南海の大決闘!
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「そういえば円堂さん、あのときの正義の鉄拳はどうやったんですか?」
「ん?」
「なんか感じが違ってました!」
「う~ん。咄嗟だったからなぁ」
「何かのヒントにはなったんじゃないか?」
「ババ~!?」
一之瀬から抜き取ったカードはジョーカーだったが、鬼道はポーカーフェイスの持ち主なので何事もないように手札に加えて差し出すと、立向居がそれを引いてしまった。
「でも、あそこまで破壊力があるなんてうらやましいなぁ」
「どないしたんや、ハニー?」
「ジェネシス戦で私のスプリングキャノンが止められたでしょ。それが悔しくてさ、せっかく新しい必殺技を身につけたから、もっとパワーをつけたいんだ」
最初よりシュートが上がっていたので成功と思っていたが、未完成なのかもしれない。
「もしかしたら、まだ何かが足りないのかな……」
コンコンコンコン。
「ん? はーい、今開けます」
扉をノックする音が聞こえたので、瑞貴はカードを置いて扉を開ける。すると――。
「よお」
「みぎゃあぁぁあああ!!」
「「「「「わああぁぁあああ!!」」」」」
なんと大きな魚が口を開けて真正面にいた挙げ句、しゃべったのだ。中にいるみんなはもちろんだが、至近距離にいた瑞貴は一段と驚いて腰を抜かす。
「ん? そこにいるの瑞貴か?」
「はははははい! ……って、もしかして条介さん?」
「オウッ。邪魔すっぜ」
魚の頭を上げて出てきた顔は綱海だった。
「これ、食わせてやろうと思って釣ってきたぜ」
「あ、ありがとう……」
呆気にとられながらも円堂はお礼を言い、綱海は瑞貴の手を取って立ち上がらせてくれた。
「悪かったな。驚かせちまって」
「いえ、大丈夫です。料理するなら私も手伝います」
「そうか、助かるぜ。貝も採ってきたからな」
瑞貴と綱海は二人でキッチンに向かうと、他のみんなは先ほどの迫力が残っているせいか未だに呆然としている。
「スゴいですね条介さん。こんな大物を簡単に捌いちゃうなんて」
「そうか? よくやってることだからどうってことねぇよ」
仲睦まじく作業していく二人。綱海が魚を捌き、瑞貴は貝を調理していく。
「あの二人、めちゃくちゃええ感じやん……。塔子! 押していかなアカンで!」
「何がだよ……」
そうして完成した、大量の刺身と焼き貝。新鮮な海の幸にみんな目を輝かせる。
「スッゲー!」
「さっ、遠慮なく食え」
「サンキュー綱海!」
「「「「「いっただきまーす!!」」」」」
思い思いに取っていき、みんな「うめぇ!」や「やっぱり採れたては鮮度が違うわね~」と感嘆の声を上げる。
「うぅ~! ワサビー!」
「ウッシッシッシッ」
「こら! またやったな!」
壁山のだけワサビを大量に入れたのだろう。犯人の木暮を春奈が追いかけ始めたので、瑞貴は溜息を吐いて走り回る二人を見る。
「夕弥! 春奈ちゃん!」
「「はい!」」
「食事中に走り回らない! せっかく条介さんが作ってくれたんだから、埃でダメになったらどうするの!」
「「ご、ごめんなさい……」」
瑞貴の一喝で動きを止めてシュンと落ち込んで謝る木暮と春奈。瑞貴は壁山に水を渡した。
「塀吾郎。食べられないほど辛かった?」
「い、いえ。いつもより多かったからツーンと来ただけっス……」
水を飲みながら話してくれた壁山。どうやら木暮は陽花戸中のとき瑞貴と約束したことを守ってくれたようだ。
「アッハッハッハッ!」
一連のやり取りが面白かったのか、綱海は豪快に笑う。
「なんか瑞貴って、母ちゃんみたいだな!」
「か、母ちゃん!?」
「オウッ。子供たちを叱る母ちゃんって感じだったぜ」
「あっ…そうですか……」
さすがに中学生に『母ちゃん』はキツかったのか、瑞貴は目に見えるくらいズーンと落ち込んでしまった。
「綱海さん! 瑞貴先輩、落ち込んじゃったじゃないですか!」
「そうだよ! 瑞貴姉に謝れよ!」
先ほど叱られていた子供(春奈と木暮)に言われ、さすがに反省した綱海は瑞貴の正面に回り込んで頭を撫でる。
「スマン、瑞貴! 俺が悪かった!」
「いえ……よくクラスメイトからも言われましたから……」
何事もないように言うが、その声音で明らかにめちゃくちゃ落ち込んでいるとわかる。
雷門中にいた頃、家事もできて世話焼きで気配りができているせちか、よくクラスメイトや友達から『オカン』と言われていたのだ。サッカー部には他に似たような人がいるし、今は旅に出ているからなかったが、久々に言われると結構グサッときた。
「ん?」
「なんか感じが違ってました!」
「う~ん。咄嗟だったからなぁ」
「何かのヒントにはなったんじゃないか?」
「ババ~!?」
一之瀬から抜き取ったカードはジョーカーだったが、鬼道はポーカーフェイスの持ち主なので何事もないように手札に加えて差し出すと、立向居がそれを引いてしまった。
「でも、あそこまで破壊力があるなんてうらやましいなぁ」
「どないしたんや、ハニー?」
「ジェネシス戦で私のスプリングキャノンが止められたでしょ。それが悔しくてさ、せっかく新しい必殺技を身につけたから、もっとパワーをつけたいんだ」
最初よりシュートが上がっていたので成功と思っていたが、未完成なのかもしれない。
「もしかしたら、まだ何かが足りないのかな……」
コンコンコンコン。
「ん? はーい、今開けます」
扉をノックする音が聞こえたので、瑞貴はカードを置いて扉を開ける。すると――。
「よお」
「みぎゃあぁぁあああ!!」
「「「「「わああぁぁあああ!!」」」」」
なんと大きな魚が口を開けて真正面にいた挙げ句、しゃべったのだ。中にいるみんなはもちろんだが、至近距離にいた瑞貴は一段と驚いて腰を抜かす。
「ん? そこにいるの瑞貴か?」
「はははははい! ……って、もしかして条介さん?」
「オウッ。邪魔すっぜ」
魚の頭を上げて出てきた顔は綱海だった。
「これ、食わせてやろうと思って釣ってきたぜ」
「あ、ありがとう……」
呆気にとられながらも円堂はお礼を言い、綱海は瑞貴の手を取って立ち上がらせてくれた。
「悪かったな。驚かせちまって」
「いえ、大丈夫です。料理するなら私も手伝います」
「そうか、助かるぜ。貝も採ってきたからな」
瑞貴と綱海は二人でキッチンに向かうと、他のみんなは先ほどの迫力が残っているせいか未だに呆然としている。
「スゴいですね条介さん。こんな大物を簡単に捌いちゃうなんて」
「そうか? よくやってることだからどうってことねぇよ」
仲睦まじく作業していく二人。綱海が魚を捌き、瑞貴は貝を調理していく。
「あの二人、めちゃくちゃええ感じやん……。塔子! 押していかなアカンで!」
「何がだよ……」
そうして完成した、大量の刺身と焼き貝。新鮮な海の幸にみんな目を輝かせる。
「スッゲー!」
「さっ、遠慮なく食え」
「サンキュー綱海!」
「「「「「いっただきまーす!!」」」」」
思い思いに取っていき、みんな「うめぇ!」や「やっぱり採れたては鮮度が違うわね~」と感嘆の声を上げる。
「うぅ~! ワサビー!」
「ウッシッシッシッ」
「こら! またやったな!」
壁山のだけワサビを大量に入れたのだろう。犯人の木暮を春奈が追いかけ始めたので、瑞貴は溜息を吐いて走り回る二人を見る。
「夕弥! 春奈ちゃん!」
「「はい!」」
「食事中に走り回らない! せっかく条介さんが作ってくれたんだから、埃でダメになったらどうするの!」
「「ご、ごめんなさい……」」
瑞貴の一喝で動きを止めてシュンと落ち込んで謝る木暮と春奈。瑞貴は壁山に水を渡した。
「塀吾郎。食べられないほど辛かった?」
「い、いえ。いつもより多かったからツーンと来ただけっス……」
水を飲みながら話してくれた壁山。どうやら木暮は陽花戸中のとき瑞貴と約束したことを守ってくれたようだ。
「アッハッハッハッ!」
一連のやり取りが面白かったのか、綱海は豪快に笑う。
「なんか瑞貴って、母ちゃんみたいだな!」
「か、母ちゃん!?」
「オウッ。子供たちを叱る母ちゃんって感じだったぜ」
「あっ…そうですか……」
さすがに中学生に『母ちゃん』はキツかったのか、瑞貴は目に見えるくらいズーンと落ち込んでしまった。
「綱海さん! 瑞貴先輩、落ち込んじゃったじゃないですか!」
「そうだよ! 瑞貴姉に謝れよ!」
先ほど叱られていた子供(春奈と木暮)に言われ、さすがに反省した綱海は瑞貴の正面に回り込んで頭を撫でる。
「スマン、瑞貴! 俺が悪かった!」
「いえ……よくクラスメイトからも言われましたから……」
何事もないように言うが、その声音で明らかにめちゃくちゃ落ち込んでいるとわかる。
雷門中にいた頃、家事もできて世話焼きで気配りができているせちか、よくクラスメイトや友達から『オカン』と言われていたのだ。サッカー部には他に似たような人がいるし、今は旅に出ているからなかったが、久々に言われると結構グサッときた。