。やってみるっス」
「さっ、もう一度だ!」
秋の提案を入れてもう一度やってみる。再び瑞貴がボールを高く上げ、豪炎寺と壁山が飛び上がる。
「豪炎寺さんだけ! 豪炎寺さんだけ!」
そう呟きながら壁山は飛ぶが、すぐに下を見てまた最初と同じように落ちてきた。これには部員一同も呆れている。円堂も「壁山……」と言ってコメカミをかいて秋も額に手を押さえる。
「豪炎寺さんだけ見よう、見ようと思っても…つい下が気になって……」
ブルブルと体を震わせる壁山。みんなもどうしたらいいのか考える。
「これじゃ、いざとなったとき瑞貴に頼むしかないかもな……」
染岡がそう言って一斉に全員が瑞貴を見ると――。
「あらあら。こんな状態で次の試合大丈夫なのかしら?」
振り向くと木を背にして腕を組んでいる雷門夏未がいた。染岡など一部の者は顔を顰めるが、瑞貴だけは顔を綻ばせた。
「夏未ちゃん!」
「せっかく瑞貴に言われて秘伝書を見つけてあげたのに……この様子ではムダになりそうね」
「何!?」
染岡が突っかかろうとしたが円堂と瑞貴が片手で制した。
「誰に何を言われたって、豪炎寺と壁山はイナズマ落としを完成させるって俺は信じてる! そして、絶対に試合に勝つ!」
円堂が強い思いをうかがわせる声でいうと、夏未はチラリと瑞貴を見る。目が合ったことに気づいた瑞貴は笑って力強く頷いた。
「……そう。試合が楽しみね」
そう言い残した夏未は優雅に笑って去って行った。
「……キャプテン。信じてくれるのは嬉しいんスけど……」
「大丈夫だ! 高さを克服できるように特訓してやるから!」
「はい……」
円堂がそう言ってくれても壁山は浮かない顔のままだった。
――そうして始まった壁山の高所恐怖症を直す特訓。最初はプール場でやることになり、瑞貴は目隠しをした壁山をジャンプ台まで連行する。そして円堂とアイコンタクトを取りOKサインをだした。
「いいぞー。目隠しを取れ」
壁山が目隠しを取ると、下を広がるプールの高さに震え上がっていた。
「まずは初心者用の高さからだ!」
「塀吾郎ー。怖いと思っていたら怖くなる一方だよー」
しかし壁山は足がすくんでガクガクと震え上がり、瑞貴を揺さぶった。
「ここここ、怖いっスぅ!!」
「うわわ、ちょ、塀吾郎! 暴れないで……――みぎゃ!」
ザパ――ンッ!!
ツルッと壁山が足を滑らせ瑞貴と共にプールへダイブした。そばにいた円堂も落ちた衝撃でできた水しぶきで水がかかってしまった。