《豪炎寺の復帰で勢いづいた雷門！　イプシロン改からボールを奪い取ったー！》

「鬼道！」


一之瀬からボールを受け取った鬼道は豪炎寺を見る。彼はケイソンとタイタンにマークされていたが、アイコンタクトを受け取った鬼道は頷きメトロンのスライディングをかわしてボールを前線へ蹴る。

ケイソンとタイタンはボールを取りに駆け出しパスミスかと思いきや、マークから逃れた豪炎寺が横に移動する。

そのとき、ボールはスピンをかけてカーブし、見事豪炎寺に渡った。二人は初めからこれを狙っていたのだ。

豪炎寺は完全にフリーでデザームと一対一になる。


「来い！」


すると豪炎寺の背後から炎の竜巻が現れたかと思いきや、それは魔神となって豪炎寺を両手で空へ飛ばす。豪炎寺自身も炎を身にまとって回転しながら飛ぶ。


《出た――っ!!　豪炎寺の新しいシュートか――っ!?》

「爆熱ストーム！」


ファイアトルネードより何倍も威力がある、爆熱ストームがゴールに襲い掛かる。


「止める……必ず止めてみせる！　ドリルスマッシャー！」


爆熱ストームとドリルスマッシャーがぶつかり合う。デザームはなんとしてでも止めようとしたが、威力が大きすぎてだんだんと後退していく。


「なんだ、このパワー!?」


そして豪炎寺がうしろを振り向いた途端、ドリルスマッシャーにヒビが入って粉々に砕き、ボールは見事ゴールに入った。


《豪炎寺！　鉄壁の守りを誇るデザームからも、ゴールを奪い取った――っ!!》


新しい必殺技・爆熱ストームと共に、炎のストライカー・豪炎寺修也――ここに大復活。

……だが、原作と違って試合はまだ続いていた。再びイプシロン改からのキックオフになると、豪炎寺がゼルからボールを奪い鬼道にパスをする。


「瑞貴！」

「わかった！」


瑞貴も豪炎寺と共に上がっていく。鬼道は瑞貴にパスをすると、瑞貴はディフェンスに入るモールとファドラから豪炎寺とのワンツーパスでかわし、フリー状態でゴール前に来た。


「今度こそ決める！」

「お前のシュートでは、私からゴールを奪えん！」


確かに今までデザームに全て止められてしまった。だが、円堂は正義の鉄拳を進化させて勝利した。


「究極奥義じゃなくても、どんな技だって進化していく！　スプリングキャノン！」

「ドリルスマッシャー！」


スプリングキャノンとドリルスマッシャーがぶつかり合う。片手だけでは圧されるので、デザームも両手を出したが……。


「なんだと!?　こっちもパワーアップしている!?」


そう、今までと違ってスプリングキャノンも進化していた。両手でも押さえきれず、ドリルスマッシャーは再び粉々に砕かれてシュートが決まった。


《ゴォ――ルッ!!　なんとスプリングキャノンまで進化して、雷門、デザームから追加点を奪った――っ!!》


そして同時に試合終了のホイッスルが鳴り、３対１で雷門が見事勝利を収めた。


｢｢やった――っ!!｣｣


飛び上がって喜ぶ円堂と瑞貴を筆頭に、全員豪炎寺の元へ駆け寄る。円堂と豪炎寺はガッチリ握手を交わし、瑞貴もその上に手を重ね、三人で笑って頷き合った。