秘伝書はどこだ!
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――サッカー部が来た場所は理事長室の前だった。
「あるのは、本当にここなんスかぁ?」
「ああ。雷雷軒のおじさんが理事長室の金庫の中だって」
壁山と風丸が会話をしている間に円堂が中を覗いて誰もいないことを確認する。
「行くぞ。サッと入れよ、サッと」
「「「「「オウッ」」」」」
円堂がサッと入るとそれに続いて他の部員もサッと入ったので、円堂を下敷きにして雪崩のように崩れ落ちた。ちなみに土門はあとから軽い足取りで入って来た。
「お、重い~!」
「「「「「シーッ!」」」」」
潰れた円堂が思わず叫ぶと土門以外の全員は人差し指を口に当てて黙らせる。
「よし、任せろ」
目当ての金庫を見つけると円堂が扉に耳を当て、ダイヤルを回すとカチッという音がした。開いたと思い扉を開けようとするが開かず、どんなに引っ張っても開かない。
さらに両足を扉に当てて引っ張るが逆に落ちてしまった。風丸と染岡は焦りながら駆け寄る。
「何が任せろだよ」
「早くしろよ。見つかったらどうすんだ」
「――とっくに見つかってるんだけど」
「――期待を裏切らないって、こういうことを言うんだね……」
声の方向に目をやると薄く笑う夏未と呆れたように額に手を当てる瑞貴がいた。
「あ、あの、これは、その」
「練習だよ!」
「そ、そう! 敵に見つからないようにする練習なんだ」
「……なんでサッカーにそんな練習が必要なの」
瑞貴がジトーと半目で見ると部員一同は背筋が冷えた。その様子に夏未と瑞貴はそろって溜息を吐く。二人は最初部室に行っていたが部員全員がいなかったため、まさかと思って理事長室に戻ったら案の定だった。
この様子に夏未と瑞貴はそろって溜息を吐く。
「あんたたちの探してるのって――これでしょ?」
夏未が見せたのは古びたノートだった。
「じいちゃんの秘伝書!」
円堂はすぐさま駆け寄って夏未の手から秘伝書を取り、中身を確認する。
「守、お礼」
「あっ、ありがとう!」
(((((母親か……)))))
そう思ったのは一人や二人ではないだろう。もともと瑞貴は姉のような母親のような雰囲気を漂わせているし、こういうときに真面目だから尚更だ。
「瑞貴から聞いたんだけど本当にあったとはね……」
「瑞貴が? どうして?」
半田が首を傾げると瑞貴はあっけからんと答えた。
「だって理事長室は夏未ちゃんと理事長の部屋だもん。勝手に金庫を開けたら泥棒と一緒じゃない」
「「「「「ウッ」」」」」
その泥棒のようなことをしていた部員一同は一斉に目を反らした。
「そういうこと。でも意味ないわよ」
「なんで?」
とりあえず秘伝書が見つかったことでサッカー部は駆け寄るが、夏未の言葉は風丸を筆頭に疑問を持つ。
「読めないもの」
「「「「「えぇ?」」」」」
部室に移動して全員秘伝書の中身を見る。しかし……。
「暗号で書かれているのか?」
「外国の文字っスかね?」
「――いや、おっそろしく汚い字なんだ」
染岡と壁山が予想したことを言うと、風丸は落雷が落ちるような衝撃のひと言を放つ。
秘伝書を見ている円堂、その隣から中を覗く瑞貴、椅子に座って腕と足を組む豪炎寺、詰まれたタイヤに座って傍観している土門以外のメンバーは沈んだ空気の中にいた。
「汚いんですか……」
「多分……」
「誰も読めないんじゃぁ……」
「それ使えねぇよ」
少林寺と風丸と壁山と染岡の順で落ち込みながら言う。せっかく苦労(?)して手に入れたのに読めないのでは意味がない。風丸と染岡はさすがにキレた。
「「円堂!!」」
「スッゲー! ゴッドハンドの極意だって!」
「あっ、この必殺技やってみたい!」
「「「「「読めるのかよ!?」」」」」
書いた本人以外誰一人読めないと思ったのに円堂と瑞貴はアッサリ読んでしまった。これには先程暗い空気の中にいた者は驚いた。
「だってじいちゃんの特訓ノート読んでるから。俺も最初、何書いてあるのかわかんなかったんだけどさ、少しずつ読めるようになったんだ」
そう言ってニヒッと笑う円堂。次にみんなが見たのは瑞貴だった。代表をして宍戸が訊く。
「瑞貴さんは?」
「確かに汚いけど読めないことはないよ」
「「「「「嘘つけ!」」」」」
「ホントだって。これ漢字と平仮名とカタカナと絵がゴチャゴチャに書いてあるから読みにくいんだと思う。だから少しずつ解読していくとわかるよ」
瑞貴は人差し指を立てて説明し、ニコッと笑った。
机に座って空中系の必殺技がないか秘伝書を見てみる円堂。その両隣で風丸と瑞貴も中を覗いてみた。瑞貴など知っている必殺技も書いてあることを目敏く捕らえている。
「うん、相手の高さに勝つにはこれだ。――イナズマ落とし」
「イナズマ落とし!」
「カッコいいっス!」
名前からして強そうだったので一年組と半田は感嘆の声を上げる。
「読むぞ。いいか?」
「「「「「……!」」」」」
円堂がそう言うと残りのメンバーは緊張した顔でいて、染岡と影野は少し前に体を傾ける。
「『一人がビョーンと飛ぶ。もう一人がその上でバーンとなってクルッとなってズバーン。これぞ、イナズマ落としの極意』――えっ?」
円堂本日二度目の目が点。
「あるのは、本当にここなんスかぁ?」
「ああ。雷雷軒のおじさんが理事長室の金庫の中だって」
壁山と風丸が会話をしている間に円堂が中を覗いて誰もいないことを確認する。
「行くぞ。サッと入れよ、サッと」
「「「「「オウッ」」」」」
円堂がサッと入るとそれに続いて他の部員もサッと入ったので、円堂を下敷きにして雪崩のように崩れ落ちた。ちなみに土門はあとから軽い足取りで入って来た。
「お、重い~!」
「「「「「シーッ!」」」」」
潰れた円堂が思わず叫ぶと土門以外の全員は人差し指を口に当てて黙らせる。
「よし、任せろ」
目当ての金庫を見つけると円堂が扉に耳を当て、ダイヤルを回すとカチッという音がした。開いたと思い扉を開けようとするが開かず、どんなに引っ張っても開かない。
さらに両足を扉に当てて引っ張るが逆に落ちてしまった。風丸と染岡は焦りながら駆け寄る。
「何が任せろだよ」
「早くしろよ。見つかったらどうすんだ」
「――とっくに見つかってるんだけど」
「――期待を裏切らないって、こういうことを言うんだね……」
声の方向に目をやると薄く笑う夏未と呆れたように額に手を当てる瑞貴がいた。
「あ、あの、これは、その」
「練習だよ!」
「そ、そう! 敵に見つからないようにする練習なんだ」
「……なんでサッカーにそんな練習が必要なの」
瑞貴がジトーと半目で見ると部員一同は背筋が冷えた。その様子に夏未と瑞貴はそろって溜息を吐く。二人は最初部室に行っていたが部員全員がいなかったため、まさかと思って理事長室に戻ったら案の定だった。
この様子に夏未と瑞貴はそろって溜息を吐く。
「あんたたちの探してるのって――これでしょ?」
夏未が見せたのは古びたノートだった。
「じいちゃんの秘伝書!」
円堂はすぐさま駆け寄って夏未の手から秘伝書を取り、中身を確認する。
「守、お礼」
「あっ、ありがとう!」
(((((母親か……)))))
そう思ったのは一人や二人ではないだろう。もともと瑞貴は姉のような母親のような雰囲気を漂わせているし、こういうときに真面目だから尚更だ。
「瑞貴から聞いたんだけど本当にあったとはね……」
「瑞貴が? どうして?」
半田が首を傾げると瑞貴はあっけからんと答えた。
「だって理事長室は夏未ちゃんと理事長の部屋だもん。勝手に金庫を開けたら泥棒と一緒じゃない」
「「「「「ウッ」」」」」
その泥棒のようなことをしていた部員一同は一斉に目を反らした。
「そういうこと。でも意味ないわよ」
「なんで?」
とりあえず秘伝書が見つかったことでサッカー部は駆け寄るが、夏未の言葉は風丸を筆頭に疑問を持つ。
「読めないもの」
「「「「「えぇ?」」」」」
部室に移動して全員秘伝書の中身を見る。しかし……。
「暗号で書かれているのか?」
「外国の文字っスかね?」
「――いや、おっそろしく汚い字なんだ」
染岡と壁山が予想したことを言うと、風丸は落雷が落ちるような衝撃のひと言を放つ。
秘伝書を見ている円堂、その隣から中を覗く瑞貴、椅子に座って腕と足を組む豪炎寺、詰まれたタイヤに座って傍観している土門以外のメンバーは沈んだ空気の中にいた。
「汚いんですか……」
「多分……」
「誰も読めないんじゃぁ……」
「それ使えねぇよ」
少林寺と風丸と壁山と染岡の順で落ち込みながら言う。せっかく苦労(?)して手に入れたのに読めないのでは意味がない。風丸と染岡はさすがにキレた。
「「円堂!!」」
「スッゲー! ゴッドハンドの極意だって!」
「あっ、この必殺技やってみたい!」
「「「「「読めるのかよ!?」」」」」
書いた本人以外誰一人読めないと思ったのに円堂と瑞貴はアッサリ読んでしまった。これには先程暗い空気の中にいた者は驚いた。
「だってじいちゃんの特訓ノート読んでるから。俺も最初、何書いてあるのかわかんなかったんだけどさ、少しずつ読めるようになったんだ」
そう言ってニヒッと笑う円堂。次にみんなが見たのは瑞貴だった。代表をして宍戸が訊く。
「瑞貴さんは?」
「確かに汚いけど読めないことはないよ」
「「「「「嘘つけ!」」」」」
「ホントだって。これ漢字と平仮名とカタカナと絵がゴチャゴチャに書いてあるから読みにくいんだと思う。だから少しずつ解読していくとわかるよ」
瑞貴は人差し指を立てて説明し、ニコッと笑った。
机に座って空中系の必殺技がないか秘伝書を見てみる円堂。その両隣で風丸と瑞貴も中を覗いてみた。瑞貴など知っている必殺技も書いてあることを目敏く捕らえている。
「うん、相手の高さに勝つにはこれだ。――イナズマ落とし」
「イナズマ落とし!」
「カッコいいっス!」
名前からして強そうだったので一年組と半田は感嘆の声を上げる。
「読むぞ。いいか?」
「「「「「……!」」」」」
円堂がそう言うと残りのメンバーは緊張した顔でいて、染岡と影野は少し前に体を傾ける。
「『一人がビョーンと飛ぶ。もう一人がその上でバーンとなってクルッとなってズバーン。これぞ、イナズマ落としの極意』――えっ?」
円堂本日二度目の目が点。