「じゃあ夕飯のときにな！」

「ＯＫ。みんなそろったね。こっちだよ」


瑞貴と一之瀬に追加メンバーは付いて行く。結構いるので少しばかり集団である。


「なあなあ、ハニーとダーリンの愛の巣ってどんなとこなん？」

「愛の巣って……」

「普通の家だよ。旅に出ている間の管理は、私が世話になっている人に頼んだの。夕飯の材料もお願いしたしね」

「瑞貴姉。それって、あの帽子を被った男の人？」

「そうだよ」


塔子と木暮と吹雪は知っているが、リカと立向居と綱海は頭に「？」を浮かべている。


「なあなあ、一体誰のこと言ってんだ？」

「たぶん、まだ家にいると思うから会えるよ。ほら見えた」


瑞貴が指差した先には、瑞貴と一之瀬にとって久しぶりの我が家があった。


「デッケーな」

「あたしたちにとっても久しぶりだね」

「うん」


綱海が瑞貴の家の大きさに感心し、塔子と吹雪と木暮は以前も泊まったことがあるので少しばかり懐かしい。

すると門が開くのが見えて中から人が出てきた。それを確認した瑞貴と一之瀬は駆け寄る。


「シン、ただいま！」

「お久しぶりです、シンさん！」

「瑞貴に一哉くん。お帰り」


瑞貴たちを暖かい笑顔で迎えた神崎シンに、再びリカたちは「？」を浮かべた。


「あの人誰や？　ハニーとダーリンとやけに親しいな」

「さっき瑞貴姉が言っていた人だよ」

「神崎シンさん。神崎グループの社長で、雷門のサポートもしてくれてるんだ」

「ウッ……なんか男の俺から見てもカッコいいな。だが負けないぜ！」

「大丈夫だよ。神崎さんは瑞貴ちゃんのこと妹みたいに思ってるから」

「お、俺もがんばらなきゃ……」


追加メンバーの話し声が聞こえて、シンもそちらを見た。


「財前さん、木暮くん、吹雪くん、久しぶりだね。それと話は聞いてるよ。浦部さんに立向居くんに綱海くんだね。僕は神崎シン。よろしく」

｢｢｢お久しぶりです｣｣｣

｢｢｢よ、よろしくお願いします｣｣｣


塔子たちも挨拶し、シンの爽やかな雰囲気にリカたちもつい姿勢を正して挨拶を返す。