「わかっているな。この試合、必ず勝つ」

「遠慮はいらねぇ。お前らの力を思い知らせてやれ」


ダイヤモンドダストはガゼルの、プロミネンスはバーンの言葉に顔つきが変わる。カオスもそれだけこの試合は大事なのだろう。

最初は雷門からのキックオフで試合開始。豪炎寺修也に渡されたボールを受け取り、アフロディがドリブルで上がっていく。


「豪炎寺！」

「一之瀬！」

「塔子！」

《攻め上がる雷門！　パスを繋いで一気に上がっていくー！》

「いけいけー！」


円堂も仲間に声援を送る。すると塔子の前にドロルが迫って来る。


「お前なんかに取られるかよ！」


しかしドロルのスライディングでボールは奪われてしまった。前回の試合はかわせたのに今度は奪われたので塔子は少なからずショックだった。


「瑞貴！」

「うん！」


鬼道の指示でドロルを止めようとした瑞貴だが、素早い動きでかわされてしまった。続く壁山もボールを上げてかわして一気に上がっていく。以前の試合から何日も経ってないのに、スピードが確実に上がっている。


「任せろ！」


迫る綱海をドロルは横に走っていたガゼルにパスしてかわした。


「今度こそ教えてあげよう。凍てつく闇の冷たさを！　ノーザンインパクト！」

「立向居！」


しかし立向居のムゲン・ザ・ハンドは完成していない。帝国の試合と違ってこの試合は失点するわけにはいかないのだ。


「マジン・ザ・ハンド！」


立向居の背後から青い魔神が現れて止めようとするも、触れただけで消されてしまいゴールを許してしまった。


「これぞ我らの真の力……」

「エイリア学園最強のチーム・カオスの実力だ！」


彼らはこの試合に全てを賭けている。雷門イレブンにとって苦しい戦いになるだろうと瞳子は感じた。