うなれ! 正義の鉄拳!!
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「ああ! それか!」
「でも海の上でできるなんて……バランスがいいんだね」
円堂と瑞貴はその動きを見てさっそくチャレンジしてみる。だけど綱海のようにうまくいかず、何度も途中でひっくり返ってしまった。
「難しい……」
「クソー! なんでひっくり返んだよ!?」
「なんでって、言ったろ。パドルは泳ぎのクロールと違うんだ。胸をグッと上げて、ボードがグラグラしねぇように漕ぐんだよ」
「なるほど!」
「よーし! 今度こそ!」
そんな三人の様子を、浜辺の近くにある森の中で、フードを被った少年が見ていた。
瑞貴も円堂もパドリングがだいぶサマになり、綱海はサーフボードに乗りながら波の様子を感じる。
「じゃあ波に乗ってみるからな。よーく見てろよ」
綱海はパドリングをしたあと、素早くサーフボードに立ってバランスよく波に乗る。
「スッゲー!」
「なんか気持ちよさそう!」
「俺たちもいくぞ!」
「うん!」
次に円堂も瑞貴もやってみるが、サーフボードの上に立つことはできても、予測不能の波の動きについていけず、サーフボードから落ちてしまった。
「やっぱいきなりはムリか……」
二人の様子を見て呟く綱海だが、円堂も瑞貴ももう一度挑戦する。
綱海も宣言した通り「なんだ、そのへっぴり腰は!」や「もっと腰に力を入れろ!」や「もう一回!」と厳しく指導する。それでも必殺技を完成させるため、二人は何度も何度もめげずに挑戦していった。
――しかし夕方になっても上達せず疲労が溜まり、浜辺で瑞貴は座り込んで、円堂はうつ伏せになって倒れている。
「大丈夫か?」
「なんとか……」
「オウッ。も、もう一回、頼む……」
「今日はこの辺にしとこうぜ」
綱海は振り返って歩き出したので、円堂と瑞貴は顔を見合わせると気になって付いて行った。
すると綱海は海岸沿いの崖に座って海を眺めていた。二人も一緒に海を見ると、夕日が綺麗に見える。
「いいとこだな」
「夕日に照らされた海が綺麗……」
「ああ。俺の一番好きな場所だ。サーフィンやってると、どうしても乗れねぇ波ってのがあってよ」
「えっ!? 綱海にも!?」
「そりゃあ、あるぜ」
「なんか、ちょっと意外かも」
瑞貴が阿夏遠島に向かう途中聞こえた声は綱海のものだった。『俺様に乗れねぇ波は、ねえ!』と叫んでいたので少し驚く。
「何回やっても放り出されて、もう絶対乗れないんじゃないかって波がよ。そんなとき、ここに来る。こうして海を見て……そしたらまた力が湧いて来るんだ。『明日は絶対乗ってやるんだ』ってな」
「そっか。ここがお前の鉄塔広場なんだな!」
「鉄塔広場?」
「ああ。稲妻町にある俺の特訓場! 俺も、必殺技ができないとき、そこ行って朝から晩まで特訓するんだ。そしたらまた、力が湧いてくる! 『明日こそ絶対完成させてやるんだ』ってな!」
いつしか瑞貴や豪炎寺や鬼道と一緒に、鉄塔広場で夕日を見たものだ。
「瑞貴も力が湧いてくるのは鉄塔広場なのか?」
「鉄塔広場もステキだけど、私が好きなのは星だね」
「「星?」」
「うん。星ってどこにいても輝いて、見てたら挫けそうなときも『明日はがんばろう』って力が湧いてくるの。それに空は繋がっているから、大切な人と離れても同じ星をきっと見ている。そう思えば寂しさが少し和らぐんだ」
入院している仲間や、離脱してしまった仲間も同じ空の下にいる。だから星の輝きが瑞貴の心を癒やしてくれるのだ。
その中で最初に離脱した豪炎寺修也を思い出したのか、円堂が寂しそうな顔をした。
「どうしてるかな? 豪炎寺……」
「豪炎寺?」
「豪炎寺修也。雷門中サッカー部のエースストライカーなんだ」
「ああ。俺たちの仲間で、ずっと一緒にサッカーやってたんだ。だけど……」
『すまない円堂。俺はお前たちと戦えない』
奈良でジェミニストームと試合したあと、瞳子の命令で豪炎寺はチームを離れることになった。円堂も瑞貴も特に最初の仲間との別れだった、あの日のことを忘れられない。
「でも海の上でできるなんて……バランスがいいんだね」
円堂と瑞貴はその動きを見てさっそくチャレンジしてみる。だけど綱海のようにうまくいかず、何度も途中でひっくり返ってしまった。
「難しい……」
「クソー! なんでひっくり返んだよ!?」
「なんでって、言ったろ。パドルは泳ぎのクロールと違うんだ。胸をグッと上げて、ボードがグラグラしねぇように漕ぐんだよ」
「なるほど!」
「よーし! 今度こそ!」
そんな三人の様子を、浜辺の近くにある森の中で、フードを被った少年が見ていた。
瑞貴も円堂もパドリングがだいぶサマになり、綱海はサーフボードに乗りながら波の様子を感じる。
「じゃあ波に乗ってみるからな。よーく見てろよ」
綱海はパドリングをしたあと、素早くサーフボードに立ってバランスよく波に乗る。
「スッゲー!」
「なんか気持ちよさそう!」
「俺たちもいくぞ!」
「うん!」
次に円堂も瑞貴もやってみるが、サーフボードの上に立つことはできても、予測不能の波の動きについていけず、サーフボードから落ちてしまった。
「やっぱいきなりはムリか……」
二人の様子を見て呟く綱海だが、円堂も瑞貴ももう一度挑戦する。
綱海も宣言した通り「なんだ、そのへっぴり腰は!」や「もっと腰に力を入れろ!」や「もう一回!」と厳しく指導する。それでも必殺技を完成させるため、二人は何度も何度もめげずに挑戦していった。
――しかし夕方になっても上達せず疲労が溜まり、浜辺で瑞貴は座り込んで、円堂はうつ伏せになって倒れている。
「大丈夫か?」
「なんとか……」
「オウッ。も、もう一回、頼む……」
「今日はこの辺にしとこうぜ」
綱海は振り返って歩き出したので、円堂と瑞貴は顔を見合わせると気になって付いて行った。
すると綱海は海岸沿いの崖に座って海を眺めていた。二人も一緒に海を見ると、夕日が綺麗に見える。
「いいとこだな」
「夕日に照らされた海が綺麗……」
「ああ。俺の一番好きな場所だ。サーフィンやってると、どうしても乗れねぇ波ってのがあってよ」
「えっ!? 綱海にも!?」
「そりゃあ、あるぜ」
「なんか、ちょっと意外かも」
瑞貴が阿夏遠島に向かう途中聞こえた声は綱海のものだった。『俺様に乗れねぇ波は、ねえ!』と叫んでいたので少し驚く。
「何回やっても放り出されて、もう絶対乗れないんじゃないかって波がよ。そんなとき、ここに来る。こうして海を見て……そしたらまた力が湧いて来るんだ。『明日は絶対乗ってやるんだ』ってな」
「そっか。ここがお前の鉄塔広場なんだな!」
「鉄塔広場?」
「ああ。稲妻町にある俺の特訓場! 俺も、必殺技ができないとき、そこ行って朝から晩まで特訓するんだ。そしたらまた、力が湧いてくる! 『明日こそ絶対完成させてやるんだ』ってな!」
いつしか瑞貴や豪炎寺や鬼道と一緒に、鉄塔広場で夕日を見たものだ。
「瑞貴も力が湧いてくるのは鉄塔広場なのか?」
「鉄塔広場もステキだけど、私が好きなのは星だね」
「「星?」」
「うん。星ってどこにいても輝いて、見てたら挫けそうなときも『明日はがんばろう』って力が湧いてくるの。それに空は繋がっているから、大切な人と離れても同じ星をきっと見ている。そう思えば寂しさが少し和らぐんだ」
入院している仲間や、離脱してしまった仲間も同じ空の下にいる。だから星の輝きが瑞貴の心を癒やしてくれるのだ。
その中で最初に離脱した豪炎寺修也を思い出したのか、円堂が寂しそうな顔をした。
「どうしてるかな? 豪炎寺……」
「豪炎寺?」
「豪炎寺修也。雷門中サッカー部のエースストライカーなんだ」
「ああ。俺たちの仲間で、ずっと一緒にサッカーやってたんだ。だけど……」
『すまない円堂。俺はお前たちと戦えない』
奈良でジェミニストームと試合したあと、瞳子の命令で豪炎寺はチームを離れることになった。円堂も瑞貴も特に最初の仲間との別れだった、あの日のことを忘れられない。