炎のストライカー!
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ポーン――……。
「「ん?」」
リカや塔子を始め全員が振り向くと、サッカーボールが高く上がっていた。
「この下は公園だから、誰かがサッカーを……って! 守がいない!?」
「ええっ!?」
瑞貴が横を振り向けば隣にいた円堂が消えている。立向居も気づかなかったようで目を見開いていると、鬼道が溜息を吐いた。
「どうせ、あのボールが上がった場所に行ったんだろう。あいつはサッカーバカだしな」
「だね……。みんなは聞き込みを始めて。私たちはひとまず守のとこに行ってくる」
「「「「「オウッ!」」」」」
メンバーに指示を出し、とりあえず瑞貴と鬼道と立向居は円堂のとこへ向かった。
「うわああぁぁあん!」
「泣かした!」
「泣かした!」
「「泣かした!」」
「「「「「うわああぁぁあん!!」」」」」
到着したらなんと五人の子供たちが泣いている。円堂は慌てているが原因なのは間違いないので、鬼道と瑞貴は両腕を組んで詰め寄り、立向居は苦笑する。
「「円堂/守、何したんだ/の?」」
「えっ!? なんにもしてないよ」
「うらああぁあぁあああ!!」
ドドドドドド――……!!
突然の叫び声と地響きと共に、砂煙が立ち上がるほどのスピードで誰かがやってきた。
そして瑞貴たちと子供たちの間に来たので、思わず構えたが……。
「「「「えっ?」」」」
目の前に現れたのは自分たちと同じ歳くらいの少年だが、服装は割烹着でホウキとチリトリも持っている。まるで母親のような姿に瑞貴たちは目を丸くした。
「「「「「あんちゃん!」」」」」
どうやら彼は子供たちの兄のようで、子供たちは全員少年に引っ付いた。
「誰だ! 俺の弟たち泣かしたのは!」
「あのお兄ちゃん、ボール取ったー!」
「何ぃ?」
「えっ!? あっ、ごめんごめん! そんなつもりじゃなかったんだ!」
円堂は慌ててボールを差し出すと、弟の一人がボールを即座に取って再び少年のうしろに再び隠れる。
再度謝罪として円堂は弟に「ごめんな」というが、少年は信じてない。
「本当だろうな? だいたい、お前!」
少年はホウキの柄の先を鬼道に突きつける。近距離で止まったが、鬼道は微動だにせず堂々としている。
「怪しすぎだろ、そのメガネ!」
「失敬な奴だな」
今日は言わんでいいことばかり起こる。鬼道は気にしていないようだが、ここまでハッキリ言われたのは初めてではないだろうか。
少年は「フンッ」と言いながらホウキを引っ込め、振り向いて立ち去ろうとすると円堂が呼び止める。
「待ってくれ!」
少年はすぐに止まって振り向いてくれたが、まだ警戒心が残っているようだ。
「俺たち、みんながサッカーやってたの見て、ちょっと訊きたいことがあったんだよ。俺たちは雷門中サッカー部!」
円堂が胸に手を当てて笑顔で言うと、少年の眉がピクリと動いた。
「ハッハッハッハッ! いやーワリィワリィ。お前らか、宇宙人と戦っているサッカーチームは!」
突然少年は豪快に笑うと、円堂に近寄る。
「俺は土方雷電。お前らと同じ中学生だ。サッカー部に所属している」
「サッカー部!? 俺、円堂守! 雷門中サッカー部のキャプテンだ! よろしく!」
円堂が手を差し出すと、少年――土方雷電はホウキを弟に預けて円堂と握手を交わした。
「あんたが、円堂守……」
「ん?」
土方が食い入るように見てきたので、円堂は若干戸惑う。