うなれ! 正義の鉄拳!!
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「なっ、瑞貴。俺にもキャンが吹雪にやったことと同じことしてくれ!」
「へっ?」
一瞬なんのことかと思ったが、喜矢武が吹雪に食べさせてあげようとする姿が思い浮かんだ。
「食べさせてほしいってこと?」
「オウッ。ほら、あーん」
「はい」
綱海が口を開けたので、瑞貴は躊躇いもなく自分の鉄串に刺さった肉をあげる。やってくれて綱海が肉をおいしそうに食べると、瑞貴もそのまま同じ鉄串でエビを食べる。
瑞貴は間接キスとか気にしないタイプなので、全く意識はしなかった。
「あー! 綱海、瑞貴に食べさせてもらってズルいぞ! 瑞貴、俺にもやってくれ!」
「守も? はい」
「サンキュー!」
円堂も瑞貴の鉄串にある肉を食べる。全部なくなったので瑞貴は次の鉄串を取った。
「「あ――っ!!」」
「「「!?」」」
追いかけっこしていた春奈と木暮が急に声を上げたので、瑞貴と円堂と綱海はビクッとする。
「綱海さんもキャプテンも! なんで瑞貴先輩に『あーん』してもらってるんですか!」
「そうだぞ! 瑞貴姉もホイホイ食べさせてあげるな!」
「って言っても、別に気にしないし……。それに東京では一哉にもよくやってあげたから」
「!」
「「「「「!?」」」」」
まさかの情報に張本人の一之瀬はギクリと肩を跳ね、他のみんなは一斉に一之瀬を見る。
「「瑞貴先輩/姉に何やらせてるんですか/だー!」」
「うわあぁぁあああ!」
まさかのターゲット変更。一之瀬は即座に逃げ出し、瑞貴が大好き代表ともいえる春奈と木暮は追いかけ始める。
始めて見る大海原イレブンはポカンとしたが、慣れている雷門イレブンは放置していた。他の瑞貴へ好意を寄せている者も、春奈と木暮がタッグを組んだのでそのまま任せた。
「こんなにおいしいのに食べないでいなくなるなんて。もったいないっスね、監督」
壁山が瞳子のことを言ったので、塔子がふと見ると今まで一番ノリノリだった大海原監督が、未だに沈んで「ノれない……」と涙ぐんでいた。
一方、鬼道と音村はイメージトレーニングをしながら戦略を語り合っていた。
「なるほど。そこに2ビートが加われば、8ビートになる。面白い考え方だ」
「でしょ? でもそこに16ビートが加われば……」
「右の守りが甘くなる!」
「ビンゴ! 簡単なことなのさ。この世は、みんなリズムの調和でできている。寄せては返す波の音も、渡りを歌う鳥の声も、そして、あのただうるさいだけの、この声だって」
「確かにお前の言う通りだ」
すると音村は視界に春奈と木暮を止める瑞貴が見えたので、その視線を追った鬼道も瑞貴を見る。
「彼女……井上さんだっけ。なかなか不思議なリズムを奏でるね」
「試合前にも言っていたが、どういうことだ?」
「この世界の人ではない感じがする、とだけ言えるかな」
「!」
瑞貴が異世界から来たことは、フットボールフロンティア全国大会決勝で瑞貴から全員に告げられた。キャラバンメンバーは知らないが、音村はリズムと直感でなんとなく悟ったのだろう。
「だけどそれも彼女の魅力の一つ。だから綱海も鬼道くんも惹かれるんだろうね」
「なっ!?」
「綱海はリズムを計る間もなくわかりやすいけど、彼女のことになったら君のリズムも変わってるんだよ。同じ気持ちになっているのは、一人や二人じゃなさそうだけどね」
そう言って笑う音村に、鬼道は改めて恐ろしい奴だと思った。
☆☆☆☆☆
バーベキューも終わって、綱海の指導で円堂と瑞貴はサーフィンをすることになった。
瑞貴が水着に着替えて髪を一つにまとめ、サーフボードを持って行くと、待ち合わせの砂浜には綱海と円堂が同じく水着を着てサーフボードを構えていた。
「ごめん! 遅れた!」
「いいっていいって。こんぐらい大丈夫だ」
「がんばろうな、瑞貴!」
待たせてしまったのに、綱海も円堂も快く許してくれた。
「それじゃあ始めるぜ。まずはパドリングからな」
「パドリング?」
綱海がお手本として、サーフボードの上に体をうつ伏せにし、両腕を使って水をかいて泳いでいく。
「へっ?」
一瞬なんのことかと思ったが、喜矢武が吹雪に食べさせてあげようとする姿が思い浮かんだ。
「食べさせてほしいってこと?」
「オウッ。ほら、あーん」
「はい」
綱海が口を開けたので、瑞貴は躊躇いもなく自分の鉄串に刺さった肉をあげる。やってくれて綱海が肉をおいしそうに食べると、瑞貴もそのまま同じ鉄串でエビを食べる。
瑞貴は間接キスとか気にしないタイプなので、全く意識はしなかった。
「あー! 綱海、瑞貴に食べさせてもらってズルいぞ! 瑞貴、俺にもやってくれ!」
「守も? はい」
「サンキュー!」
円堂も瑞貴の鉄串にある肉を食べる。全部なくなったので瑞貴は次の鉄串を取った。
「「あ――っ!!」」
「「「!?」」」
追いかけっこしていた春奈と木暮が急に声を上げたので、瑞貴と円堂と綱海はビクッとする。
「綱海さんもキャプテンも! なんで瑞貴先輩に『あーん』してもらってるんですか!」
「そうだぞ! 瑞貴姉もホイホイ食べさせてあげるな!」
「って言っても、別に気にしないし……。それに東京では一哉にもよくやってあげたから」
「!」
「「「「「!?」」」」」
まさかの情報に張本人の一之瀬はギクリと肩を跳ね、他のみんなは一斉に一之瀬を見る。
「「瑞貴先輩/姉に何やらせてるんですか/だー!」」
「うわあぁぁあああ!」
まさかのターゲット変更。一之瀬は即座に逃げ出し、瑞貴が大好き代表ともいえる春奈と木暮は追いかけ始める。
始めて見る大海原イレブンはポカンとしたが、慣れている雷門イレブンは放置していた。他の瑞貴へ好意を寄せている者も、春奈と木暮がタッグを組んだのでそのまま任せた。
「こんなにおいしいのに食べないでいなくなるなんて。もったいないっスね、監督」
壁山が瞳子のことを言ったので、塔子がふと見ると今まで一番ノリノリだった大海原監督が、未だに沈んで「ノれない……」と涙ぐんでいた。
一方、鬼道と音村はイメージトレーニングをしながら戦略を語り合っていた。
「なるほど。そこに2ビートが加われば、8ビートになる。面白い考え方だ」
「でしょ? でもそこに16ビートが加われば……」
「右の守りが甘くなる!」
「ビンゴ! 簡単なことなのさ。この世は、みんなリズムの調和でできている。寄せては返す波の音も、渡りを歌う鳥の声も、そして、あのただうるさいだけの、この声だって」
「確かにお前の言う通りだ」
すると音村は視界に春奈と木暮を止める瑞貴が見えたので、その視線を追った鬼道も瑞貴を見る。
「彼女……井上さんだっけ。なかなか不思議なリズムを奏でるね」
「試合前にも言っていたが、どういうことだ?」
「この世界の人ではない感じがする、とだけ言えるかな」
「!」
瑞貴が異世界から来たことは、フットボールフロンティア全国大会決勝で瑞貴から全員に告げられた。キャラバンメンバーは知らないが、音村はリズムと直感でなんとなく悟ったのだろう。
「だけどそれも彼女の魅力の一つ。だから綱海も鬼道くんも惹かれるんだろうね」
「なっ!?」
「綱海はリズムを計る間もなくわかりやすいけど、彼女のことになったら君のリズムも変わってるんだよ。同じ気持ちになっているのは、一人や二人じゃなさそうだけどね」
そう言って笑う音村に、鬼道は改めて恐ろしい奴だと思った。
☆☆☆☆☆
バーベキューも終わって、綱海の指導で円堂と瑞貴はサーフィンをすることになった。
瑞貴が水着に着替えて髪を一つにまとめ、サーフボードを持って行くと、待ち合わせの砂浜には綱海と円堂が同じく水着を着てサーフボードを構えていた。
「ごめん! 遅れた!」
「いいっていいって。こんぐらい大丈夫だ」
「がんばろうな、瑞貴!」
待たせてしまったのに、綱海も円堂も快く許してくれた。
「それじゃあ始めるぜ。まずはパドリングからな」
「パドリング?」
綱海がお手本として、サーフボードの上に体をうつ伏せにし、両腕を使って水をかいて泳いでいく。