彼の力強い言葉に鬼道有人と豪炎寺修也は何かを感じ取った。だけど決めるのはキャプテンの円堂なので、豪炎寺は『円堂』と呼びかける。


『本気なんだな？』

『ああ』

『――わかった。その目に嘘はない。瑞貴もいいだろ？』

『うん。歓迎するよ、アフロディ』


円堂とアフロディは握手を交わした。


『ありがとう、円堂くん、瑞貴』


円堂と瑞貴だけでもなく瞳子も了承したので、アフロディは雷門イレブンの一員となった。


「頼むぞー！　アフロディー！」

「がんばろうね！」


円堂と瑞貴の掛け声にアフロディは頷いたあと、すぐに顔を引き締めた。

リオーネのスローインで試合再開し、受けたバレンがドリブルで上がっていく。しかし土門がすかさず前に入った。


「ボルケイノカット！」


うまくカットした土門が上がり、その前線にはアフロディがいる。


「こっちだ！」

（本当に信用していいのか？）


土門が困惑する中、隙を突いてブロウがカットした。たとえ円堂と瑞貴が信じても、まだチームにはアフロディのことを信用していない者がいる。それを身に染みている者なら尚更だ。


《再びダイヤモンドダストの攻撃！》

「ザ・ウォール！」


壁山がうまくカットして上がっていく。


「壁山！　アフロディがフリーだ！」

「えっ!?　でも……」

「パスするんだ！」

「は、はいっス！」


鬼道の指示で壁山はアフロディにボールを送るが、ボールはアフロディに渡らずラインの外に出てしまった。

次にリオーネがドリブルで上がっていく。


「フレイムダンス！」


一之瀬がカットしてドリブルしながら前線を見ると、豪炎寺はゴッカとアイシーに、瑞貴はクララとバレンに、アフロディはアイキューにマークされていた。


「豪炎寺！」


一之瀬はマークの厳しい豪炎寺にパスした。まだアフロディのことを信じきれていなかった。

なんとかパスを受けた豪炎寺だが、ゴッカとアイシーのコンビネーションでボールを奪われてしまった。ダイヤモンドダストのカウンター攻撃が始まった。

ドリブルするガゼルの前に綱海条介が駆け出している。


「私を止められるのかな？」

「なめんな！」


ガゼルがボールを上げ綱海がそれを追おうとするが、さらにガゼルがヘディングでボールを下げてフェイントで綱海はかわされた。


「もらった！」


ノーマルシュートで角を狙ったガゼル。だが、円堂がガッチリ止めた。