凍てつく闇・ダイヤモンドダスト!!
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――練習に夢中になって、いつの間にか空はオレンジ色に染まっていた。
「お疲れ様ー!」
「ドリンクがあるわよ」
「土方くんの差し入れ。沖縄特産シークワーサードリンク!」
「「「「「おー!」」」」」
マネージャーと土方が持ってきてくれたドリンクに、みんな喜んでコップを手にとって飲む。
「「「「「いっただきまーす! ……酸っぱい/酸っぺー/酸っぱ!」」」」」
「っつ~!」
「これくらいなんだよ」
みんなや財前塔子の反応に、大げさだなと思いながら綱海も飲むが顔をしかめた。
「酸っぱいんでしょ?」
「す、酸っぱくなんかねぇ!」
「な~ら~、甘酸っぱい初恋の味ってやつな! うちらみたいな?」
「アハハハ……」
一之瀬は髪がゴボウ化して目も糸目になっている。もうリカの熱烈アプローチに逆らう気力もないようだ。
「こんな酸っぱい恋より甘い恋がしてぇよ。なっ、瑞貴――ん?」
「~~~~っ!」
綱海が顔を向けると瑞貴は涙目になりながら振り向いた。どうやら予想以上の酸っぱさに堪えたのだろう。だが涙目に少し頬を赤くして夕日に照らされた瑞貴の姿に、綱海が反応しないわけがなかった。
「可愛いぜ瑞貴!」
「みぎゃあ!」
「こら綱海! 瑞貴から離れろ!」
急にギューッと抱きついてきた綱海。うしろで塔子が叫ぶが聞こえてないようだ。瑞貴はさすがに慣れてドリンクのせいで脱力していると……。
ベリッ!
「えっ?」
「あれ?」
「…………」
豪炎寺がすかさず瑞貴を綱海から引っ剥がし、その腕をつかんだまま綱海と塔子から離れていく。
「なんだよ、あいつもライバルか」
「瑞貴ってホントモテるねぇ。まっ、あたしも瑞貴が大好きだけど!」
胸を張って宣言する塔子に綱海は「ここにもいるし」とジト目で見る。
「まったく。お前は相変わらず無防備すぎる。ちっとも変わってないな」
「何が?」
頭に「?」を浮かべて首を傾げる瑞貴に豪炎寺が呆れると、視界の端に土方が去ろうとしていたので追いかけた。
「土方!」
「ん?」
「帰るのか?」
「ああ。弟たちのメシ作らないとな」
「そうか。土方、いろいろとありがとう」
「礼なんかいいって。さっきも言ったろ? お前が楽しくサッカーができる、いいじゃねぇかそれで」
土方は豪炎寺の肩に手を置くと、グラウンドに集まっている雷門イレブンを見る。
「行くんだろ? 円堂や瑞貴たちと」
豪炎寺は静かに、そして力強く頷いた。
「弟たちにはうまく言っとくよ」
「勝手ばかり言ってすまない」
「謝ることはねぇよ。俺には帰る家がある。お前には帰るべきチームがある。それだけのことさ」
豪炎寺は土方に感謝し尽くしても足りない、鬼瓦に頼まれたとはいえ、精神も支えてくれて一緒に練習してくれて。そして彼の弟たちも自分を兄のように慕ってくれた。まるで第二の家族ができたみたいだった。
「あと、瑞貴のこともがんばれよ。ライバルは多いからな」
「フッ。重々承知済みだし、負ける気はしない」
「頼もしいな」
土方は再度瑞貴を見て今度こそ家に向かって歩く。
豪炎寺から雷門イレブンのことは聞いていたが、その中でよく話に出てくるのが円堂と――瑞貴だった。
実際会ったときはどこにでもいる普通の女の子に見えたが、弟たちとサッカーしている姿は楽しそうで、その優しい笑顔を見たとき、豪炎寺が惚れる理由も納得したのだ。
「お疲れ様ー!」
「ドリンクがあるわよ」
「土方くんの差し入れ。沖縄特産シークワーサードリンク!」
「「「「「おー!」」」」」
マネージャーと土方が持ってきてくれたドリンクに、みんな喜んでコップを手にとって飲む。
「「「「「いっただきまーす! ……酸っぱい/酸っぺー/酸っぱ!」」」」」
「っつ~!」
「これくらいなんだよ」
みんなや財前塔子の反応に、大げさだなと思いながら綱海も飲むが顔をしかめた。
「酸っぱいんでしょ?」
「す、酸っぱくなんかねぇ!」
「な~ら~、甘酸っぱい初恋の味ってやつな! うちらみたいな?」
「アハハハ……」
一之瀬は髪がゴボウ化して目も糸目になっている。もうリカの熱烈アプローチに逆らう気力もないようだ。
「こんな酸っぱい恋より甘い恋がしてぇよ。なっ、瑞貴――ん?」
「~~~~っ!」
綱海が顔を向けると瑞貴は涙目になりながら振り向いた。どうやら予想以上の酸っぱさに堪えたのだろう。だが涙目に少し頬を赤くして夕日に照らされた瑞貴の姿に、綱海が反応しないわけがなかった。
「可愛いぜ瑞貴!」
「みぎゃあ!」
「こら綱海! 瑞貴から離れろ!」
急にギューッと抱きついてきた綱海。うしろで塔子が叫ぶが聞こえてないようだ。瑞貴はさすがに慣れてドリンクのせいで脱力していると……。
ベリッ!
「えっ?」
「あれ?」
「…………」
豪炎寺がすかさず瑞貴を綱海から引っ剥がし、その腕をつかんだまま綱海と塔子から離れていく。
「なんだよ、あいつもライバルか」
「瑞貴ってホントモテるねぇ。まっ、あたしも瑞貴が大好きだけど!」
胸を張って宣言する塔子に綱海は「ここにもいるし」とジト目で見る。
「まったく。お前は相変わらず無防備すぎる。ちっとも変わってないな」
「何が?」
頭に「?」を浮かべて首を傾げる瑞貴に豪炎寺が呆れると、視界の端に土方が去ろうとしていたので追いかけた。
「土方!」
「ん?」
「帰るのか?」
「ああ。弟たちのメシ作らないとな」
「そうか。土方、いろいろとありがとう」
「礼なんかいいって。さっきも言ったろ? お前が楽しくサッカーができる、いいじゃねぇかそれで」
土方は豪炎寺の肩に手を置くと、グラウンドに集まっている雷門イレブンを見る。
「行くんだろ? 円堂や瑞貴たちと」
豪炎寺は静かに、そして力強く頷いた。
「弟たちにはうまく言っとくよ」
「勝手ばかり言ってすまない」
「謝ることはねぇよ。俺には帰る家がある。お前には帰るべきチームがある。それだけのことさ」
豪炎寺は土方に感謝し尽くしても足りない、鬼瓦に頼まれたとはいえ、精神も支えてくれて一緒に練習してくれて。そして彼の弟たちも自分を兄のように慕ってくれた。まるで第二の家族ができたみたいだった。
「あと、瑞貴のこともがんばれよ。ライバルは多いからな」
「フッ。重々承知済みだし、負ける気はしない」
「頼もしいな」
土方は再度瑞貴を見て今度こそ家に向かって歩く。
豪炎寺から雷門イレブンのことは聞いていたが、その中でよく話に出てくるのが円堂と――瑞貴だった。
実際会ったときはどこにでもいる普通の女の子に見えたが、弟たちとサッカーしている姿は楽しそうで、その優しい笑顔を見たとき、豪炎寺が惚れる理由も納得したのだ。