凍てつく闇・ダイヤモンドダスト!!
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「おやっさんときたらヒドいんだぜ? 『人を隠すには人の中』とか言ってさ。まあうちは家族の一人や二人増えたってどうってことないけどな」
「我々はまず妹さんの身辺を探った。敵の実態がわからんし人質のことがあったんで慎重にな。調査にはかなり時間がかかってしまったが、ようやく妹さんの安全を確保できたんだ」
「ありがとうございます! 刑事さん!」
近くまで来て勢いよく頭を下げた円堂に鬼瓦も豪炎寺も驚くが、鬼瓦は照れるように頬を掻きながら言う。
「礼なら土方に言ってくれ」
「ええっ!? やめてくれよ! おやっさんとは親父の代からの付き合いだ。これぐらいどうってことないさ!」
こっちは謙虚だが慌てながら顔を赤くしてわかりやすい。だが、豪炎寺はそれを否定する。
「いや、お前がいなかったら俺は……」
まだ沖縄に来たばかりの頃、豪炎寺は妹・豪炎寺夕香とチームのことが気がかりで食欲も失っていた。頭ではわかっていても心がそうではなかった。そんなとき、土方が言ってくれた。
『腹減ってないんだろ? 昨日も夕飯食べてなかったし。腹を減らすには体を動かすのが一番だ!』
土方もサッカー部ということで豪炎寺にとって良い練習相手だった。ただパス回しをしているだけでも、だんだん気が紛れることができた。
「お前がいたから爆熱ストームを完成することができた。ありがとう、土方」
「へっ」
一見ぶっきらぼうに聞こえるが、鬼瓦のときと同じように豪炎寺の礼にも土方は照れていた。つい瑞貴もクスッと小さく笑う。
すると木野秋が「豪炎寺くん」と声をかける。
「どうだった? 久しぶりの雷門は」
一瞬驚いて目を見開いたが、豪炎寺の答えは決まっていた。
「ああ――最高だ!」
その答えに円堂も瑞貴もチーム全員微笑んだ。豪炎寺が戦力に戻ったことで雷門イレブンはまた新たに強くなる。
そして大海原中のグラウンドで練習することになった。豪炎寺が離れていたブランクを取り戻すために、チームが豪炎寺に早く馴染むために、ダイヤモンドダストに対抗するためにも。
「豪炎寺!」
ボールを受けた豪炎寺が鬼道にパスをすると、左足で受けた鬼道はすぐ回転して一之瀬にパスを出す。
「一之瀬!」
「いただき!」
「やったな!」
一之瀬が土門を追いかけようとすると、綱海が「来い!」と土門の前に出て構える。だが、土門は綱海を中心に回ってかわす。
「豪炎寺!」
「ンだよ! 俺とやるときもそれくらい楽しそうな顔しろよな!」
最初から雷門にいた豪炎寺と綱海とでは差があるだろうが、これなら意外にも早く豪炎寺もチームに馴染むことができるだろう。その様子を見守っていた円堂と瑞貴はそう思った。
「あんなことがあっても、まるでなんにもなかったみたいにボールを蹴ってますよね」
「そうね」
「男の子っていいわね」
ベンチで観戦しているマネージャーの音無春奈も雷門夏未も秋も、サッカーになれば楽しくやっていくみんなに少しうらやましく思った。だけど逆にそうでない者もいる。
「GO園児だか幼稚園児だか知らんけど、ストライカーはうちやで!」
「エースのつもりだったのかよ」
「なっ! エースとちゃう! クイーンやクイーン!」
同じように観戦していた浦部リカの言葉に木暮夕弥が言う。突然現れてすぐ活躍した豪炎寺に嫉妬しているのが丸わかりだ。
「豪炎寺!」
一之瀬が豪炎寺に向かってパスすると、リカが乱入してきた。
「どうや! ――ありゃ?」
しかし奪ったはずのボールはなく驚いたリカはそのまま転んでしまった。ボールはいつの間にか豪炎寺の足元にある。
「ンなアホな!」
めげずにリカは豪炎寺とボールの奪い合いをするが、一向にボールは豪炎寺がキープしたまま。それに一之瀬は苦笑しながら見守るしかなかった。
「我々はまず妹さんの身辺を探った。敵の実態がわからんし人質のことがあったんで慎重にな。調査にはかなり時間がかかってしまったが、ようやく妹さんの安全を確保できたんだ」
「ありがとうございます! 刑事さん!」
近くまで来て勢いよく頭を下げた円堂に鬼瓦も豪炎寺も驚くが、鬼瓦は照れるように頬を掻きながら言う。
「礼なら土方に言ってくれ」
「ええっ!? やめてくれよ! おやっさんとは親父の代からの付き合いだ。これぐらいどうってことないさ!」
こっちは謙虚だが慌てながら顔を赤くしてわかりやすい。だが、豪炎寺はそれを否定する。
「いや、お前がいなかったら俺は……」
まだ沖縄に来たばかりの頃、豪炎寺は妹・豪炎寺夕香とチームのことが気がかりで食欲も失っていた。頭ではわかっていても心がそうではなかった。そんなとき、土方が言ってくれた。
『腹減ってないんだろ? 昨日も夕飯食べてなかったし。腹を減らすには体を動かすのが一番だ!』
土方もサッカー部ということで豪炎寺にとって良い練習相手だった。ただパス回しをしているだけでも、だんだん気が紛れることができた。
「お前がいたから爆熱ストームを完成することができた。ありがとう、土方」
「へっ」
一見ぶっきらぼうに聞こえるが、鬼瓦のときと同じように豪炎寺の礼にも土方は照れていた。つい瑞貴もクスッと小さく笑う。
すると木野秋が「豪炎寺くん」と声をかける。
「どうだった? 久しぶりの雷門は」
一瞬驚いて目を見開いたが、豪炎寺の答えは決まっていた。
「ああ――最高だ!」
その答えに円堂も瑞貴もチーム全員微笑んだ。豪炎寺が戦力に戻ったことで雷門イレブンはまた新たに強くなる。
そして大海原中のグラウンドで練習することになった。豪炎寺が離れていたブランクを取り戻すために、チームが豪炎寺に早く馴染むために、ダイヤモンドダストに対抗するためにも。
「豪炎寺!」
ボールを受けた豪炎寺が鬼道にパスをすると、左足で受けた鬼道はすぐ回転して一之瀬にパスを出す。
「一之瀬!」
「いただき!」
「やったな!」
一之瀬が土門を追いかけようとすると、綱海が「来い!」と土門の前に出て構える。だが、土門は綱海を中心に回ってかわす。
「豪炎寺!」
「ンだよ! 俺とやるときもそれくらい楽しそうな顔しろよな!」
最初から雷門にいた豪炎寺と綱海とでは差があるだろうが、これなら意外にも早く豪炎寺もチームに馴染むことができるだろう。その様子を見守っていた円堂と瑞貴はそう思った。
「あんなことがあっても、まるでなんにもなかったみたいにボールを蹴ってますよね」
「そうね」
「男の子っていいわね」
ベンチで観戦しているマネージャーの音無春奈も雷門夏未も秋も、サッカーになれば楽しくやっていくみんなに少しうらやましく思った。だけど逆にそうでない者もいる。
「GO園児だか幼稚園児だか知らんけど、ストライカーはうちやで!」
「エースのつもりだったのかよ」
「なっ! エースとちゃう! クイーンやクイーン!」
同じように観戦していた浦部リカの言葉に木暮夕弥が言う。突然現れてすぐ活躍した豪炎寺に嫉妬しているのが丸わかりだ。
「豪炎寺!」
一之瀬が豪炎寺に向かってパスすると、リカが乱入してきた。
「どうや! ――ありゃ?」
しかし奪ったはずのボールはなく驚いたリカはそのまま転んでしまった。ボールはいつの間にか豪炎寺の足元にある。
「ンなアホな!」
めげずにリカは豪炎寺とボールの奪い合いをするが、一向にボールは豪炎寺がキープしたまま。それに一之瀬は苦笑しながら見守るしかなかった。